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いよいよ「国定教科書」時代突入!(2)国粋主義が日本を滅ぼす





            国粋主義が日本を滅ぼす

国が検定意見をつけて教科書記述に規制を加えるという検定制度が問題なのは為政者が、狂った世界観を持っている場合である。安倍政権のような国粋主義者が造った内閣では、その国粋主義精神によって事実は歪まされ、歴史は大きく変更、修正されてしまう。まさか今更、日本神話を小学生から教えたりはしないはずだが、それも自信があるわけではない。国粋主義を信奉する評論家の中には神話教育を唱える者もおり、このまま右傾化していけばいづれは始まることになるだろう。なんせちょっと閣議決定するだけでそれは教科書に書くべきものになるという教科書検定基準なのだ。

戦前のように、小学校で宮城遥拝や歴代天皇の偉業とやらが教えられ、電車が神社の前を通るたびに礼拝しなければならないような世の中になったら、我々は我々の世代の責任を放棄したという事である。

しかしここで日本の歴史修正主義者にとっては最大のハードルがある。それが「慰安婦」問題である。国粋主義者たちがどれほど狂熱的に否定しようと国際社会がそれを認めるわけではない。未婚の女性を軍人の性処理のために使用したという旧皇軍の犯した救い難い罪悪は、皇軍とそれを生み出した大日本帝国の悪辣な所業を浮かびあがらせることになる。女性戦犯法廷が述べたようにあるいはその責任は昭和天皇にも及ぶのであろう。マグロウヒル社の「慰安婦天皇の贈り物」という表現にネトウヨたちがヒステリーを起こすのはそれが彼らの情念の根幹の部分に触れているからである。かつて山鹿素行は「中国より本朝はるかにまされり」と述べ、それを引き継いだ本居宣長は「日本は天照大御神が生まれた[元来宗主国]である」と主張しhttp://www.ritsumei.ac.jp/~katsura/pdf/2.pdfこの主張の中で天皇が日本の優れた側面の中心を占めていた。後に石原莞爾が述べたような「天皇陛下がいるから日本は素晴らしい」という観念がやがて明治維新を経て多くの国民(当時は臣民だが)に宣伝・教育され、3世代も経つともはやそれ以外は考えられないような人達が量産されるようになったのだ。

「本朝まされり」は今日でも続いている。彼らの情念は「日本スゴイ!日本スバラシイ!」http://togetter.com/li/805373というテレビ番組を量産させつつある。
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日本すごい」が大好きなのはネトウヨたちである。
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在日韓国人が多く住み、韓国人が経営するレストランやショップの多い新大久保界隈で店員や歩行者に向かって「キムチ臭い韓国人は出て行け」「韓国人はゴキブリ」「首を吊れ」などと叫びながら沿道を行進する在特会の排外デモ。いや、それはデモというよりもただの嫌がらせだろうが、そこにはためくのは軍のシンボル「旭日旗」であった。(http://jupiter-press.doorblog.jp/archives/24840598.htmlより引用)



そしてネトウヨは自覚の無い復古神道の信者であると言える。この日本賛美は、旭日旗の下、他民族排撃の集団ヒステリーを生み出す事になる。本居宣長はこうも述べていた。「中国朝鮮は、西方の野蛮であり、これを万国に照臨する天照大御神の生国である我が国が統御すべし」(http://www.jkcf.or.jp/history_arch/second/2-16j.pdf)。簡単に言えばこうなるだろう。「日本は素晴らしい国でそれはアマテラスが生まれた神国だからだが、そうでない中国朝鮮は蛮国である。」こうしてその後の臣民たちが羅患した”アジア蔑視”という魂の病が始まったのである。この日本中心主義思想は教育勅語にも顕れている。「教育の淵源、 亦実に此に存す」と謳ったこの勅語の精神とは、「アマテラスや神武によって日本ができたという世界に比類なき我が国体の精果を自覚することが教育の基本だ」という意味である。今日の安倍政権の教育の基本は「比類なき我が国体の精果」を教えることであるという昔の考えを引き継ぎ、「日本はすばらしい国であることを教える」に微妙に変化しただけなのだ。

今日、「軍人勅諭」賛美はまだ始まっていない。しかし八紘一宇を賛美した議員がいたようにやがて国防軍とやらが生まれれば顕れる。その時旭日旗は「我が軍」の旗として妄念に憑かれた閣僚たちによって振られることになるだろう。

