河野談話を守る会のブログ2

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日韓関係が悪化したのは嘘まじりの記事で「歴史戦」とやらを煽りまくって来た産経の責任である





かつて200万部達成という社運をかけて「歴史戦」を煽って来た産経新聞社である。1997年1月7日の新年社員大会の中で羽佐間重影産経新聞社社長は、「販売部数を200万部にするため」特徴ある紙面造りの中心として「教科書問題に火をつけて来た。」「その戦略が成功して「新しい歴史教科書を造る会」が生まれ」、政治家が発言し、雑誌に書かれるようになり「自画自賛でなく・・・従軍慰安婦を取り上げるようになり、・・・この問題が大きくテーマとして出て来た」と自慢げに述べている。(慰安婦問題と教科書攻撃』p203)
要するに「火をつけたのは産経」であり、それも「チャレンジ200万部」という極めて自己中心な欲望に端を発していたのであった。

しかし、いまや完全に産経新聞社自体がそんなことは忘れているのだろう。そもそも過去記事と矛盾したことを書きまくる産経新聞である。去年の2月に一面トップで「南京大虐殺完全否定論」をぶちあげていたが、かつては「南京虐殺30万から40万人説」を流していた。

慰安婦問題でも、植村隆さんの「女子挺身隊」と書いた記事を、口汚く罵るように批判する記事を書いていたが、自分の会社も金学順さんを紹介しながら「挺身隊」と書き、それどころか「強制連行」とさえ書いていたのである。http://lite-ra.com/2015/10/post-1626.html
1992年頃、日本では吉田清治氏の証言が信用できない事が認識され、韓国の挺対協でさえ疑わしいと書いていた(『証言 強制連行された韓国人軍慰安婦たち』93年2月)。ところが、産経は同年9月にその吉田さんの話を聞き「被害証言がなくとも、それで強制連行がなかったともいえない。吉田さんが、証言者として重要なカギを握っていることは確かだ。」と書いている。
自社でそんな事を書きながら、朝日新聞吉田清治記事を書いていたからと言って、やはり口汚く罵るように批判する資格が産経新聞社にあったのだろうか。まるで健忘症に患っているみたいだ。縮小版を造らないのは過去と照合されたくないからかも知れない。
植村さんに ”昔の自分の会社と歴史戦をしてくれ”と言われてしまうのも当然であると言えるだろう。

日韓関係が悪化したという。
その犯人がもしいたとしたら、それは自分の過去さえ無視して、「歴史戦」を煽って来た産経新聞社であろう。


その産経が他の右派らと共にこのところ力を入れていたらしいのが、「韓国がゴールポストを動かした」という首をかしげざるを得ない意見の拡大である。日韓関係が悪化したのは、韓国側の責任であり、日本こそ、そんな韓国に翻弄されて来た被害者だというスタイルで、安倍首相の擁護につとめている。

これが、妥結交渉前には日本政府閣僚によって語られていた。

交渉を有利にするための布石だったのだろうか?
こうした「韓国がゴールポストを動かした」説に対して朝鮮日報はこう書いている。



合意文に「最終的解決策」明記要求か

「日本が主張してきたのは(慰安婦問題についての)最終的解決だ」


 これは「安倍首相のスポークスマン」菅義偉官房長官が25日に記者会見で言った言葉だ。「最終的解決」とは簡単に言えば、今回合意したら再びこの問題を取り上げるなということだ。
読売新聞は「日本政府は、合意文書を交わす条件として慰安婦問題の妥結が『最終かつ不可逆』的なものであることを明記するよう(28日の韓日外相会談で)要求する」と報道した。

 日本はなぜ「最終的解決」という言葉にこだわるのだろうか。日本はずっと「韓国はゴールを動かしてきた」と言っている。「韓国が要求する最終的な合意点がどこなのかが明確でなく、国内の状況に応じて随時変わる」というのだ。
しかし、韓国政府は「これは日本側の一方的な主張だ」と反論している。

 日本が問題視している代表的な例が、金泳三(キム・ヨンサム)当時大統領の「慰安婦問題に関連して金銭的補償を要求しないから、歴史の真実を明らかにしよう」という発言(1993年)だ。
韓国が道徳的に優位に立ち、歴史問題を整理しようという発想だった。このため、日本は同年8月に「河野談話」で「慰安所設置・管理や慰安婦移送に日本軍が関与した」と認めた。
しかし、当時は河野談話に反発した日本の右翼が妄言を発し、両国の努力は水の泡になった。

 その後、金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相が「両国の未来志向的な関係」を強調し、あらためて歴史問題の整理を試みた。
日本は民間募金に政府予算を合わせた「女性のためのアジア平和国民基金アジア女性基金)」で問題を解決しようとした。しかし、元慰安婦たちは「法的賠償ではない慰労金(償い金)は受け取れない」と強く反発した。
日本側は「金銭的賠償は望んでいないといったのに、なぜ今になって金銭の性格を問題視するのか」と言ったが、元慰安婦たちが受け入れられない案はそもそも韓国政府が受け入れられないものだった。

 日本はまた、「1965年の韓日請求権協定で法的責任はすべて済んでいるのに、なぜ過去の話を何度も取り上げるのか」と言っている。だが、韓国政府は「請求権協定時は慰安婦問題が対象でなかったので、日本の主張は成立しない」としている。

東京=金秀恵(キム・スへ)特派員



日韓関係が悪化したという。
その犯人がもしいたとしたら、それは自社の過去記事さえ無視して、「歴史戦」を煽って来た産経新聞にその責任の一部があることは明らかではないか。