河野談話を守る会のブログ2

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ウヨクの世界・・・「日本会議」の慰安婦問題


 安倍政権の多くの政策がここで造られている  国民が「日本会議」を知る時


7月の終わりから8月の初めにかけて、安倍政権に多大な影響を与えている「日本会議」なる組織の動向を伝える記事が続いていた。東京新聞7/29、朝日新聞8/1、フライデー8月22・29日号 などである。この巨大ウヨクグループは、英エコノミスト』誌2/5や今回のフライデー』が伝えているように、靖国神社を信奉する歴史修正主義者の集合として安倍政権をしきりに靖国参拝靖国史観の方向へと誘導している。安倍は「国民の声に応える」と述べていたが、その「国民」というのが、この日本会議のことである。

英国にはこの結社の勢力は及ばないだろうが、今回の報道によっておそらく『フライデー』には、様々な圧力が加わるのではないだろうか?


*英『エコノミスト』誌2月5日号の「日本の新内閣 バック・トゥー・ザ・フューチャー」
閣僚一九人の過半数が、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」や、「戦時中の犯罪に対する“謝罪外交”を拒否する」右翼団体日本会議」の系列議員である事実を報道。外交上、こうした「過去の亡霊」を党内だけに閉じ込めねばならないはずなのに、「安倍首相の新内閣でまず不可能になった」と結論している


8月1日の東京新聞の記事で、山口智モンタナ州立大准教授(文化人類学は、在特会などの『行動する保守』は、日本会議などの主流保守運動を『きれいごと保守』として批判してきたが、慰安婦問題などの歴史修正主義や排外主義のおおもとは、日本会議などの運動の中で培われたものだ」 と述べたが、この団体はいわば歴史修正主義者の集合体である。」

http://no-nukes.blog.jp/archives/7794761.html)と書いている。

 今年の2月20日付で米議会調査局がまとめた報告書でも

日本会議のようなグループが、日本は西欧の植民地支配からのアジア諸国の解放について称賛されるべきだとか、1946年から48年の東京裁判は違法だとか、37年の南京大虐殺は誇張、捏造(ねつぞう)されたと唱道している」
とし、靖国派の歴史認識が米国の対中政策のジャマになっている事を指摘している。 赤旗2014年03月23日 http://news.livedoor.com/article/detail/8659364/
 


さて、私がこの組織を調査したのは、この組織が結成当時から「慰安婦」問題に関わって来ており、むしろ反対派の総本山と言える状況だからである。
在特会のような「行動する保守」は、旧保守勢力を罵倒していたが、こうした老舗から見れば、むしろ「行動する保守」はただ泳がされていただけだろう。在特会慰安婦論や歴史論は、ほとんどがここから旅立ったのである。

もともとこの「日本会議」は1997年5月に日本を守る会日本を守る国民会議の二つの右翼団体が統合して造られたのだが、その一方の日本を守る国民会議」(座長は当時;黛敏郎)は1996年、9月7日、『中学教科書から「従軍慰安婦の削除を求める全国民の声を盛り上げよう!』という提言を発表した。

やがて9月20日からは、全国キャラバンを開始し、各地で集会を行ったのだ。この提言を受けて「新しい歴史教科書をつくる会」が生まれた。

日本を守る国民会議」は、保守系文化人、旧軍関係者。
日本を守る会」は、神社本庁生長の家仏所護念会念法眞教モラロジー曹洞宗管長・日蓮宗管長なども名前を連ねる宗教関連団体が中心の組織


下記の石井郁子議員の国会答弁は、2001年の新しい歴史教科書をつくる会』の歴史教科書の検定に関するものであり、石井議員は国民会議懇談会事務局長と「つくる会」が一体であるという認識を示している。


衆 - 文部科学委員会 - 3号 
平成13年02月27日

○石井(郁)委員 どうも歯切れの悪い御答弁かなと思いますけれども、実はその小山氏が道徳教育の強化とともに熱心だったのが、今問題となっている新しい歴史教科書をつくる会の歴史教科書の検定と採択問題だったのです。小山氏は、自民党の教育改革実施本部の教科書に関する分科会の座長を務めていました。また、つくる会と一体となった日本会議国会議員懇談会の事務局長でした。
 そこで、私はこのつくる会発行の教科書をめぐってお聞きをしたいと思っているのです。

・・・・(以下略)・・・・
*「新しい歴史教科書をつくる会」はその発足記者会見で、全員が「慰安婦問題」について発言したように、この会は「教科書から慰安婦記述を消すために」生まれたのである。後に西尾は「事務局は日本会議系」だと言っているが、当たり前だと言える。

