安倍政権の多くの政策がここで造られている 国民が「日本会議」を知る時
7月の終わりから8月の初めにかけて、安倍政権に多大な影響を与えている「日本会議」なる組織の動向を伝える記事が続いていた。東京新聞7/29、朝日新聞8/1、フライデー8月22・29日号 などである。この巨大ウヨクグループは、英『エコノミスト』誌2/5や今回の『フライデー』が伝えているように、靖国神社を信奉する歴史修正主義者の集合として安倍政権をしきりに靖国参拝と靖国史観の方向へと誘導している。安倍は「国民の声に応える」と述べていたが、その「国民」というのが、この日本会議のことである。
英国にはこの結社の勢力は及ばないだろうが、今回の報道によっておそらく『フライデー』には、様々な圧力が加わるのではないだろうか?
さて、私がこの組織を調査したのは、この組織が結成当時から「慰安婦」問題に関わって来ており、むしろ反対派の総本山と言える状況だからである。
在特会のような「行動する保守」は、旧保守勢力を罵倒していたが、こうした老舗から見れば、むしろ「行動する保守」はただ泳がされていただけだろう。在特会の慰安婦論や歴史論は、ほとんどがここから旅立ったのである。
もともとこの「日本会議」は1997年5月に「日本を守る会」と「日本を守る国民会議」の二つの右翼団体が統合して造られたのだが、その一方の「日本を守る国民会議」(座長は当時;黛敏郎)は1996年、9月7日、『中学教科書から「従軍慰安婦の削除を求める全国民の声を盛り上げよう!』という提言を発表した。
やがて9月20日からは、全国キャラバンを開始し、各地で集会を行ったのだ。この提言を受けて「新しい歴史教科書をつくる会」が生まれた。 *
下記の石井郁子議員の国会答弁は、2001年の『新しい歴史教科書をつくる会』の歴史教科書の検定に関するものであり、石井議員は国民会議懇談会事務局長と「つくる会」が一体であるという認識を示している。
*「新しい歴史教科書をつくる会」はその発足記者会見で、全員が「慰安婦問題」について発言したように、この会は「教科書から慰安婦記述を消すために」生まれたのである。後に西尾は「事務局は日本会議系」だと言っているが、当たり前だと言える。
1996年9月7日、「日本を守る会議」が上記の『中学教科書から「従軍慰安婦の削除を求める全国民の声を盛り上げよう!』提言を発表すると各地の右翼団体が文部省や教科書会社に圧力をかけ始めた。中でも9月中洵、『日本世論の会』や『郷友会』の地方組織が教科書発行者に要請文を出している。この内青森支部のものは、日本会議の機関紙である『日本の息吹』に掲載された藤岡信勝氏の論文などがコピー添付されている。(俵義文『慰安婦問題と教科書攻撃』P282)
これらの右翼団体構成員が「日本会議」の一員であるか?若しくは連動していると見る事ができる。「新しい歴史教科書をつくる会」も、文化人を表に立てていたが、ここと連動していたのである。
前回も引用したが再び整理するために、一部を抜粋してみよう。
我々常人には近寄り難い内紛である。
要するに内部で主導権争いに西尾達が負けたという事なのだが、「日本会議の事務局は全部、生長の家です。日本青年協議会というのも生長の家グループらしい」という情報は頭に残しておいて欲しいと思う。元々軍国主義礼讃新興宗教であった「生長の家」から旅立った人達の中には、彼らの師である谷口雅春も真っ青な軍国主義者がいた。彼らにとっては、「現在の憲法は無効」と訴え「明治憲法を復活する」か?または「自主憲法制定」を訴え、「なるべく戦前の憲法に近付けること」や核武装であるとかは当たり前の事であり、その点で共鳴している安倍氏を応援するのも当たり前なのである。
〇日本の伝統を守り、天皇中心の体制を目的とし
〇大日本帝国憲法の原点回帰
〇日教組攻撃で教育改革を目指している。
〇機関紙は『祖国と日本』
(『右翼・民族派辞典』)
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