そして「教育勅語」賛美はすでに始まっているのである。こうした中で行われた教科書検定がどんな意味を持つか、おおよそ気付きそうなものだ。すでに我々の前には「特定秘密法」という鬼子のような悪法が立ちはだかっているが、さらに近いうちに国民背番号制が始まり、個人の生き方にまで干渉したがる自民党憲法案が待っている。「女性の手帳」に「心のノート」、「日の丸・君が代http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2015041702000166.html、「自民党による報道機関への圧力」そして「国定教科書」である。なぜ日本の権力者が他人の心を支配したがるのかは知らない。ガチガチに縛ろうとする管理主義は多分、家康以来の伝統なのだろう。自覚的には彼らは「日本をよくするためにやっている」と思っているのかも知れない。人間は自分に対して盲目になれるものだが、自分たちが戦後の成果の全てを壊していることも、「戦後レジーム」とかいう言葉を使いながら正当化されているのだろうか?格差社会を増大させ、アジア諸国や国連との関係を悪化させ、世界の中で何やら異様な集団となっているのだが、それは突然戦争が始まるまでは表には現れないのである。しかしその日は突然訪れるのであって文句を言う間もなく急流に押しやられるだろう。それを押しとどめる最後の良心の防波堤が「慰安婦」問題なのである。



http://japan.hani.co.kr/arti/international/20225.html


慰安婦叙述を復活させた「学び舎」教科書

「本人の意思に反して募集・移送」
 前・現職の歴史教師たちが作った出版社
 中学校教科書に4年ぶりに記述
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                                                                                                                                     暗い条件の中でも意味ある変化はあった。子供たちに正しい歴史を教えようと前・現職の歴史教師たちが集まって作った「子供と学ぶ歴史教科書の会」が設立した出版社「学び舎」は、今回検定を通過した教科書で、2011年以後中学校教科書からは消えた慰安婦関連記述を4年ぶりに復活させた。
 ハンギョレが入手した学び舎の「社会」(歴史分野)検定通過本の281ページ「人権侵害を問い直す」には「1990年、韓国のキム・ハクスンさんの証言が契機となって、日本政府は戦時の女性に対する暴力と人権侵害に対して調査を行った。 そして1993年に謝罪と反省の意を示す政府見解を発表した」と記述された。 自身が日本軍慰安婦だったことを初めて明らかにしたキム・ハクスンさんの勇気ある証言を通じて、日本政府が1993年に慰安婦動員過程の強制性と日本軍の介入を認めた「河野談話」が誕生した事実を明確に示しているわけだ。 同じページには「朝鮮半島慰安婦の募集・移送などは概して本人の意志に反してなされた」という河野談話の主要内容も引用されている。 日本政府が植民支配と侵略に対する謝罪と反省の意向を明らかにした「村山談話」の具体的内容は紹介されなかったものの、年表の中には日本政府が1995年にこの談話を発表したという事実が整理されている。 この教科書はまた、日本の植民支配と侵略に抵抗した韓国民衆の主体的な動きに焦点を合わせるなど、民衆史的観点の執筆を試みた。

 この間、日本の中学校教科書の慰安婦関連記述は、歴史の中で浮沈を経てきた。 日本の市民団体である「中学歴史教科書に慰安婦記述の復活を要求する市民連絡会」の資料によれば、中学校教科書に慰安婦記述が初めてされたのは1993年の河野談話が発表された後に出た1997年度検定教科書からだ。 当時は7種の歴史教科書の全てに関連記述が含まれていたが、2002年には3種、2006年には2種に減り、2011年検定では全て消えた。 今回文部省は、学び舎の初回原稿を一度不合格処理した後、「強制連行を直接示す資料は発見されなかった」という日本政府の見解を併記する条件で慰安婦関連記述を許容した。 高嶋伸欣琉球大名誉教授は「中学校教科書で慰安婦関連記述が復活したことは画期的」としつつ「慰安婦記述が教科書検定を通過したので、今後これを書くか書かないかは各出版社の意志にかかった問題になった」と話した。

 日本政府は昨年1月「教科書検定基準」を改定し「閣議決定(閣僚会議議決)など政府の統一された見解がある場合には、これに基づいて記述すること」を要求し、下村博文文部科学相は昨年3月「河野談話村山談話は政府の統一された見解ではない」として、これを教科書から追放しようとした。しかし、その後に二つの談話と関連した内容が全て閣議決定されていた事実が確認され、教科書に載せられることになった。

東京/キル・ユンヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-04-06 21:01
http://www.hani.co.kr/arti/international/japan/685749.html ;