河野談話を守る会のブログ2

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強制連行と業者についての石原信雄の答え



強制連行の証拠を出せ」なんていうネトウヨがいる。
これに対する石原官房副長官の答えがこれ
後に文芸春秋に論文を書いた時にも、これを書けよ、という話である。


大沼保昭編 慰安婦問題という問い』 2007
河野談話時の官房副長官石原信雄の質疑応答の記録


           1、「強制性」という言葉

(強制性の文言について質問されて)

「彼女たちの証言内容から、決してためにする発言ではない、自分の体験として、強制によってその意に反して『慰安婦』にされたことが疑いようのない人が何人か出てきたわけです」「それを裏付ける通達とか指令とかいうような文書はどうしても出てきませんでした。そういうたぐいのものを文書に残すこともなかったでしょうから、消えちゃったんじゃなくて、もともと口頭指示でなされたんじゃないかとわれわれは推察している」 (p192~p193)
「当時の軍の関係者のヒアリングもしたのですが、その人たちもそんなことを文書で書くはずはないじゃないか、と(いうことでした)。将来問題になる可能性があるわけですから、もっともな話なんですけどね」
(p203)


「文書に残すわけないだろ」ということだ。


                   2、業者について

朴裕河がしきりに「これまで業者を無視されて来た」と述べているが、河野談話にさえ「徴集に当たっては業者が主に」と書かれているのに、無視されている訳が無い。いろいろな点で朴裕河には呆れてしまうのだが。


「強制性の立証については公の文書を調べ、そして最終的には本人の聞き取り調査を行うことになったということですが、おもに業者を通じた『慰安婦』たちの徴集が行われていたわけですね。・・業者からの聞き取りという選択肢はなかったのでしょうか」という質問を受けて

もちろん、業者がかかわったことは間違いない。ただ最終的な強制性認定のときに、業者の証言が役に立つかどうか、どこまで信頼できるかということをわれわれは危惧しておったんです。というのは、業者というのは社会的な信頼の高い人じゃないんですよ。この人たちが人間の尊厳にかかわるような問題のヒアリングの対象としてふさわしいかという問題があったわけです。業者の中にも聖人君子はいるかもしれないけれども、多くは社会的に信頼できないたぐいの人がああいう仕事をしておった。これはまぎれもない事実です。それに現実問題として、業者で証言してもよいと言っている人がいるという情報もなかった」
(p207ーp208)


慰安婦と戦場の性』の中で、秦郁彦はしきりに「業者を探しだすべきだ」 といちゃもんをつけていたが、これはその答えと言えるだろう。