「全国行動」の指摘に対してネトウヨみたいに言い張るだけの産経新聞のお返事
ただ、それを「事実だ」と言い張るだけの産経の主張
ネトウヨ達と論争していると、根拠がまったく無いか、もしくは根拠をつき崩され追い詰められた時、彼らに共通するやり方がある。それはただ、”言い張るだけ”というやり方である。
完全に論拠となるものが崩壊しても、主張を取り消さない。
ただもう言い張るだけ。彼らには根拠は必要無いようだ。
タチが悪い連中である。
正直言ってこうなるとお手上げである。だだをコネる幼稚園児を相手にしているみたいなもので、地面に寝転がって「あれ買ってくんなきゃ動かない」とやっているのと余り変わらない。「自分を説得できなきゃ自分の勝ちだ」という自己中ルールらしい。ネットの中が、彼らの幼児性を表現する場となっている。
産経新聞社も、似たような事をやっている。
館雅子氏の話を元にした記事についてその捏造性が指摘されているにも関わらず、「本人に聞いたら、そういう話なので事実です」という返答である。
新聞社が報道する姿勢としていかがなものであろうか?
こういう場合、裏をとってから報道するのが当然であろう。
客観的な証拠がまるで無いようなものを・・・そして客観的にも”捏造部分”がある事が分かっているお話を無条件に掲載するとは?報道機関として致命的なやり方と言える。
「当日、・・・・インドに住むタイ人女性が参加した事実はない」などの指摘を受けているのだが、それは頬っかぶりするというのが産経新聞のやり方である。
写真の提供者は館雅子だが、それだけでも信用
できない話であるという事
産経新聞の5月25日の元記事は「第一回アジア連帯会議」について、他の一切の記録、他の一切の証言を調査しないで、ただ館雅子氏の証言?とも言えないような悪意のこもった造り話に立脚して書いたものである。だから、たくさんの矛盾点やデタラメが混入されているのだが、産経は物的証拠があるものだけを取り消すという。
<矛盾点とデタラメ>
例えば、この写真だが、
(産経新聞5月25日朝刊)

館雅子が提供したというこの写真は、真っ赤な偽物であった。
これについては、「日本軍「慰安婦」問題解決全国行動」が指摘したので、産経も捏造写真である事を認め、今月の19日に「訂正文」を小さく掲載している。
(9月19日第2面)
↓

この上の写真には、白衣のチマを着た人達が映っている。実際の「第一回亜細亜連帯会議」当日の記念写真を調べてみるとチマ・チョゴリを着ているような女性は一人もいないし、それも「全国行動」にも指摘されている。
しかし、これを元にした本文は訂正していない。
問題となった5月25日に産経新聞はこう書いているのだ。
この会議に参加した舘は会場で迷い、ドアの開いていたある小さな部屋に 足を踏み入れてしまった。
まあ、何に足を踏み入れていただいても結構だが、これは嘘の混入である。
「韓国の伝統衣装、チマ・チョゴリを着た4~5人の元慰安婦女性がいた」と館雅子の証言だが、これは明らかに上記の間違い写真=「第一回口頭弁論」の写真を見ながらのべている。第一回口頭弁論では確かに伝統衣装に身を包んでいるからだ。

