<米国歴史学者による安倍政権への懸念抗議声明>シドニーモーニングヘラルド2月10日記事全文翻訳
すでに当会ではその影響力を指摘して来たが、
諸外国は、まさかこれほど高位の代議士が”ほら吹きであった”とは考えていないからである。
日本では政治家と言えば”嘘つき”の代名詞なので、我々は政治家の言うことなど信用していないが、欧米では「地位に伴う責任ある発言」が当たり前なので、公式に否定されない限り信用するのである。
まるで落語である。
安倍たち自民党の議員たちは、しきりに「朝日新聞の・・・吉田清治のデマが国際社会に影響を与えた」と述べていたが、吉田清治の影響などほとんど無く、逆に自民党の代議士が吹いたホラが国際社会に多大な影響を与えた・・・というオチがついてしまったのである。
荒船は自慢話としてこれを話しているのだが、本当に自民党政治家のデマゴークには辟易させられてしまう。
姑息に大使館の職員を使って圧力をかけるな。
(それにしてもNHKの籾井勝人会長の悪名って欧米にまで知られちゃってるのね。)
<この翻訳は「河野談話を守る会」による独自翻訳です。>
2月10日アナ フィールド記者
東京
アメリカの歴史学者グループは、日本のカウンターパート(歴史学者グループ)に対し、安倍晋三首相の政権による第二次世界対戦中の「従軍慰安婦」の軍事利用をもみ消そうとするプレッシャーに対し、立場を変えず、不動のものとするよう声明を発表した。戦後70周年の象徴する準備として安倍首相の保守政権は戦時中の歴史のうわべを飾ることで戦後、軍隊に加えられた様々な制限を緩めようとしている。「私たちは、このような第二次世界大戦の残虐行為を明らかにしようとしてきた日本および他国の多くの歴史家達と同じ立場にたつものである。」と、19のアメリカの大学関係者、プリンストンやコロンビアなど、による署名がなされた声明が出た。「コンフォートウォメン」とは1930と40年代に日本軍の売春宿で強制的に働かされた方々を指す。
「歴史家として、我々は最近日本政府によって試みられた「コンフォートウォメン」という婉曲的な表現を日本およびその他の国の教科書から消そうとする活動に狼狽している。」と3月に出版されたアメリカ歴史学会の刊行物、パースペクティブ オン ヒストリに記載された。
コンフォートウォメン(多くは韓国人だった)は日本と韓国の政府間で争いの原因になってきた。多くの日本の保守言論人は女性たちがほとんど売春婦だったと言っているが、ソウルは東京に歴史を歪曲するなと非難している。
双方の政府は国際的な論調を変えようとして、声を張り上げてきた。最も最近では、日本側が米国の出版社マクグローヒルズに対してコンフォートウォメンに関する二つの段落を大学教科書から削除するよう要求した。その教科書「伝統と遭遇:過去へのグローバルな視点」によると日本兵は14から20歳の女性、20万人近くを強制的に徴用し、「慰安所」と呼ばれた軍事的売春宿で働かせた。また日本帝国軍は作戦を隠すために多くのコンフォートウォメンを虐殺したことも書かれている。この議論のキーポイントは、性的奴隷労働に何人の女性が従事したのか、と軍隊がこれら女性の徴用にどのような役割を果たしたのか、の正確な内容である。
学会による研究について、特に日本の歴史家吉見義明はこの論争に対して、このシステムの最大の特徴が国家的スポンサーに依存した性的奴隷制度と指摘していると、前述の歴史家による声明に記載されている。
マクグローヒル社は(日本政府の要求した)文章の削除を拒否した。彼らは下記のように述べた。歴史家はコンフォートウォメンの歴史的事実を共有している。そしてその認識は明白にこの本の背景にある。
前述の声明に署名した19の歴史家の一人であるコネチカット大学教授のアレクシス・ダデン教授は「歴史を対象にすると、境界線を横切ることになる。そうすると私たち歴史家は単独で立ち向かわなければならない。」「ジャパンバッシングと受け取って欲しくない。これはジャパンバッシングと正反対だ。この声明は日本の仲間たちをサポートするためなのだから」と語るハーバート・ジグラー ハワイ大学教授は前述の教科書の共同著者の一人だ。日本政府の削除要求は「私への言論と学究の自由に対する侵害だ」
同教授はハワイの日本大使館の職員から昨年末eメールを受け取った。教科書のその段落について議論したいとの内容だった。彼は断った。すると、二人の職員が大学の事務所に現れて、「開いていたドアから入ってきて座り、私がどう間違っているかを語り始めた。彼らは本当におかしなゲームをしている。」と語った。
この内容について内閣の事務所と外務省にコメントを聞いたが、返答はなかった。外務省の前述の削除要求で彼らは教科書の中に「コンフォートウォメンに対する日本政府のスタンスと衝突を起こす間違った記述が見つかった」と述べた。
安倍首相は今年の夏に発表する戦後70周年の談話について、1993年の公式謝罪を否認しないことを示唆している。しかしながら依然、彼は国会で最近、前述の教科書にショックを受けたと述べ、政府として「正しい」視点を海外に普及する努力を強化しなければならないと語った。
NHK(日本放送)の籾井勝人会長は、金曜日の会見で、政府方針が不明確な状況でコンフォートウォメンの問題を取り上げることは「本当にふさわしいかどうかを慎重に検討」する必要があるだろうと語った。
評論家たちは、このコメントに対して攻撃した。NHKは政府の管理下にあっても、編集活動は独立しているべきなのに、政府に歩調を合わせているからだ。
「私たちが放送内容を作るにあたって独立性、自立、フェアネス、公平さと政治的中立性を確保する方針は変わっておりません。」NHKスポークスマンのモトオカ・ショウジは語った。
コンフォートウォメンは「慰安婦」の訳語だが、本文ではそのまま「コンフォートウォメン」としている。