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少女像移転誤報と【挺対協】の主張

              少女像移転誤報



日本では、 「少女像移転、韓国が検討  」というニュースが流れている。例えば12月26日本日の共同通信は【少女像移転、韓国が検討 慰安婦問題の妥結条件】と題してこう書いている。

【ソウル共同】旧日本軍の従軍慰安婦問題で日韓が妥結した場合、ソウルの日本大使館前に設置された被害女性を象徴する少女像について、韓国政府が別の場所への移転を検討していることが26日分かった。韓国政府筋が明らかにした。

 日韓外相は28日にソウルで会談し、この問題も協議する見通し。韓国政府は、朴槿恵大統領が第三国の首脳と会談する際に慰安婦問題を取り上げることを含め、他国での日本非難活動を日本の要求通り自制することも検討している。

 ただ聯合ニュースによると、少女像を設置した元慰安婦の支援団体は「撤去や移転は不可能だ」と反発した。
この共同通信を情報源としているらしい他の新聞・通信社も同様の記事を書いている。今後のために列記しておこう。

ハフィントンポスト 「慰安婦像、韓国政府が移転を検討」

http://www.huffingtonpost.jp/2015/12/25/comfort-woman-monument_n_8878120.html 

読売新聞 「ソウル日本大使館前の少女像、韓国が移転を検討」として

http://www.yomiuri.co.jp/world/20151225-OYT1T50134.html?from=yartcl_outbrain1 

ところがどうやらこれは、誤報のようだ。
韓国ではすでに外交部のスポークスマンがテレビで記者会見をおこない、完全に否定している。


外交部、「日本政府はメディアを悪用するな」強く抗議
MBCニュースデスク 記事入力 2015-12-26 20:05 最終修正 2015-12-26 20:24

◀ アンカー ▶ 
慰安婦問題を議論する日韓外相会談を控えて、ここ数日、日本のメディアでは見当違いな報道が流れています。
日本政府はメディアを悪用するな、韓国政府がこのように強く抗議しました。
オ・ヘジョン記者です。
 
◀ レポート ▶ 
今日、日本の読売新聞は、韓国政府が駐韓日本大使館前に設置した日本軍慰安婦少女像の移転を検討していると報道しました。
韓国政府は、このような報道を日本政府の「言論プレイ(メディアの悪用、メディア操作)」だとし、強い遺憾を表明しました。
チョ・ジュンヒョク外交部報道官は「このようなことをする日本側の底意が何なのか、真摯に会談に臨むつもりがあるのか、強い疑問を感じる」と述べました。
また、少女像は民間が自発的に設置したもので、政府がどうこうしろと言える事柄ではなく、移転場所として南山が検討されているという報道は根拠のない話だと述べました。
外交部は、駐韓日本大使館の高位関係者を呼んで抗議し、再発防止も求めました。
明日と明後日、連続して開かれる局長級協議と外相会談では、軍慰安婦被害者に対する日本政府の責任の認定と公式謝罪をめぐって激しい綱引きがおこなわれる見込みです。
日本政府の予算が含まれた新しい軍慰安婦被害者支援基金問題も争点です。
このような中で、慰安婦被害者ハルモニたちは駐韓日本大使館前に設置された少女像の撤去や移転は不可能だと言っています。また、安倍首相の直接的な謝罪はもちろんのこと、生存するハルモニのうち一人でも反対したら日本の謝罪は受け入れることができないと述べました。


  
この誤情報がどこから出て来たのかは分からない。もし誤報でなくちゃんと取材した根拠があるなら、共同通信社は、情報源をはっきりさせる必要があるだろう。

さて、これに関連する【挺対協 報道資料】が送られてきているので、公開しよう。


                2、挺対協から【報道資料】



          【挺対協 報道資料]】
        12.28日韓外相会談に向けて
 

「平和の碑」の撤去といった前提条件付きで日本軍「慰安婦」問題を解決することは不可能

光復70周年をこのまま終えるのが惜しいのだろうか。安倍首相が2015年もあと数日という今、世論づくりの主人公として踊り出た。
いつもそうだった。緊急で重要な外交問題を、メディアを通して暴露し、世論はこれに踊らされ惑わされてきた。その波紋は、あたかも真実であるかのように、直ちに歴史を変えるかのように、世の中を騒がせた。過ぎて見れば結局何らの進展もなく、内容のないパフォーマンスに過ぎなかった。その中で、被害者たちは「今度は本当に可能性があるのか?」と期待し、「やっぱりダメなのね」と天国と地獄を行き来する。このような日本政府を見て「まるで私たちをからかっているみたい」と言う。
この度の事態は、安倍晋三首相が25日、岸田外相に「慰安婦」問題妥結のため年内に韓国を訪問するよう電撃的に指示したという日本のある放送局の報道から始まった。韓国メディアも一斉に日本発のニュースを報道し始めた。外交の相手国である韓国政府との間でやりとりされている重要で緊急な外交議題を、このようにメディアを通して流し、世論づくりをして日本政府の立場を固めようとする下心が実に見苦しい。そして、そのように騒々しく登場した「年内妥結」努力の中身は空疎としか言いようがない。
日本のメディア報道によると、安倍首相が責任をとるという解決の中身は「被害者支援のためのアジア女性基金のフォローアップ事業を拡大して1億円規模の基金を創設することと、安倍首相の謝罪の手紙」だという。これでは10年前、日本政府が法的責任を否定して掲げた「補償に代わる措置」としてのアジア女性平和国民基金のやり方と何ら変わらない。アジア女性基金は、被害者の反対にあって既に失敗した日本政府の政策だった。
私たちは、緊急に開かれる2015年最後の日韓外相会談では真に日本軍「慰安婦」問題解決のための正しい協議がおこなわれるよう願い、以下のように明らかにする。
 
