韓国・ソウルの日本大使館前の慰安婦像をめぐり、韓国の有力紙が、「像を移転するべきだ」とする異例のコラムを掲載した。

 14日の韓国紙「東亜日報」は、「北朝鮮の核の危機と慰安婦像の移転」という論説主幹のコラムを掲載した。この中で、「北朝鮮の核実験で、日本との安全保障での協力は、切迫した課題になった」と指摘した上で、「日韓合意の精神と国際社会の基準に従って慰安婦像を移転し、日米韓の軍事協力を強化する必要がある」と訴えている。

 韓国メディアが慰安婦像の移転を主張するのは極めて異例で、背景には、北朝鮮への不安感と、北朝鮮に対する影響力を期待していた中国への不信感があるとみられる。

 ただ、慰安婦像を設置した市民団体は移転に応じない姿勢を崩しておらず、今月2日に発表された最新の世論調査でも、76%が「移転してはならない」と答えている。