 1996年9月7日、「日本を守る会議」が上記の『中学教科書から「従軍慰安婦の削除を求める全国民の声を盛り上げよう!』提言を発表すると各地の右翼団体が文部省や教科書会社に圧力をかけ始めた。中でも9月中洵、日本世論の会『郷友会』の地方組織が教科書発行者に要請文を出している。この内青森支部のものは、日本会議の機関紙である『日本の息吹』に掲載された藤岡信勝氏の論文などがコピー添付されている。(俵義文慰安婦問題と教科書攻撃』P282

これらの右翼団体構成員が「日本会議」の一員であるか?若しくは連動していると見る事ができる。「新しい歴史教科書をつくる会」も、文化人を表に立てていたが、ここと連動していたのである。



           日本会議の事務局は全部、生長の家ですー西尾幹二

『保守の怒り』という本がある。
つくる会初代会長の西尾幹二が書いた本だが、その中では「八木などの日本会議系のグループ」が西尾をつくる会から追い出したという経由が書かれている。

前回も引用したが再び整理するために、一部を抜粋してみよう。

『保守の怒り西尾幹二
日本会議の事務局は全部、生長の家です。日本青年協議会というのも生長の家グループらしい。カルトですね

隠しているんですね。自分たちが隠れて、偉い先生、裁判官とか、大学教授とかを表に並べて、そして実権を握っている事務局は後ろに隠れて操作しているんです。神社本庁も操られているかもしれない。それが保守運動を壟断するから困る。「新しい歴史教科書をつくる会」なんてえらい被害を受けた。ひそかに会の幹部に生長の家活動家が送り込まれていましてね。新田均松浦光修勝岡寛次内田智の4人で、それにつくる会の事務局長だった宮崎正治がいて、宮崎が日本青年協議会に関係あることは知っていましたが、彼らがみんな生長の家信者の活動家で芋づるのようにつながっていることはある時期までわかりませんでした。このうち松浦氏ひとりは生長の家活動家ではなかったとも聞いていますが、4人が一体となって動いていたことは間違いありません。宮崎事務局長が別件で解任されかかったら日本会議本部の椛島有三氏が干渉してきて、内部の芋づるの4人の幹部と手を組んで猛反発し、会はすんでのところで乗っ取られかかり、ついに撹乱、分断されたんです。悪い連中ですよ(p263~264)
 
つくる会」にもぐりこんでいた生長の家活動家の内田智氏は弁護士で、彼らが引き起こした「怪メール事件」を私が雑誌に公開したら、いきなり口座番号を書いてきて500万円を振り込め、と法律家らしからぬ非合法スレスレの脅迫をしてきました。そのあと『国家と謝罪』という評論集に私が彼らへの批判文を載せたら本を回収せよ、と版元の徳間書店を威嚇しました。怪メールといい、脅迫といい、言論以外のめちゃくちゃなことをする連中であることを読者の皆さんにお知らせしておく。これが日本会議の連中のやることなんです。問題は周辺の名だたる知識人が彼らの不徳義を叱責するのでなく、『国民新聞』その他で彼らとぐるになって騒いでいる情けなさですね(p265~266)

 
世の中の大半の人は日本会議国民文化研究会日本政策研究センターのような保守系カルト教団のことは名前も知りません。私もずっとそうでした。日本会議の前身である黛敏郎さんらの日本を守る国民会議というのがあるのを知っていましたが、私は近づきませんでした。ある種のファナティシズムの匂いがすごくいやだったのです

彼らは心情派で、主観的で、他者の世界を拒んでいる人々であり、経済利益を度外視し、天皇に直結する価値をひとりよがりの態度で信奉し、排他的で、政治のなんたるかがわからないのに、いたずらに政治的で、どうにも好きになれません。

これらの団体は天皇家のためにもならないし、自民党再生のためにも役立つとは思いません。現実から遊離しているからで、何かに寄生することばかり考えていて、何かの捨て石となり、礎とならんとする気概などなにも持っていないように見えるからです。いつも自民党にぶら下がっていて、自民党が左に傾けば左の政策を支持するしかないのです。主体性がない。民主党が政権についたので今度は民主党にぶら下がるのでしょうか。天皇政権政党を尊重するでしょう。日本会議はどうするのでしょう。ことに地方では他に頼る保守系組織がないので、日本会議に無考えで参集する人が多いようですが、日本会議は人を集めて号令を発することは好きでも、汗をかくことを好まないタイプの人が多いとよくいわれるのもむべなるかなと思います(p280~282)

 
 
自分が極右なのにそれを顧みないで相手を「極右」とののしる西尾だが、それは置いておいて、その西尾に「こいつらカルトだ。極右だ」とののしられているのが、「八木等の日本会議系のグループである。

我々常人には近寄り難い内紛である。
要するに内部で主導権争いに西尾達が負けたという事なのだが、日本会議の事務局は全部、生長の家です。日本青年協議会というのも生長の家グループらしい」という情報は頭に残しておいて欲しいと思う。元々軍国主義礼讃新興宗教であった「生長の家」から旅立った人達の中には、彼らの師である谷口雅春も真っ青な軍国主義者がいた。彼らにとっては、「現在の憲法は無効」と訴え「明治憲法を復活する」か?または「自主憲法制定」を訴え、「なるべく戦前の憲法に近付けること」や核武装であるとかは当たり前の事であり、その点で共鳴している安倍氏を応援するのも当たり前なのである。

