第4回 吉見裁判傍聴記
めずらしく桜内議員も顔を見せたと思ったら、結局は「コレ」にこだわる戦略らしい。
桜内サイドは
「1点だけ、先ほどの、最初の司会者の紹介の点について少しコメントいたします。橋下市長を紹介するコメントのなかで、彼は“sex slavery”という言葉を使われました。これは日本政府としては強制性がないということ、その証拠がないということを言っておりますので、そのような言葉を紹介の際に使われるのは、ややアンフェアでないかと考えております。それから、ヒストリーブックスということで吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これは既にねつ造であるということが、いろんな証拠によつてあきらかとされております。」
の「これ」は、”sex slavery”を指すのだと主張している。
しかし、桜内氏は「・・・吉見さんの本を引用されておりましたけれども、これは既に」と述べており、明らかにこの「これ」は、その前の単語に掛っており、「吉見さんの本」を指し示している。
この動画 ↓ 何度聞いても「吉見さんの本を指して「捏造」と言ってるよね。
桜内サイドのこうしたやり方が裁判の引き延ばし戦略として有効なのかどうかは知らないが、”いい加減にして欲しい。ずっとそんな感じでどうするんだ?”と思っていると、原告である吉見サイドの代理人達も同じ気持ちだったらしく、「真実性の証明」に話しを持って行った。
大笑いである。
どうせ、どんな資料が登場するかは分かっているのだ。政府見解というのは、2006年に国連に提出した奴で、性奴隷であることを否定している。それからビルマの資料が2,3は出て来るだろう。ビルマは比較的自由な慰安所があったし、インフレが進行しチップだけでもかなりの金額になったからだ。文玉珠さんの証言と最近安氏が発見した「ビルマの業者資料」は、彼らにとっては慰安婦が高額の報酬を受け取っていた資料である。ピクニックや恋人がいたとかいう証拠としてのミッチナ資料も出てくるだろう。
それから日本人慰安婦の話しと『女の戦記1』ぐらいかな?
どれも18年も前の「ゴー宣」以来、よく知られているし、的確な反論もなされている。
だが、知っておくべきなのは、比較的自由なのはビルマぐらいだったのだし、比較的自由と言っても、月1,2度の外出には業者の許可が必要であったという程度のものだ。
こうした資料の全てを我々が・・・吉見教授が知らないとでも思っているのか?
被告代理人は、最後に「難しくも何ともない」なんて捨て台詞のように言っていたが、こういう言わなくてもいい事を言うのは”不安”があるからだ。過去に南京訴訟などの歴史観論争裁判に関わっていた方々である。すでに南京事件訴訟や沖縄集団自決裁判は終わった。どちらも、彼らサイドは自信満々だったが、法廷を圧倒する証言がなされ、事実が明らかになっている。
最後に残っているのがこの「慰安婦」問題なのである。
真実と非真実の攻防は、人類史の中で長くなされて来た。この裁判もその一局面としていづれは語られるようになるだろう。