つづき:朴裕河さんの「帝国の慰安婦」を応援しているのはネトウヨばっかり!よっぽど都合がいいんだろうな~と呆れた
ネトウヨに絶賛されて・・・
<実事求是>というネトウヨアカウントは、「中国大陸は侵略したが朝鮮半島は侵略していない」、「他の国はアジア女性基金を受け取り日本と和解したが韓国だけはそうしなかった」、「韓国政府と元慰安婦達も受け取りたかったのだが挺対協が脅してそれを邪魔した」・・・・と思っているらしい。
事実関係がかなりデタラメだが、それを否定しないのは朴裕河さんもそう思っているからだろうか?
なぜ彼女はネトウヨに愛されるのか?それは彼女がネトウヨと同じ観点から、「慰安婦問題」を論じているからである。「慰安婦問題は日韓の政治問題である」という前提となる視点から本を書いているので、「韓国も変わらなければならない」(文春12.18)という言葉が生まれる。ゆえに彼女が示す解決とは「「運命」ということばで許す」(p92)になってしまうのである。
日本と韓国がいがみ合っているので、「解決は運命として(諦めて)許す」なのだということなのだろう。しかし元慰安婦の方たちは一般の日本人に対しては、とっくに許している。カン・イルチュルハルモニが来日する度に「それはあなた方の責任ではありません」と言われるのは、「日本政府の問題だ」ととらえておられるからだ。日本政府が彼女たちの被害の甚大さを認識し、歴史教科書で教え、「慰安婦の碑」などのモニュメントを建てて記憶を伝えようとすれば、それで終わる問題である。しかし現状教科書記述からさえ消しさろうとするふとどきな勢力が力を持っているのが日本であり、それゆえに「慰安婦」問題はなかなか終わらないのである。
それから、我々のような研究者・NGOは、それを「日韓の政治問題」という以前に、「日本軍の問題である」と考えている。なぜなら、侵略戦争を始めたのが大日本帝国の軍隊であり、「慰安婦」を兵士の慰めものに考案したのが日本軍だからである。
日本軍の問題なのに、「日本と韓国の政治問題」なのだとしてしまうところが最初からおかしいのだ。
韓国のハルモニたちだけではなく、フィリピンのロラたちや台湾、中国のアマたちが、全体として連帯して「慰安婦問題」の解決を求めている。
それは「日韓の政治問題」ではなく、「日本軍が過去の行為の問題」なのである。
彼らーネトウヨや右派論壇や右派政治家が、なぜそれを「日韓の政治問題」にしたがるかといるかといえば、それは「日本軍が過去に行ったこと」を認めたくないからである。「慰安婦問題は、さまざまな説があり、日韓が対立している政治問題である」としておけば都合がいいのだ。
そうすれば「お互いの問題」になってしまう。
しかし国際的には、国連もアメリカも当事者の韓国政府さえもそんな観点で見ておらず我々と同じ見方をしているのである。
くりかえすが「慰安婦問題は日韓の政治問題」という以前に「日本軍が過去に行った様々な悪辣な行為」が問題なのである。「南京虐殺」や「強制連行」「沖縄集団自決」を歴史の記録から消しさりたいグループが、それを2国家間の問題に限定したがっているだけの話なのだ。