河野談話を守る会のブログ2

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安倍の国会での吉田清治の取り上げ方


国会議事録検索システムを使って、安倍答弁の中から「吉田清治」を検索すると平成09年05月27日決算委員会第二分科会から総理になって以降、平成26年10月31日地方創生に関する特別委員会まで5度の答弁がなされている。

酷い偏見に基づく思考法、主張が多く見られ、それをまた自民党が代々受け継いで来たやり方(たぬき法)で誤魔化しているのが、特徴である。






安倍普三・歴史教科書の「慰安婦」記述を攻撃 ↓
吉田清治証言が嘘だから、歴史教科書の書くのは不当だという”イチャモン”をつけている。しかし吉田清治証言が歴史教科書に影響を与えたという主張にはまったく証拠が無い。
朝日新聞をはじめとして、読売や産経も吉田証言を掲載はしているが、それはその時代までの慰安婦関連報道全体の中でわずかな量でしかないのである。

「強制性については全くそれを検証する文書が出てきていない」という嘘まで述べている。ここで使っている言葉が「強制連行」ではなく「強制性」であることにも注意すべきである。

また「共産党系の労働組合出版労連」などと述べており、”何何の影響を受けているから問題だ”式な論理が見られる。冷戦初期に米国でなされたマッカーシー旋風のような理屈を、冷戦が終わった今日において教科書問題でやっているのである。相当な予断と偏見というしかない。


ちなみに私個人は「共産主義」という経済と哲学の体系が嫌いだが、当「河野談話を守る会」はあくまで慰安婦問題の解決を目指しており、いかなるイデオロギー、政治思想も前提とする事を拒否している。社会科学として歴史研究が合理性をもっていなければならない事は確かだが、だからと言って「科学万能主義」を信奉するものでもない事も追記しておきたい。

 安倍は大きな圧力をかけているというお話が現場の先生から、そういう生々しい証言があった」とも述べているが、この現場の先生」とはいったい誰で、どこでこのような話をしているのだろうか?

