河野談話を守る会のブログ2

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これが産経クオリティか?(3)【安倍の靖国参拝正統化発言の拍手という誤報】


                       

このところ、産経の「誤報」「虚報」は底が抜けている。

この「これが産経クオリティか?」シリーズでも伝えているが、ムチャクチャというのが正直な感想であり、右派サイドからさえもその捏造性が指摘されてしまっている。

アゴラというのはあの池田信夫たちがやっているサイトだが、その中で站谷 幸一氏により、こんな指摘がされている。http://blogos.com/article/87865/



31日の産経新聞は、安倍首相の靖国参拝を正当化する発言に対して、アジア安全保障会議の参加者が拍手喝さいを浴びせたと報じた。しかし、残念ながらこれは誤報であり、まったくの間違いだ。 この場に参加した、安全保障問題の大家である神保謙(慶應義塾大学准教授)氏は、以下のように産経新聞の報道を否定している。

 


この指摘には、神保謙氏のツイートと当日安倍首相の演説の動画が証拠として添えられている。確認すると明らかに産経新聞による誤報・虚報の類だという事が分かる。それぞれ添付しておこう。



正確には総理の発言「ひたすら平和国家としての歩みを進めてまいります」の後の拍手でした。>首相の靖国参拝発言で会場に賛同の拍手 アジア安保会議 - MSN産経ニュース http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140531/plc14053109090008-n1.htm 

 




             産経の誤報の内容

① 靖国参拝云々は冒頭で触れただけであって、その際には拍手は起きていない。拍手が起きたのは「平和国家として歩む」という発言に対してである。(34:55以降の質問、36:06以降の回答)

② 産経新聞が「拍手に包まれた」と書いているが、それほどのものではない。37:40頃)


産経新聞は、どうしても「アジア安保会議で各国首脳が安倍の靖国発言に拍手喝さいをした」という話しにしたいらしい。そうすれば少しは靖国参拝の正統化に役立つと思っているのだろう。
靖国参拝は各国から拍手されているんだ」→「反対は少ない。だから、してもいいんだ」という事にしたいので、この手の捏造に手を染める事になる。

站谷 幸一氏には


「アジア安保会議で靖国発言に拍手喝さいというのは、ねつ造記事と言われても仕方がない。」「国民の現在の状況に対する不安に付け込んで、一部の内向的な国民の為に気持ちの良い嘘をついて、多くの国民を騙すのであれば何らかわるところがない。」

・・・とさえ言われてしまっている。「一部の内向的な国民の為に気持ちの良い嘘」というのは要するに「ネトウヨに媚びるための嘘」という事だろう。


        歴史論争を煽り始めてから、狂って行った産経新聞

20数年前の産経新聞を私は別に嫌いではなかった。ところがやがて慰安婦問題を始めとする歴史問題で論争」を煽りはじめた。右派の多くの人々が分かっていないのは、その「煽り」のほとんどが、捏造・歪曲を含んでいた事である。ほとんどデマゴークに近かったのだ。

例えば1993年8月5日『産経新聞』朝刊は「河野談話」を扱っているが、その見出しでは「強制連行認める」と書いている。http://fightforjustice.info/?page_id=3237 しかし河野談話」には「強制連行」という言葉さえ存在していなかったのである。

認めたのは、あくまで「強制」であって「強制連行」とは書いていない。

 こんな昔からすでに「河野談話」には書いてもいない「強制連行」を書いて、歪曲・捏造・誤報をし始めていたとは?・・・・圧巻である。ところがこのデマは後に右派論壇に共通認識となり、「河野談話は強制連行を認めたのはケシカラン」と言い募る政治家達がたくさん排出した。
思えば、このデマも産経から始まったのである。

ちなみに『朝日新聞』朝刊の見出しは「慰安婦『強制』認め謝罪」・・・・となっており、これが正確である。

その頃から産経は少しずつおかしくなり始め、今や「捏造」「歪曲」「誤報」の宝庫となっているのである。ネトウヨに媚びながら「愛国だからウソを書いてもかまわない」という考え方を変えない限り、この誤報、虚報、捏造の連鎖は止まらないだろう。