歴史学研究会・日本史研究会主催合同シンポジウム
この数日間、様々な会合に出っぱなしでした。
14日の土曜日には
と「国連人権勧告実現を」大会http://www.peace-forum.com/
に。
これについての感想は明後日書く予定です。
日時:2013年12月15日(日)
資料代:500円
第1部 12時30分~16時
主旨・問題提起 坂井博美
報告 芸妓・娼妓・酌婦から見た戦時体制
―日本人「慰安婦」問題とは何か― 小野沢あかね
コメント 富永智津子 西野瑠美子
まず、歴史学会として歴史修正論との闘いを始めようというところは大いに評価できます。とくに藤永壮教授(大阪産業大学)のヘイトデモを絡め、「不逞鮮人」と呼ばれた大日本帝国時代から連綿と続いて来た「歴史修正」「朝鮮人差別」の解説には共鳴しました。また読売新聞慰安婦社説の変節の歴史については、今後このブログでも書いて行こうと思います。
藤永教授と言えば、『「マンガ嫌韓流」のここがデタラメ』において「日清戦争前に朝鮮が中立宣言した事実はない」「統計によれば植民地朝鮮での人口増加は44%前後」「1894年に李氏朝鮮は賎民解放令を出し、形式的には白丁・奴婢は解放された。」(光武改革)などと一次史料を用いて「マンガ嫌韓流」の捏造を指摘したことで有名です。これまで『マンガ嫌韓流』は、まったく事実無根の「朝鮮進駐軍」などの捏造によって、朝鮮人憎悪を煽って来ました。
しかし、全体としては、「歴史修正論との闘い」という視点が少なく、私としては不満が残る感じでした。
とりわけ漢城大学教授の金貴玉さんの「韓国軍慰安婦問題」の話は、元韓国軍慰安婦の話がまったく登場せず、実証歴史学の主題にはならないだろうと思いました。彼女は勘違いしているようですが、元韓国軍慰安婦の方々が、「軍人たちに殴られ耳が聞こえなくなった」とか、「骨が折れた」とか、「一日に30人相手をして子宮が腫れた」「報酬も無く無料働きさせられた」「強姦された」とか、そういう深刻な被害証言(告発)がないようなものは、それが頻繁になされた日本軍慰安婦とは、同列にはなり得ません。
それは「性奴隷制度」とは言えないからです。
質問コーナーで「韓国軍慰安婦たちはどんな人ですか?」とT女史が尋ねると10分間も長々と話したのですが、結局はどのような証言があったのか?まったく言わないで終わっていました。
これは都合の悪い時には「関係無い事を言いまくる」というネトウヨと同じ詭弁手法です。
どこの国にも、この手の人はいるんだろうな、と思いながら聞いていました。この金貴玉さんの著作は、ネトウヨがしばしば利用しますが、まったく意味の無い論説である事は明らかです。
そういう訳で、次回はもう少し人選していただきたいと思います。
コメント蘭から
金貴玉教授が取り上げた『後方戦史』(何故か現在は韓国政府により閲覧中止にされている)
についても、ご感想を伺いたいものです。