河野談話を守る会のブログ2

ヤフーブログ閉鎖のため移住しました

いよいよ「国定教科書」時代突入!




来年4月から中学校で使われる教科書の検定が行われ、「政府の統一的な見解に基づいた記述をすること」を義務付けた「新たな検定基準」が適用されている。
つまり政府見解(閣議決定)が教科書に強制的な影響を与えるのである。

内容は安倍政権の歴史妄想を反映したものになっていて、関東大震災の人数の記述などを下方修正している。いよいよ戦前のような国定教科書つくりが始まった。
この調子で進んで行けばいづれ

    日本よい国 清い国

と書いた教科書が登場する日も近いのかも知れない。政府が「日本はよい国だ」と閣議決定するだけで、それは書かなければならないものになってしまうという以前に、「日本会議」や「神社本庁」などを軸とする権力に自主的にすり寄る教科書会社も多いだろうと推測する。
我が国は第2次世界大戦後、戦前の神権天皇制「全体主義」への反省として、政府は教科書の記述などに立ちいらないという良識をそれなりに守って来た。そして80年代のゴタゴタから先の戦争で苦しめた近隣諸国への配慮を示し近隣諸国条項を定め、教科書記述に気を使って来たはずだった。しかしそもそもあの戦争自体が「侵略目的」であることを認めない政権が21世紀になって生まれて、戦後培ってきた良識を覆し、子供のいたずらのような閣議決定で、教育内容を決めようとしている。学問的にはまるで価値が無い閣議決定の内容を教科書に強制的に書かせることは、子供たちを一つの政治的立場へと押しやり、この国の未来を危うくするだろう。


●「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」などとして6か所修正
○「戦争時に日本の軍や企業による行為で被害を受けた人々からは、現在でも補償を求める動きが続いています」という記述に対し、「政府の統一的な見解に基づいた記述がされていない」という意見がついた
○「東京裁判」について書いた2点の教科書の記述に対し、「政府の統一的な見解に基づいた記述」
アイヌの近現代について書いた1点の教科書に「政府は北海道旧土人保護法を制定し、狩猟採集中心のアイヌの人々の土地を取り上げて、農業を営むようにすすめました」という記述をアイヌの人々に土地を与えて、農業中心の生活に変えようとしました」に
従軍慰安婦問題を取り上げた1点の教科書にも意見がつき、「現在、日本政府は『慰安婦』問題について『軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような資料は発見されていない』との見解を表明している」という記述が加えられた。
尖閣諸島竹島の記述
「学び舎」の教科書は今回初めて申請されたが、「学習指導要領の目標や内容に照らして基本的な構成に重大な欠陥がある」としていったん不合格
○「自由社」の教科書で、検定意見が上限を超える358か所

関東大震災の発生後、混乱の中で殺害された朝鮮人の人数を「数千人」と書いた2点の教科書の記述にもの言いがつきNHKニュースはこう伝えている。

イメージ 1

関東大震災の発生後、混乱の中で殺害された朝鮮人の人数を「数千人」と書いた2点の教科書の記述には、「通説的な見解がないことが明示されておらず、生徒が誤解するおそれのある表現だ」という意見がつきました。
これを受けて教科書会社1社は、当時の政府など複数の調査結果や「虐殺された人数は定まっていない」という記述を加えたうえで、「おびただしい数の朝鮮人が虐殺された」と修正しました。もう1社は「自警団によって殺害された朝鮮人について当時の司法省は230名余りと発表した。軍隊や警察によって殺害されたものや司法省の報告に記載のない地域の虐殺を含めるとその数は数千人になるとも言われるが、人数については通説はない」と修正しました。


関東大震災での朝鮮人虐殺はこのブログのテーマではないが、いくつか参考となる記事をあげておこう。


次回は「慰安婦」問題における検定意見について述べよう。