という通牒がある。
これだけでも、政府と軍の主体的関与を決定づけるものだが、さらにこの通牒には、
「本件極秘に」
「何処迄も経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定する」
とか書いてある。
つまり、秘密保持を命じた上で、「どこまでも経営者の自発的行動であるようにしろ」と命じたのである。
原文中にある、「本件極秘に左記に依り之を取扱ふこと」とは、慰安婦を徴集することが極秘扱いされたことを示し、そればかりか、「経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定すること」を内務省警保局が大阪府など5府県知事に指示したものだというのだ。
業者の証言
P198で大林は、元玉の井銘酒屋組合長の国井茂から、次のような話を聞き出している。
37年の11月頃、国井は陸軍省の将校から呼び出され、
「接待婦を至急集めて戦地へ渡ってもらいたい。・・・・・住居は軍が準備するし、移動に関してはすべて軍要員に準じ・・・業者のみなさんが自主的にこれを経営するという形を取りたい。まさか軍が女郎屋を経営する訳にはいかんのでね。」と言われたのだという。
それから1年後、上の【南支方面渡航婦女の取り扱いに関する件】が発せられたのである。
結論
「業者のみなさんが自主的にこれを経営するという形を取りたい」
「何処迄も経営者の自発的希望に基く様取運び之を選定する」
「本件極秘に」
なのである。
誰が首謀者であるか?誰が裏で糸を引いているか?誰でも分かるだろう。
分からないのは、おバカすぎると思う。