吉見VS桜内名誉棄損訴訟第一回口頭弁論報告
少し遅れましたが、吉見裁判第一回口頭弁論の報告をいたします。
1、裁判の模様
当日は、快晴。第一回口頭弁論は4時から103号大法廷でなされました。すでに1時間も前から待つている人が100人を超えており、知人も多くいましたが中には携帯電話に日章旗のシールを貼っている人も・・・。南京夏裁判の時のように、参加者の写真を撮ろうとするふとどきものがいるかも知れないので目を光らせていましたが、見た範囲はいませんでした。
この裁判は、5月27日に外国特派員協会で開かれた橋下徹大阪市長の記者会見で、桜内議員が「それから、ヒストリーブックスということで吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これは既にねつ造であるということが、いろんな証拠によつてあきらかとされております。」と述べた事に対して、吉見教授が「自己の著作を捏造と言われ、名誉を棄損された」として7月26日に訴えたものです。おそらくは「慰安婦問題全体」に関わる議論が展開するものと予測されています。たしかに以前朝鮮日報が書いていたように「総力戦」になりそうです。
裁判が始まるとまず、吉見弁護団から訴状が読み上げられ、これに対して桜内議員が答弁書を読み上げるという形で始まりました。桜内答弁書の内容は↓の動画とほとんど同じでしたが、ただそれよりも無駄な繰り返しが多く、だらだらと20分も続きました。
「ウヨはみんな同じだな」と私は思ってました。
正しい知識のない彼らは、同じ主張を繰り返すだけの発展性の乏しい議論に終始するからです。
この記者会見の中で桜内議員は、「この裁判で”まずコレは著作を指すのではないと主張するがそれがダメでも”性奴隷に根拠がない”と主張する」という2段階計画を述べています。また「維新の会」は党を挙げて桜内議員を応援する事をホームページ上で明らかにしています。https://j-ishin.jp/legislator/news/2013/1008/890.html
トップの高池勝彦師弁護士は、「新しい歴史教科書をつくる会副会長、國語問題協議會会員(監事)、国家基本問題研究所理事、南京事件の真実を検証する会委員、維新政党・新風講師、映画『南京の真実』の賛同者である。東史郎の南京大虐殺関連の書籍に関する名誉棄損訴訟の原告弁護人、百人斬り訴訟の原告側弁護団長[1]、夏淑琴裁判の被告(=松村俊夫、展転社)側弁護人」
2、桜内被告の主張の問題点
さて桜内被告の主張は長いのですが、その分多数の問題点がありました。
「1点だけ、先ほどの、最初の司会者の紹介の点について少しコメントいたします。橋下市長を紹介するコメントのなかで、彼は“sex slavery”という言葉を使われました。これは日本政府としては強制性がないということ、その証拠がないということを言っておりますので、そのような言葉を紹介の際に使われるのは、ややアンフェアでないかと考えております。それから、ヒストリーブックスということで吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これは既にねつ造であるということが、いろんな証拠によつてあきらかとされております。」
下線部分のコレは「それから」という文を挟んでおり、明らかに最初の「これ」とは別の意味があります。その直前の文章の「ヒストリーブック=吉見さんという方の本の引用」を指していると考えるのが普通です。
この場合、 「著作のねつ造」とは、「著作の内容の捏造」と受け取る事ができます。
桜内被告は、2段階にする作戦で名誉棄損から逃れたいようだが、時間稼ぎをしないでほしいものだ。
またこの『従軍慰安婦』では、吉田清治のような信憑性の乏しい証言を一切使っておらず、にもかかわらず結論として「性奴隷」というしかないとしている。20分の桜内弁論の中にあった西岡力などの主張には問題があるので暫時反論しようと思います。西岡力教授は自称「慰安婦問題の専門家」ですが、歴史学者でさえない上にその著作には一次史料がほとんど使われておらず、さらにどこかで誰とも分からない相手との論争で「慰安婦問題に決着がついた」と言い張っている人物です。論争というからには相手がいたはずだが、一体誰と論争していたのだろうか?
西岡はまた、文玉珠さんの事例から、慰安婦が高額な報酬を得ていたと専門家を無視して言い張っている。しかしそれこそ専門家の間では戦時中ビルマの極端なインフレは有名です。 詳しくはここで http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/63986189.html
桜内被告が西岡の著作を引用した以上、西岡が参考人として呼ばれる可能性大ですが、どんなトンチンカンな答弁をしていただけるのか?今から楽しみです。
第二回弁論は12月11日。