河野談話を守る会のブログ2

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業者の陰で軍が操っていた・・・・一次史料から見える慰安婦問題

という通牒がある。
1938年11月8日施行されたこの通牒は、内務省警保局が大阪、京都、兵庫、福岡、山口の5府県の各府県知事宛に「慰安婦を集めるように」命じている。内務省警保局というのは、要するに警察の親分である。
 
これだけでも、政府と軍の主体的関与を決定づけるものだが、さらにこの通牒には、
 
 
「本件極秘に」
 
「何処迄も経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定する」
 
とか書いてある。
 
つまり、秘密保持を命じた上で、「どこまでも経営者の自発的行動であるようにしろ」と命じたのである。
 
 
だから、関東学院大学林博史教授も、この資料を「業者を裏で操っているのが軍と内務省であることを裏付ける資料である」と述べている。
 
原文中にある、「本件極秘に左記に依り之を取扱ふこと」とは、慰安婦を徴集することが極秘扱いされたことを示し、そればかりか、「経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定すること」内務省警保局が大阪府など5府県知事に指示したものだというのだ。
 
林博史、俵義文、渡辺美奈著 「村山・河野談話」見直しの錯誤 歴史認識と「慰安婦」問題をめぐって』、かもがわ出版、p22
 
 
 
 
     業者の証言
 
さて、「業者の裏で軍が操っている」証拠としてもうひとつ重要なものがある。それが、大林清玉の井挽歌』(青蛙房、1983)である。
 
P198で大林は、元玉の井銘酒屋組合長の国井茂から、次のような話を聞き出している。
 
37年の11月頃、国井は陸軍省の将校から呼び出され、
 
「接待婦を至急集めて戦地へ渡ってもらいたい。・・・・・住居は軍が準備するし、移動に関してはすべて軍要員に準じ・・・業者のみなさんが自主的にこれを経営するという形を取りたい。まさか軍が女郎屋を経営する訳にはいかんのでね。」と言われたのだという。
 
それから1年後、上の【南支方面渡航婦女の取り扱いに関する件】が発せられたのである。
 
 
 
 
        結論
 
 
「業者のみなさんが自主的にこれを経営するという形を取りたい」
 
「何処迄も経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定する」
 
 
「本件極秘に」
 
なのである。
誰が首謀者であるか?誰が裏で糸を引いているか?誰でも分かるだろう。
 
分からないのは、おバカすぎると思う。