河野談話を守る会のブログ2

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「連行してる」という教科書の記述を攻撃していた安倍だが、公文の証拠が存在してるよという話

      安倍の教科書攻撃のデタラメがバレる時

1997年5月27日の話である。
決算委員会第二分科会の分科員であった安倍晋三議員は、当時書かれた中学教科書の慰安婦記述を攻撃し、大阪書籍については、「連行した」という言葉を取り上げ、文句をつけている。

 
    (略)
 そしてまた、次は大阪書籍、一・九億円であります。「慰安婦として戦場に連行しています。」という形で書いてありますが、これは強制性をかなり疑っている、強く示唆しているということではないかと思います。
    (略)

 「連行した」と書いてあるものを「強制を示唆してる」と述べる安倍議員。
相当バイアスのかかった特殊な解釈をするものだが、よっぽど「慰安婦」記述を消したかった訳だ。

「連行した」は「強制を示唆している」・・・・これを覚えておいていただきたい。安倍議員のご意見なのである。


              ◆同じ思想を持つ人々

この考え方は
2014年12月22日付けの朝日新聞三者委員会による報告書」にも引き継がれており、北岡伸一氏らはこう書いている。

女子挺身隊」と「連行」という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与えるもので、安易かつ不用意な記載であり、読者の誤解を招くものと言わざるを得ない
 
女子挺身隊」と「連行」という言葉は強制的に連行されたという印象を与える」そうだ。

これも覚えておいていただきたい。




             ◆韓国の研究者からの指摘


ところが、この「慰安婦連行」という表現は当時の軍の公文の記録にちゃんと残っているのである。

アジア女性基金」の掲載している公文資料から「連行した」という言葉で「慰安婦」徴集を表現したものがあったと 韓国の新聞が伝えている。

以下

 

慰安婦の連行に協力を」 日本軍発行の証明書を発見

2015年04月09日08時19分 
                                                                  
 旧日本軍が慰安婦を連行したと明示した過去の日本の記録が発見された。安倍首相が慰安婦の強制動員を否認し、日本政府が中学校の教科書から慰安婦連行の絵を削除するよう指示した中で出てきた文書だ。                                               金文吉(キム・ムンギル)韓日文化研究所長(70)は8日、「従軍慰安婦関係資料集成」と題した報告書の写本を公開した。日本の財団法人「女性のためのアジア平和国民基金」(以下、国民基金)が1997年に出版し、日本のある市立図書館が所蔵している報告書だ。                                                 600ページ分量の報告書の152ページには、中国と戦争をした日本軍塩田塩田兵団の林義秀部隊長が1940年6月27日、部隊傘下の慰安婦所の管理者に発行した証明書が出てくる。国民基金が報告書で「外務省と警察庁で確認した」とする証明書だ。証明書は「この人は当部隊付属の慰安婦所の経営者であり、今回慰安婦を連行して帰ってくる。慰安婦は当部隊に慰安をするために必要であるため、渡航に便宜を図り、問題がないようにするべき」という内容だ。                                                 金所長は「『連行』という言葉を日本軍が直接使ったという点で、慰安婦強制動員を否定する日本政府の主張に反論できる資料」と述べた。証明書には慰安婦の国籍が出ていない。金所長は「海を渡り中国に行くという内容からみて、韓国人である可能性が高い」と分析した。                                                  その間、日本は93年の河野談話をはじめ、いくつかの裁判の判決文で慰安婦動員の強制性を認めたが、日本軍が直接作成した文書で慰安婦を連行した事実が明らかになったのは初めて。                                                  ◆慰安婦を正しく知る教材を制作=女性家族部は8日、小中高校生と教師のための「日本軍慰安婦を正しく知る」教育教材を今月中旬に配布する計画だと発表した。生徒を対象にした慰安婦関連の初めての教育資料だ。女家部は昨年11月、教材の制作に着手した。教師からなる「韓日歴史交流会」の会員10人と教育部傘下の東北アジア歴史財団所属研究員5人が、生徒用の自習書(40ページ分量)や動画(35-45分)など5種類を準備した。教材は慰安婦被害者サイト(www.hermuseum.go.kr)と北東アジア歴史ネット(contents.nahf.or.kr)でダウンロードできるようにする。
 
 
 

          該当する資料

中央日報記事が紹介している資料はこれである。


イメージ 1
(「アジア女性基金http://www.awf.or.jp/pdf/0051_1.pdf p152より一部抜粋)





■■■■
当年二十二歳
右ハ当隊附属慰安所経営者ニシテ 今回 慰安婦連行ノタメ帰台セシモノナリ
就テハ 慰安婦ハ当隊ノタメ是非必要ナルモノニ付 之カ渡航ニ関シテ何分ノ便宜附与方取計相成度
証明
昭和十五年六月二十七日
南支派遣塩田兵団林部隊長 林義秀
吉見義明従軍慰安婦資料集』133頁にも書かれている)
 
慰安婦の連行のため業者を台湾に戻らせるから、便宜を付与するよう取り計らってくれ。慰安婦は当隊のため是非(ぜひ)必要なものだから。」

というのである。

慰安婦連行」とちゃんと書いている。

安倍や第三者委員会によれば、●「連行したは強制を示唆している」「連行という言葉の持つ一般的なイメージから、強制的に連行されたという印象を与える」のだそうだから、この南支派遣軍は「強制的に連行した」ことを示唆している事になるだろう。彼らの主張によれば・・・である。

彼らは「慰安婦は連行された」を否定したいのだろうが、事実は明らかである。「慰安婦は連行された」のである。

しかも、慰安婦ハ当隊ノタメ是非必要ナルモノニ付」・・なのだ。そして当隊附属慰安所と書いている事も忘れてはいけない。

こうして業者の背後で軍が「慰安婦連行」を指示していたことが明らかとなったのである。



<参考となるサイト>

歴史修正主義のウソを暴く http://ameblo.jp/qtaro9blog/entry-11779758678.html


 



付記)

ついでに安倍の今日につながる 日教組攻撃をメモしておこう。


1997年5月27日決算委員会第二分科会での日教組攻撃
 
 日教組の組織率は、今極めて低下をしているわけでありますが、残った先生方は大変先鋭化をしております。そして、思想的な傾向も強まっているわけでありまして、教科書会社は営利を上げるためにみずから内容を社会主義化することによって利益を上げているという大変皮肉な結果になっているということであります。
 さらに、この教科書の採択に大きな影響を持っているのが、労働組合出版労連であります。共産党系の労働組合出版労連というグループ、これは教科書執筆者がつくっている労働組合でありますが、それが極めて大きな影響力を持っております。そしてもう一つ、大阪の場合は大同協、つまり同和教育研究協議会という部落解放同盟系の組織であります。これらがいわゆる事前チェックを行いながら、こういう傾向でなければ採択はさせないという大きな圧力をかけているというお話
が現場の先生から、そういう生々しい証言があったわけであります。

 
出版労連は、教科書レポートというのを出すわけでありますが、その中に「最新日本史」採択校一覧表というのを載せるわけであります。その中で、自分たちの思想的傾向に合わない教科書を採用した学校には、これはもうみんなで押しかけるわけでありまして、こんな教科書を使う学校には生徒を送らないぞという圧力をかけているということであります。特に、私立学校等は、こういう圧力をかけられますと大変弱いわけでありますから、次々と採択する教科書を変えているというのが現状だと思うわけであります。しっかりその点を文部省もよく認識をしておいていただきたい、こういうふうに思うわけであります。