(当日の写真はこれだが、どこにも韓国の伝統衣装、チマ・チョゴリを着た」女性はいない。)→
もちろん産経新聞は「慰安婦問題の解決を目指す」その趣旨に賛成できない。だから、当日の取材でも「参加者の誰かに押された」とか「資料費を1000円とられた」とか恨みがましく書くだけで、この大会の内容を伝えようという姿勢がまるで見られなかった。この大会では1993年以降に発見された529件の公文資料が発表され貴重な証言がなされたにも関わらず・・・・である。
右派論壇では、かなり前から出て来ていた話だが、彼らにとって慰安婦問題は「歴史戦である」という。”歴史を題材とした戦争だ”というのだ。これはつまりは「敵」と見做した相手を攻撃するという事だ。こうしてなされたのが執拗な朝日新聞攻撃である。そして産経新聞は5月25日の記事も<歴史戦>と銘打っている。その一貫として「高橋喜久江さん」と「アジア連帯会議」を標的とした誹謗・中傷記事が書かれたのだ。
訂正要求と産経から届いたお返事
<日本軍「慰安婦」問題解決全国行動の訂正要求書>は、
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動と第12回アジア連帯会
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産経新聞社 御中
訂正要求書
2014.5.25付「産経新聞」の「歴史戦第2部 慰安婦問題の原点」~「日本だけが悪」周到な演出…平成4年「アジア連帯会議」の記事中の以下の記述につき、事実と異なる部分がありますので、速やかに貴紙紙面で訂正文を掲載された上で、当実行委員会への連絡をお願いします。
1.3面写真に、
「平成4年8月、ソウル市内で開かれた「挺身隊問題アジア連帯会議」で舞台に立つ元慰安婦女性ら(館雅子氏提供)」とのキャプションがつけられていますが、この写真はバックに「問われる戦後補償 韓国遺族会 第一回口頭弁論」という文字が見えています。これは、「韓国太平洋戦争犠牲者遺族会」訴訟の第一回口頭弁論後の報告集会の写真ではないでしょうか。
確認の上、訂正を求めます。
2.1面記事は、
この会議に参加した舘は会場で迷い、ドアの開いていたある小さな部屋に足を踏み入れてしまった。
「元慰安婦に(シナリオ通りに)言わせるのは大変なのよね」
日本からの参加者がこう話すのを耳にしていた舘は、あの部屋で見たのは「元慰安婦女性たちの振り付けだ」と確信した。
としていますが、第一回アジア連帯会議(当時の名称は「挺身隊問題アジア連帯会議」)当日、「慰安婦」被害者は全員普段着で参加しており、白いチマ・チョゴリを着て参加した人は一人もいません。必要であれば写真を提示することもできます。
従って、上記についても、内容全体の訂正または取消を求めます。
3.1面記事は、
日本からは「日本軍『慰安婦』問題行動ネットワーク」……が参加
としていますが、92年当時、このような名称の団体は存在していませんでした。
これについても訂正または取消を求めます。
4.1面記事は、
続いて、インドに住むタイ人女性が「日本軍さえたたけばいいのか。インドに来た英国兵はもっと悪いことをしたのに」と泣きながら訴えると、日本語の怒鳴り声が会場に響いた。
「黙りなさい。余計なことをいうな!」
舘はこのときの様子を「日本だけが悪いというストーリーを作り上げていた」と述懐する。
としていますが、
当日、タイ在住のタイ人女性が1名参加していますが、インドに住むタイ人女性が参加した事実はありません。また、引用のような発言もなく、日本語の怒鳴り声が会場に響いた事実もありません。
これについても訂正または取消を求めます。
5.1面記事は、
「私たちは韓国の女性と違って、優しくて従順なので日本の兵隊さんにかわいがってもらい、遠足にも一緒にいきました。だから韓国の強い姿勢とは違う」
台湾代表がこう主張し、韓国側が要求する個人補償を求めない考えを表明すると、激しいヤジが飛んだ。声を荒らげて怒る人、議長席に詰め寄る人などで会場は騒然となった。
としていますが、台湾の報告者は「台湾『慰安婦』に関する初の報告書」とのタイトルで報告し、その内容は「これらの女性のほとんどが物質的補償を望んでいる。しかし、補償を望んでいるとはいえ、期待してはいない。もしも、日本政府が韓国の「慰安婦」に補償するなら、台湾の女性たちも補償されなければならない。彼女たちは、他の「慰安婦」たちと同じ処遇を受けることを願っている。これらの女性のうち何人かは必ずしも物質的補償を受けなければならないとは思っていないが、彼女たちの健康状態が苦しくなれば、特別な支援を受けなければならなくなるだろう。彼女たちが物質的な補償を望む理由は、まず健康上の理由、遺族のため、または現在の窮乏生活のためである。彼女たちの老後のために補償は必ず必要だ。このうち2名は特にたいへん怒っており、台湾政府が日本政府から補償を受け取るために支援することを望んでいる」というもので、記事とは全く逆の内容です。
従って会場が騒然となった事実もありません。
この点についても、訂正または取消を求めます。
なお、この要求書および貴紙の回答・対応につきましてはインターネット等を通して公開いたしますので、ご了承ください。
2014年8月6日
第12回アジア連帯会議実行委員会
日本軍「慰安婦」問題解決全国行動
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訂正要求に対しては以下の返事が来ている。これがまた噴飯ものなので、食事をしながら読まないように。
(最初に「3面の写真」について述べているが、これを取り消すという。
この写真は、館雅子氏が提供した「第一回アジア連帯会議」の写真である。また「日本軍慰安婦問題行動ネットワーク」という団体名についても訂正するという。
つまりこの時点で館雅子氏の証言なるものが信憑性の乏しいものである事が明らかになった、と言える。
にもかかわらず産経新聞は「回答書」で、「改めて取材先である館雅子氏に確認」したが、「館氏自身が経験として述べておられる内容であって、事実であると認識」している、従って「訂正する事情はない」としている。つまり根拠は館雅子の証言だけという事であり、その問題点が指摘されても裏取りもしていないという事でもある。)
この”お返事”では、簡単に証拠をあげる事のできる2点のみにおいて訂正しているが、館雅子氏の矛盾に満ちた誹謗・中傷の証言については「館氏自身が述べている」として依然として訂正していない。
しかし、誰かが何かを述べた場合、その裏をとってから掲載するのが新聞社としての仕事ではないのか?これは産経の新聞としてのあり方の問題でもあるのだ。
「訂正文」のアップである。
さて、産経新聞の5月25日の記事の文面が全体として捏造であるという有力な証拠が存在している。それは、館雅子自身が、1992年に「亜細亜連帯会議」に参加し、まだ記憶が生々しい時期に書いた<参加記>である。
この<参加記>はまだ記憶がはっきりしていた時期に書かれているが、産経が掲載したような内容はまるで書かれていない。
これについては次回詳しく言及しよう。