1. 解決の内容に何が盛り込まれるべきか。
 
すでに私たちは何度も日本政府と韓国政府に要求している。2014年、東京で開催された第12回日本軍「慰安婦」問題アジア連帯会議で採択された提言で、また2015年にソウルで開かれた第13回アジア連帯会議の決議で求めた内容だ。
第一に、日本軍「慰安婦」問題解決のために日本政府は、①日本政府および軍が軍の施設として「慰安所」を立案・設置し管理・統制したこと、②女性たちが本人たちの意に反して「慰安婦・性奴隷」にされ、「慰安所」等において強制的な状況の下におかれたこと、③日本軍の性暴力に遭った植民地、占領地、日本の女性たちの被害にはそれぞれに異なる態様があり、かつ被害が甚大であったこと、そして現在もその被害が続いているということ、④当時の様々な国内法・国際法に違反する重大な人権侵害であったという事実と責任を認めなければならない。
第二に、このような事実認定に基づいて、①翻すことのできない明確で公式な方法で謝罪すること、②謝罪の証として被害者に賠償すること、③真相究明のため、日本政府保有資料の全面公開、国内外でのさらなる資料調査、国内外の被害者および関係者へのヒヤリング、④再発防止措置として義務教育課程の教科書への記述を含む学校教育・社会教育の実施、追悼事業の実施、誤った歴史認識に基づく公人の発言の禁止、および同様の発言への明確で公式な反駁等をおこなうことである。
 
2.解決に前提条件はありえない。日本政府は責任を尽くさなければならない。
 
 解決の前提条件として「平和の碑」の撤去と「二度と問題を蒸し返さないという約束」を提示していることは、安倍政権が表向きには日本軍「慰安婦」問題の解決を口にしながら、実は日本軍「慰安婦」問題を解決する意思がないのだとしか解釈できない。さらにこれは、仮に日本軍「慰安婦」問題が未解決のまま残された場合に、その責任を被害者側である韓国社会に押しつけるための術策ではないかとさえ思われる。
―「平和の碑」は、199218日に始まった水曜デモが20111214日に1000回を迎えた日に、20年以上も毎週水曜日にその場所で訴えてきたハルモニたちと私たちの歴史を記憶するために建てたものだ。過去の辛い歴史を記憶することを超えて、被害者と市民の1000回もの叫び、20年もの歳月あきらめずに水曜デモをおこなってきた過程を表現したものである。そして、戦争を経験していない若い世代に、生きた歴史教育の場として、人権と平和教育の教室として、被害者の人権擁護活動の象徴として積み重ねてきたその歴史を前向きに評価し、褒め称えて「平和の碑」を建てたのである。ところがこれの撤去を条件とすることは、加害者が被害者の問題解決の歴史を抹消しようとする暴力的な動きであり、新たな障害を作り出すものである。
―「二度と問題を蒸し返さないという約束」をしろという前提条件も、加害者側が出してはいけないもので、ありえないことだ。それは、日本政府の正しい責任履行によって実現されることで、韓国政府が前提条件として約束する事柄ではないからである。
 
3.私たちは、日本軍「慰安婦」問題解決のため、25年間、諦めずに走ってきた。その成果が国連と国際社会の決議採択、日本政府への勧告を引き出し、韓国憲法裁判所の判決を生み出したのだと思う。また、このような圧力によって、日韓政府が日本軍「慰安婦」問題を外交議題として議論するようになったのだと思っている。1228日に予定されている日韓外相会談は、25年もの間努力してきた、このような被害者たちの活動とアジアの被害国の女性たち、そして国際社会の努力が実を結ぶような形で結果が引き出されなければならない。万が一にも懸念される、外交辞令でお茶を濁すような解決ではなく、被害者が心から納得できる、受け入れることのできる、速やかで正しい解決を願う。
 
※金福童ハルモニの立場
「安倍が謝罪の手紙を出して、10億ウォンで解決するって? そんなことで解決はできないよ。こっそり、誰も分からないように手紙を出しておいて、後でまたそんなことしてないって言うつもりじゃないの? 記者をみんな集めて、その記者たちの前で宣言しなきゃ。日本が、安倍の時代にやったことではないけど、祖先たちが私たちに悪いことをしたってこと、戦場に私たちを連れて行って、あんな凄惨な状況で軍人たちにされたこと、申し訳なかったって、許して欲しいって言わなきゃ。それも、一人でやるんじゃなくて、日本政府の公式的な立場でやらなきゃ。それから10億ウォン、私たちがお金が欲しくてこんなに長い間こうしてきたと思ってるのかね? 私たちも、今では韓国政府が生活支援金もくれるし、民間団体でこうして面倒もみてくれてるんだから、お金がなくて言ってるわけじゃないじゃない。法的に賠償しろってことなんだよ。それは、犯罪国家として、罪をおかしたということを認めろってことよ。そうじやないですか? それから少女像を撤去しろってことだけど、それと問題を解決するのとは関係のない、全く別のことだと思うんだけど、どうしてやたらと少女像をなくせって言うのか分からないね。私たちの国に私たちが建てたのに、どうして日本がああしろこうしろって指図するの? 少女像は私たちの過去の歴史、過去にああいう辛いこと があったってことを、後生に伝えて二度と同じようなことがないように、歴史の勉強をさせる目的で建てたのに、なぜ歴史を消せ、なくせって言うのか分からない」

20151226
韓国挺身隊問題対策協議会共同代表 ユン・ミヒャン、
ハン・グギョム、キム・ソンシル