安倍の国会での吉田清治の取り上げ方(2)
実のところ、こうして資料を掲載する記事は人気が無い。多分、面倒くさいのだろう。とたんに来客数は少なくなり、閲覧時間も短くなる。
しかし、安倍の発言について、より確実な根拠に基ついて確認しておくことは「慰安婦」問題の解決にはどうしても必要な過程であり、こうしてまとめておく意味もあると思っている。
安倍が吉田清治を取り上げた答弁は次の通りである。
No 回次 院名 会議名 号数 開会日付 リンク
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実際にはそれを示唆しているわけだが、残念ながら追及されていない。
○小川敏夫君 今証言はないと言いましたね。しかし、実際にアメリカの下院において、アメリカ合衆国の下院において慰安婦をされていた方がそういう強制があったという証言をしている、だから下院で決議案が採択されるかどうかということになっているんじゃないですか。
今証言がないとおっしゃいましたね。実際にそういう体験をしたというふうに証言している慰安婦が現にいるわけですよ。そういう人たちの発言は証言じゃないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば裏付けのある証言はないということでございます。
証言といえば、先ほど申し上げましたように、吉田清治氏の証言も証言じゃないんですか。全くこの人の証言はでっち上げだったということでございます。
というのである。
慰安婦に対して強制があったのが事実である。
ここには、いくつもの詭弁が見られる。
① 「強制連行」という言葉と「強制性」という言葉を混同させる詭弁
「強制連行」の裏付けある証拠が無いので、「強制性は無かった」という不思議な論理である。
② 「強制連行の証拠は無い」の証拠として、「吉田証言の嘘」しか挙げられていない。もし吉田が嘘だとしても他の人の証言も嘘だとは限らないのである。
こうした詭弁を許してしまった事が今日の我慢ならないデタラメな国会運営に繋がっているのである。
「戦争法案」での質疑における安倍答弁の論理性の無さに呆れかえった人もいるだろう。http://lite-ra.com/2015/07/post-1292_3.html 私もいわく言いようの無い不快さを感じながら、ネット配信を見ていた。そして、大多数の人の反対意見を全て無にする強硬採決に安倍政権の本質を感じた。独裁・強硬である。それは数年前の歴史認識における安倍の詭弁攻撃に端を発している。
この状況は昭和初期の戦争の発端にもよく似ている。あのときも、ごく少数の連中が戦争へと突っ走ったのである。それを国民の一部が擁護していた。その時代と今が実によく似ているのだ。
元慰安婦たちの証言を根拠なく貶める発言を安倍は、「創生『日本』」の副幹事長新藤義孝と語りあった2010年10月8日に公開された動画でも披露している。首相の座を降りて気を抜いて好き勝手な事を述べている。「週刊金曜日」の成瀬氏がまとめているので、参考に。