衆 - 決算委員会第二分科会 - 2号 
平成09年05月27日

○安倍(晋)分科員 先ほど申し上げましたように、特にことし、中学の教科書、七社の教科書すべてにいわゆる従軍慰安婦の記述が載るわけであります。この問題に絞って幾つか質問させていただきたいと思うわけであります。
 私も従来から我が国の歴史教科書の記述については問題点が多いな、こう思っておりました。しかし、この従軍慰安婦の記述については余りにも大きな問題をはらんでいるのではないかと私は思います。これは私だけではなくて、そういう問題意識を持っている議員はたくさんいるのですね。ことしになって、特にこの記述に疑問を持つ若い議員が集まって、日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会というのを発足いたしました。当選五回以下に絞っているにもかかわらず、自民党だけで六十名近い議員が集まって、勉強会を既に八回、文部省からも説明要員として御出席をいただいたわけでございますが、勉強会を重ねてきました。それぐらいたくさんの議員が問題意識を持っているということであります。
 それはなぜかといえば、この記述そのもの、いわゆる従軍慰安婦というもの、この強制という側面がなければ特記する必要はないわけでありますが、この強制性については全くそれを検証する文書が出てきていないというのは、既に予算委員会、先ほど私が申し上げました小山議員、片山議員の質問の中で、外政審議室長の答弁等々から明らかであります。唯一のよりどころは、十六名の元慰安婦の人たちの証言ということでありますが、これはやはり私どもの勉強会におきまして、石原元副長官に講師としてお越しをいただきまして証言をしていただいたわけでございますが、もう既に、これは十六名の人たちから聴取をするというときに強制性を認めるということで大体方針が決まっていた。それを否定するというのは、とてもそういう雰囲気ではなかった。これは実際の話としてお話があったわけであります。明らかにこれは外交的配慮から強制性があったということになってこの官房長官談話につながったのだ、私はこういうふうに思います。
 そもそも、この従軍慰安婦につきましては、吉田清治なる詐欺師に近い人物が本を出した。この内容がもう既にめちゃくちゃであるということは、従軍慰安婦の記述をすべきだという中央大学の吉見教授すら、その内容は全く根拠がないということを認めております。しかし、この彼の本あるいは証言、テレビでも彼は証言しました。テレビ朝日あるいはTBSにおいてたびたび登場してきて証言をいたしました。また、朝日新聞は大々的に彼の証言を取り上げて、勇気ある発言だということを新聞紙上で扱って、その訂正はいまだかつて一回もしていない。テレビ局も新聞もそうであります。
 しかし、今は全くそれがうそであったということがはっきりとしているわけであります。この彼の証言によって、クマラスワミは国連の人権委員会に報告書を出した。ほとんどの根拠は、この吉田清治なる人物の本あるいは証言によっているということであります。その根拠が既に崩れているにもかかわらず、官房長官談話は生き、そしてさらに教科書に記述が載ってしまった。これは大変大きな問題である、こういうふうに思っております。
 ただ、それならたくさん教科書があるのだからそういう教科書ばかりにはならないだろうと思っていたら、すべての教科書にこの記述が載ったということであります。当然、中等段階でありますから教科書は無償でありまして、国の予算も教科書全体として四百三十五億円ついております。歴史の部分については十億円がついているということであります。
 七社それぞれ記述が若干違うわけであります。慰安婦と書いてあったり、従軍慰安婦と書いてあったり、あるいは慰安施設をつくったということでありますが、実態は、最も多く売れている、十億円のうち四億円は東京書籍株式会社であります。この東京書籍に至っては四億円、十分の四ですね。「従軍慰安婦として強制的に戦場に送りだされた若い女性も多数いた。」強制性を堂々と書いております。
 そしてまた、次は大阪書籍、一・九億円であります。「慰安婦として戦場に連行しています。」という形で書いてありますが、これは強制性をかなり疑っている、強く示唆しているということではないかと思います。
 そしてさらに教育出版社、これは一億八千万円でありますが、「従軍慰安婦として戦地に送り出された。」と書いてあります。
 一社だけ、慰安施設をつくったということでありますが、これは清水書院であります。強制性については余り言及をしていないわけでありますが、これは結局三千万円だけであります。十億円のうち三千万円でしかないということであります。
 ということは、予算的には多くの、ほとんどの教科書が強制性を疑わせる記述になっているのだ、こういうふうに思います。
 問題は、私はこれは採択の現場にもあるのではないかと思うわけであります。我々は、この東京書籍の社長も含めて、教科書会社の人たちを呼んで話を伺いました。彼らが言うには、本音ベースで言えば、こういう教科書をつくらないと教科書を採択してもらえないということでありました。
 そのときに、大阪の現場の先生、大阪府の桜丘中学校教諭の長谷川先生にもお越しをいただいたわけであります。彼の証言でありますが、「採択権は現場の教師に実質的には握られている。枚方市では教師が投票し、その投票の上位となった教科書が教育委員会に報告され、それが採択される。」「教科書会社は教育委員会よりも現場教員、その思想傾向におもねるようになる。」ということであります。
 日教組の組織率は、今極めて低下をしているわけでありますが、残った先生方は大変先鋭化をしております。そして、思想的な傾向も強まっているわけでありまして、教科書会社は営利を上げるためにみずから内容を社会主義化することによって利益を上げているという大変皮肉な結果になっているということであります。
 さらに、この教科書の採択に大きな影響を持っているのが、労働組合出版労連であります。共産党系の労働組合出版労連というグループ、これは教科書執筆者がつくっている労働組合でありますが、それが極めて大きな影響力を持っております。そしてもう一つ、大阪の場合は大同協、つまり同和教育研究協議会という部落解放同盟系の組織であります。これらがいわゆる事前チェックを行いながら、こういう傾向でなければ採択はさせないという大きな圧力をかけているというお話が現場の先生から、そういう生々しい証言があったわけであります。
 この現場の採択の状況について、文部省は問題点を把握しておられるのでしょうか。

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さてその後、2006年、総理になった後に自分のこの「慰安婦」歴史教科書記述攻撃について釈明している。

「事実の確認について、議論があるのであれば、それは教科書に載せるということについては考えるべきではないか」・・・と誤魔化しに入っているが、「強制性」についてすでに多くの歴史家が確認済みである。

しかし安倍のように研究者でも無い人間が、自分の国粋主義志向によって、ただ「事実の確認」を拒否しているだけに過ぎないのである。

またここでも「強制連行」(連行時における強制)と「強制性」(連行時に限るものではない)を混同させてつかうという詭弁技法が駆使されている。
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165 - 衆 - 予算委員会 - 3号 
平成18年10月06日


安倍内閣総理大臣 この河野談話の骨子としては、慰安所の設置や慰安婦の募集に国の関与があったということと、慰安婦に対し政府がおわびと反省の気持ちを表明、そして三番目に、どのようにおわびと反省の気持ちを表するか今後検討する、こういうことでございます。
 当時、私が質問をいたしましたのは、中学生の教科書に、まず、いわゆる従軍慰安婦という記述を載せるべきかどうか。これは、例えば子供の発達状況をまず見なければならないのではないだろうか、そしてまた、この事実について、いわゆる強制性、狭義の意味での強制性があったかなかったかということは重要ではないかということの事実の確認について、議論があるのであれば、それは教科書に載せるということについては考えるべきではないかということを申し上げたわけであります。これは、今に至っても、この狭義の強制性については事実を裏づけるものは出てきていなかったのではないか。
 また、私が議論をいたしましたときには、吉田清治という人だったでしょうか、いわゆる慰安婦狩りをしたという人物がいて、この人がいろいろなところに話を書いていたのでありますが、この人は実は全く関係ない人物だったということが後日わかったということもあったわけでありまして、そういう点等を私は指摘したのでございます。