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日本国は慰安婦の碑を建てるべし


日本の右翼の頑迷さや暴力性を知っている人間にとっては、この発言は大胆に聞こえるだろう。「手始めに、日本の指導者らは物議を醸す靖国神社参拝をやめることを宣言する」とか「戦争中の性的奴隷制度の規模に関する主張に反論するのではなく、日本政府は韓国やその他の国から強制的に連れてこられ、帝国陸海軍により性的奉仕を強要された「慰安婦」を祭る記念碑を都心に、可能であれば皇居周辺に建立するべきだ」とかいう発言ができるのは日本に住んでいないからではないか?そういう意見もありそうなのだが、しかし、本当に不可能なのだろうか?つまりいずれは「靖国神社参拝をやめることを宣言する」政府が生まれてもおかしくはないし、「慰安婦の碑を造」れば確かに慰安婦問題の混迷の歴史は終わるだろう。もちろん、実際にそうするには右翼の頑迷さや暴力性との闘いになるわけだが・・・・。慰安婦問題に携わる人間の一人として、無視する事はできない提案である。




ジェイミー・メッツル
アトランティックカウンシル上級研究員
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ニューヨークを拠点とするグローバル投資会社のアドバイザー、およびアトランティックカウンシルのシニアフェロー・シニアアドバイザー。著述家でもあり、ワシントンポストWSJ、Die Welt、プロジェクトシンジケートなどに東アジアの外交に関するコラムを寄稿している。以前はアジア·ソサエティの上級副社長を務めており、クリントン政権時代には国家安全保障会議および国務省で働いていた。



転載)

慰安婦記念碑を東京に建立するべき?

米国のアジア専門家が大胆な提言




(注) このコラムはジェイミー・メッツル氏がプロジェクトシンジケートに寄せた英文コラム「Japan’s Sensitive Military Normalization」を邦訳して転載したものです。
 
イスラム国」に湯川遥菜さんと後藤健二さんが殺害され、安倍晋三首相は日本の軍事体制について「戦後以来の大改革」を言明した。国益や国民が脅威にさらされたときに守ることができる「日本を取り戻す」と話した。
日本国民は戦後平和主義をおおむね支持している。それでも今回の人質事件は人々を不安にさせるものだった。その理由の一つは、軍事に関する日本の無能ぶりが露呈したことだ。自国の人質の救出作戦を検討し、人質が殺害された後には強力な軍事的対応を取ることができたヨルダンとは異なり、日本は憲法により救出も報復も選択できなかった。
日本国憲法第9条は、戦力の保持および国際紛争を解決する手段としての武力の行使を禁じている。今や非常に能力の高い自衛隊を保持する日本だが、憲法に基づく制約は日本の軍事体制を依然として大きく阻害している。

脅威の高まりを受けて、突き付けられる疑問

米国との同盟協定は日本の安全を保障するものだ。だが、主張を強める中国、核を保有する北朝鮮、そして在外邦人殺害の脅しをかけるイスラム国など、日本が直面するリスクは、自衛隊にさらなる裁量が必要かとの疑問を突き付ける。
ただ、日本が軍事力を強化すれば反発が起こる。特に中国や韓国、北朝鮮からだ。米国との同盟で日本の安全は十分に保障されている、というこれらの国々の主張は今も変わらず、さらに植民地支配や戦時中の歴史に日本はまだきちんと向き合っていない、と主張している。
米国が今後も永久に日本の国益を守ってくれる保証はない。中国との衝突においてはなおさらだ。中長期的に米国がアジアの安全保障において支配的な立場を維持する能力があるのかという疑問は、米国における孤立主義的な感情の高まりと相まって、米国やパートナーに戦略の見直しを迫る形になっている。それはまた、オーストラリアのような強力な同盟国でさえ例外ではない。


第2次世界大戦中およびそれ以前の日本が残虐だったことは否定できない。だが、国連やその他の国際機関を支持し、途上国に指導や支援を提供するなど、1945年以降の日本の行いは模範的だ。
中国や北朝鮮は日本が正常化されれば地域の安定が脅かされると言うが、その主張には無理がある。日本が正常化され重要な役割を果たすことで、中国が着実に立場を強めているこの地域の安全が強化される可能性のほうが高い。

慰安婦」を祭る記念碑を皇居周辺に

日本が軍事正常化を選ぶのであれば、自国の歴史にしっかりと向き合っていることを説得力のある形で示さなければならない。手始めに、日本の指導者らは物議を醸す靖国神社参拝をやめることを宣言するか、あるいは14名のA級戦犯分祀する画期的な方法を見つけなければならない。
同様に、戦争中の性的奴隷制度の規模に関する主張に反論するのではなく、日本政府は韓国やその他の国から強制的に連れてこられ、帝国陸海軍により性的奉仕を強要された「慰安婦」を祭る記念碑を都心に、可能であれば皇居周辺に建立するべきだ。世界的なリーダーたちを招いて紛争地域での女性保護を話し合う定例会議の開催もできるだろう。
米国の教科書で日本の第2次世界大戦中の行為がどのように書かれているかについて抗議したり、南京大虐殺の被害者数について言い争ったりするのではなく、戦争中に日本が行ったことを自国民がきちんと理解し、受け入れる手助けをしなければならない。ほかの国、特に中国が反日プロパガンダを行う背景には、国内で強い政治的動機があるのかもしれない。だが、日本が自国の歴史をもっと配慮をもって扱うことで、少なくとも火に油を注ぐのをやめることは可能だ。
世界の平和と安全保障に対する莫大な貢献も含め、日本の戦後の功績は大いに評価に価する。だが、より配慮をもって自国の歴史と向き合うことを、軍事体制見直しの中心に据えなければ、過去が障害となることもありうる。