河野談話を守る会のブログ2

ヤフーブログ閉鎖のため移住しました

安倍靖国参拝余波 【河野談話を守る会論文集】

          安倍靖国参拝余波 

河野談話を守る会論文集】

安倍の神道妄想の表現である「靖国参拝」に対して、例によって菅官房長官による「隣国(中、韓国)とも、米国とも、大きな問題にはならない」という妄言が飛び出している。
菅自身が盲目という訳ではないだろう。おそらく菅は参拝を止めたが安倍が走ったので仕方なく、国内向けの火消しに回ったものと観測されている。しかしとんだ暴走馬だな。
そこで菅は「米国にはよく説明し・・・」と浮かぬ顔をして述べているが、米国側は異例の追加の公式発表で2度も「失望している」と強く批判している。

当たり前の話であろう。日本の神道国家主義の恐るべき膨張主義妄想によって被害を受けたのは、韓国や中国だけではなく、他のアジア諸国アメリカも加わっているからだ。もちろん、「あの戦争は、米が仕掛けたものだ」とか「日本は引きづり込まれた」とか、証拠が何もないにも関わらずそう信じたいから信じるという陰謀論の信奉者は後を絶たないが、日本の神道国家主義信者が世界(アジア)征服の野望を抱いたのははるか19世紀前半・文政年間の佐藤信淵までさかのぼり、以来吉田松陰島津斉彬松平春獄江藤新平西郷隆盛・・・と続き、連綿と引き継がれたのだ。

佐藤は「武力によって満州支那、台湾、フィリピンを攻めとり・・・全世界をすべて皇国の郡県とする。」(『日本思想体系45』)と述べ、西郷は「朝鮮は通り道で満州を占領して足場に、向かう者を片端から征服する」(『維新史の片鱗』)と述べていた。




明治維新に多大な影響を与えたこれらの人物たちが、みな「世界(アジア)征服」の野望を述べていた事は、その影響下にあった明治の元老たちの方向性を左右した。
この野望をもっとも強く引き継いだのは、長州閥ーつまり陸軍であった。なぜなら長州藩は、幕末最も勤皇精神が鼓舞され、復古神道が活性化した地域だったからである。侵略戦争に加担し、A級戦犯とされた安倍の祖父岸信介も又長州人脈の中で育った人物である。こうして陸軍が主導して侵略戦争へと駆り立てたのである。この陸軍とその親派右翼が日本を牛耳るようになり、日本全土を神道国家主義カルトの妄想が憑依した。
台湾、朝鮮、樺太・・・へと手を伸ばした国家主義者たちは、やがて古からの野望を果たすために中国進出を企み満州事変から日中戦争、そしてアジア太平洋戦争へと進んで行く。その過程で戊辰戦争で死んだ長州人を神として祀るために生まれた神社は、戦意抑揚のために使われ、植民地拡大の野望のために死んだ戦士を祀る「靖国神社」へと昇格した。
世界を相手にして「天皇がいる王道の国、神国だから勝つ」とか「神風が吹く」とかカルト妄想を吹聴しながら、戦争を仕掛けて行った大日本帝国。その妄想が嘘である事がバレないように大本営はあらゆる嘘を国民に吹き込んだ。
それはポツダム宣言が述べたように、日本の人民を欺きかつ誤らせ世界征服に赴かせた、全ての時期における影響勢力及び権威・権力にすぎなかったのである。また、昭和天皇人間宣言」はこう述べている。

 日本国民ヲ以テ他ノ民族ニ優越セル民族ニシテ、延テ世界ヲ支配
    スベキ運命 ヲ有ストノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ



つまり、戦前の日本では日本民族は世界を支配すべき優秀な民族だ」という宣伝がなされ、信じられていたという事だ。そのため朝鮮人や台湾人は「日本人にしてやったのだ」と優越感に浸り、併合した後も「2等日本人」として蔑み、差別構造が蔓延したのである。いわんや2等日本人でさえない他のアジアの人々は、犯し殺しても構わない存在なのだ。早尾軍医が記録したように、強姦しておいて「皇軍に犯されたら光栄と思え」と犯罪行為を開き直るような事さえ起っていた。http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/63790886.html

こうした世界征服の野望をもっていた陸軍は謀略によって中国東北部の侵略を始めながら、今の安倍政権のように国際連盟の勧告を無視し、どんどん膨張していく。そこでアメリカとぶつかり、やがて真珠湾攻撃の奇襲がなされた。ゆえに米国にとってもまた今日歴史修正論を唱えながら政権を取った神道国家主義カルトは警戒すべき存在なのである。米国は戦争中から日本を研究していたので、GHQは占領するとすばやく神道指令を発して、国家神道の解体を命じている。米国が「決して理解することはない。日米関係を害する」と述べたのも当然である。
彼らは靖国参拝の向こうにあの戦争を見ているからだ。
欧州諸国と国連からも警戒と遺憾を示す意見が出ている。

神道国家主義者の妄想は日本を「アジアの孤児」にしてしまうであろう。


・・・・・・米オバマ政権が外交ルートを通じて何度も首相に参拝を自制するよう求めていたことを明らかにした。米国務省のサキ報道官は同日、参拝に対して「失望している」と在日米大使館と同じ内容の声明を発表、あらためて批判的なメッセージを送った。・・・(略)・・・この声明は、当初「遺憾」などソフトな言葉も検討されたが「より強いメッセージを伝える必要がある」として「失望」の表現に落ち着いたという。
スポーツ報知より




日米防衛相の電話会談中止=米が要請、靖国参拝影響か → 

首相靖国参拝:過去からの緊張が苦しめ遺憾 国連報道官 - 毎日新聞

「失望している」 ◢◤米政権、異例の批判声明12/27

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は社説で、安倍晋三首相の靖国神社参拝について「日本の軍国主義復活という亡霊を自国の軍事力拡張の口実にしてきた中国指導部に対する贈り物になった」と論評


【社説】安倍首相の靖国参拝は日本の戦略的負担に - 靖国神社の黒い闇に染まっていない新たな非宗教的戦没者慰霊碑の建立を検討することが必至」

静観姿勢の東南アジア諸国も日中のトラブルを嫌っているのが実情で、参拝は国際社会の理解を得られず、安倍政権は孤立を深めている」。共同:

首相靖国参拝:米「失望」に政府危機感 防衛相協議延期 毎日