ネットの中では「日本青年協議会」について、倒錯した情報が流れているが、この団体は、生長の家学生会全国総連合と、反憲法学生委員会が母体となり1970年に結成された。日本教育研究所を下部組織とし、
〇日本の伝統を守り、天皇中心の体制を目的とし
大日本帝国憲法の原点回帰
日教組攻撃で教育改革を目指している。
〇機関紙は『祖国と日本』
『右翼・民族派辞典』)

    

              日本会議ホームページの慰安婦問題

ホームページの「オピニオン」では『日本の息吹』平成23年12月号の松木國俊 日本会議東京都本部調布支部支部長(「新しい歴史教科書をつくる会/三多摩支部支部」の『「慰安婦問題」は韓国の恥さらし-虚構を暴き日本と朝鮮の名誉を守ろう』という記事が掲載されている。http://www.nipponkaigi.org/opinion/archives/3804

相変わらず吉田清治型強制連行」固執し、慰安婦は高収入」とか「女子挺身隊」と「挺身隊」という言葉の混同も見られ、右派らしい内容になっている。

出版案内でも「従軍慰安婦」強制連行はなかった-政府調査資料が明かす河野談話のウソ』という松木氏の著作が紹介されている。http://www.nipponkaigi.org/publication

史実を世界に発信する会」の代表委員を務める。新しい歴史教科書をつくる会の発行元である自由社社長の加瀬英明氏が「日本会議代表委員・東京都本部会長である事も見逃せない。この人物は『醜い韓国人』の著作偽装で有名だが、慰安婦問題でもたびたび発言している。






ヘンリー・ストークス氏の著書に無断で加筆した翻訳者の 藤田裕行 (ふじた・ひろゆき) 氏は、南京大虐殺従軍慰安婦問題などの 
「ゆがめられた歴史を正す」ことを目的とする保守派団体「史実を世界に発信する会」の中心メンバーだ。 

 藤田氏らは、南京大虐殺従軍慰安婦問題は「特定アジア諸国による悪意ある反日宣伝」で、日本の国益が損なわれていると主張。 
英文のニュースレターをウェブ上などで発信している。藤田氏によると、同書には同会代表の 加瀬英明 (かせ・ひであき) 氏も深く 
関与した。 

 藤田氏は、自分の著作でストークス氏の主張を紹介するのではなく、あえてストークス氏の著作という体裁をとった理由を 
「外国特派員がこういう内容について話をしたら面白いと思った」と説明。「私が書いたら『あれは右翼だ』と言われます」と語った。 

 加瀬氏は、1993年に出版され日本の韓国植民地支配を正当化したベストセラー「醜い韓国人」(光文社)をめぐり95年、韓国人著者 の原稿に大幅な加筆修正を加えたとして「真の著者は加瀬氏」と批判され「文章を手直しした程度だ」と反論した。 

 加瀬氏は取材に対し「ストークス氏に『こういう本を書いたらどうだ』とは言ったが、それほど詳しくはタッチしていない」と述べた。 

ソース(共同通信) http://www.47news.jp/47topics/e/253294.php 
写真=共同通信の取材に答える翻訳者の藤田裕行氏 
http://img.47news.jp/47topics/images/TR2014050800823.jpg 

 

おまけ情報  日本に反米ナショナリズムの嵐が
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首相、A級戦犯ら法要に哀悼メッセージ「祖国の礎に」

朝日新聞デジタル 8月27日(水)5時37分配信
 安倍晋三首相が4月、A級、BC級戦犯として処刑された元日本軍人の追悼法要に自民党総裁名で哀悼メッセージを書面で送っていたことが朝日新聞の調べで分かった。連合国による裁判を「報復」と位置づけ、処刑された全員を「昭和殉難者」として慰霊する法要で、首相は「自らの魂を賭して祖国の礎となられた」と伝えていた。

メッセージを送ったのは高野山真言宗奥の院和歌山県高野町)にある「昭和殉難者法務死追悼碑」の法要。元将校らが立ち上げた「追悼碑を守る会」と、陸軍士官学校や防衛大のOBで作る「近畿偕行会」が共催で毎年春に営んでいる。

追悼碑は連合国による戦犯処罰を「歴史上世界に例を見ない過酷で報復的裁判」とし、戦犯の名誉回復と追悼を目的に1994年に建立。戦犯として処刑されたり、収容所内で病死や自殺をしたりした計約1180人の名前が刻まれている。靖国神社に合祀(ごうし)される東条英機元首相らA級戦犯14人も含む。