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「慰安婦」問題の暗黒面に堕ちた読売新聞が持ち上げる秦郁彦の誤謬の論説



秦郁彦の「慰安婦」論説については、このブログでも多数取り上げて来た。

左カテゴリの「ヘンテコ慰安婦物語・・」では、これまで秦が書いて来た「慰安婦」論説の間違いを指摘している。

その中でも特に、慰安婦の数についての秦の論説は納得しがたいものの一つである。秦は93年から今日まで、その説の内容を、コロコロと変えており、まるで信用できないレベルのものでしかない。

慰安婦の数を「6万~9万」→「2万ぐらい」→「1万数千人」→「2万前後」→「1万6千人程度」→「1万~2万」と変えており、
さらにその数字が導き出される理由に至っては、1998年以降は「2万」という数字に合わせながら、コロコロと変えている。

慰安婦と戦場の性』の計算については永井大京大教授から、根拠となっている数字を「統計的には無意味な数字」として否定されてしまう始末である。

ところが、こうした事を何も知らないらしい読売新聞が、秦郁彦のこの数字を全面的に取り入れている。

抜き出してみよう。
 2014年8月30日http://www.yomiuri.co.jp/feature/ianfu/20140830-OYT8T (全文)

[検証 朝日「慰安婦」報道](3)「軍関与」首相の訪韓を意識 より抜粋 

「20万人」説を補強

 92年1月11日の朝日記事は、慰安婦と挺身隊を混同し、「主として朝鮮人女性を挺身(ていしん)隊の名で強制連行した。その人数は八万とも二十万ともいわれる」としたことも問題視された。
 韓国紙・朝鮮日報は翌12日に朝日報道を記事で取り上げた。13日の社説では慰安婦の人数について、朝日と同じ「8万~20万」との数字を紹介し、「その80%が韓国女性」だと指摘した。日本政府を提訴した元慰安婦らの原告団が、訴状で慰安婦の人数を「10万から20万人」としたことなどはあったが、朝日報道による信ぴょう性の補強で、慰安婦「20万人」説が拡散していった面は否めない。
 秦氏は、日本兵の数などから計算し、慰安婦は計2万人前後で、このうち朝鮮人は2割だと推定している。
 読売新聞は90年代初め、記事中で慰安婦について「20万人以上いたとも言われている」などと記したこともある。
     
ここで読売新聞は、秦郁彦の「2万人」説を持ち出して、それをさも正しい基準のように示しながら、朝日新聞が書いた「8万~20万人説」を否定的に取り扱っている。

このやり方はしばしば右派論壇がやっているやり方で、秦説をまるで絶対に正しいように引用しながら、それと異なる論説を攻撃するのである。しかし、すでに述べて来たように、秦説は信頼性のある論説ではない。

読売新聞の「慰安婦」記事を誰が書いているのかは知らないが、右派論壇に流布する論理を使うのは止めておいた方がいい。20万人説は現時点で特に否定できるようなものではない。

朝日を攻撃することで、自社の新聞の拡張を目指しているような商業主義がベースにあってこんないい加減な説を唱えるならこのブログでとことん批判させてもらおう。