2015-10-07 産経新聞の原川記者が信じているらしい秦の民族比率説について 変テコ慰安婦物語ー語り部・秦郁彦 #練習用 産経新聞の原川記者が信じているらしい秦の民族比率説について ★原川記者は何を根拠に 「・・・日本人慰安婦の数が外国人慰安婦より多いのは確か」 などと言っているのか? 産経新聞が植村隆元朝日新聞記者にしたインタビュー記事特集の9回目で原川記者はこんなことを述べている。 原川「強制的に慰安婦にさせられた、その人たちが20万人にものぼるという誤解がその世界に広がっていますけれども。こうした誤解について植村さんは慰安婦問題に取り組まれた方としてどのようにお考えなんですか」 植村「僕は何人いたとかいう話をいろんな人に聞かれたことがあるんですが。ちょっと聞きたいんですが、原川さん、慰安婦問題って何人が正しいんですかね」 原川「まあ、実態は定かではないんですよね」 植村「それ、それ、聞きたいのよ僕」 原川「しかし、まあ、日本人慰安婦の数が外国人慰安婦より多いのは確かなんだろうと思います」 ー ー ー ー ー ー ー ー (【元朝日新聞・植村隆氏インタビュー詳報(9)】「捏造記者というと名誉棄損になると訴えたかった」 URL: http://www.sankei.com/premium/news/150906/prm1509060019-n1.html) 原川記者が述べている 「・・・日本人慰安婦の数が外国人慰安婦より多いのは確か」というセリフだが、日本人慰安婦の数が外国人慰安婦より多いという説の根拠が何かあるのだろうか? 秦郁彦の説でさえないだろう。 『慰安婦と戦場の性』(p410)に書いている秦郁彦の説は「内地人(日本人)は全体の4割」という説であって、「内地人(日本人)4割」という事は、日本人以外が6割という事であり、「日本人慰安婦の数が外国人慰安婦より多いのは確か」にはならないからである。 一体、どこからこんなセリフが飛び出してくるのだろうか? 原川記者さんにはまずその辺りから答えて欲しいものである。 しかしまあ、彼らが根拠とするのは、秦郁彦の論説しかないので秦の『慰安婦と戦場の性』が根拠なのだろうとは思う。ちょっとした勘違いなのだろうか? それにしては在特会も同じような勘違いをしているのが気になる。 在特会も信奉する?秦の「民族比率」説 この手の主張をしているのは原川記者だけではない。 在特会が娯楽出版社「ぶんか社」に送った抗議文でも「日本人6割」としている。 次に慰安婦の人種割合と総数ですが、慰安婦研究の第一人者である秦郁彦元日大法学部教授の現地調査などをまとめた『慰安婦と戦場の性』によれば、慰安所の慰安婦の割合は日本人6割、朝鮮人2割、支那人および現地人2割となっています。また慰安婦総数も慰安所の設置数や慰安婦1人に割り当てられる兵員数から計算しておよそ2万人前後と算出しています。慰安婦の総数についての諸説は分かれるにしても、慰安婦の人種割合についてはこれまで秦氏の調査結果を否定する材料はみつかっていません。そこでこの割数に基づいて仮に朝鮮人慰安婦20万人説を採用した場合どうなるでしょうか?まず慰安婦全体の総数は100万人となります。さらに韓国側が主張している「慰安婦一人あたり平均で一日10人以上の日本兵の相手をした」をあてはめれば、何と慰安婦全体で一日1000万人以上の客を一年365日相手にしていたということになります。 (「ぶんか社」への抗議文) http://www.zaitokukai.info/modules/wordpress/index.php?p=470 しかし、すでに述べたように、秦の説は「日本人6割」説ではなく「日本人4割」説である。コピーくらいは正確にして欲しいものだ。 それはともかく秦の「民族比率」説がレイシスト団体に大々的にとり入れられており、それが「ぶんか社」への攻撃の材料になっていることには注目して欲しい。 どうやら、この「日本人が多い」説は、他者を攻撃するための材料になっているらしい。 最近では、月刊誌『正論』7月号で、あの藤岡信勝が 日本軍の慰安婦は、多数が日本人売春婦によって占められていました。 (『正論』7月号、p321、藤岡信勝「欧米「日本研究者」187人による慰安婦声明の錯誤」) と書いていた。その根拠はもちろん秦であり 秦郁彦の試算では、慰安婦の出身地は、日本人4/現地人3/朝鮮人2/その他1という割合になっています。 (『正論』7月号、p321藤岡信勝「欧米「日本研究者」187人による慰安婦声明の錯誤」) としている。 この文章もまた、欧米の187人の学者の間違いを指摘するという趣旨の文章であり、どうやら秦の説を元に攻撃するのが彼らの間では常態化しているようである。 (参考:藤岡の主張の問題点については別の指摘もなされている。http://d.hatena.ne.jp/scopedog/20150524/1432469927) そこで、この秦郁彦の民族比率説が、検証にどの程度耐えることができるか?やってみようと思う。 こうご期待! 結論から言っておくが、まったくのデタラメである。これでまた『慰安婦と戦場の性』のデタラメが判明したのである。本当にデタラメ度数が高い本である。 (つづく)