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サンフランシスコ市長の大阪市長に対する返答


なぜ、この人たちが、民間人がやったことを政府や自治体などの権力機構が、アレコレできると考えているのか、が不思議である。慰安婦の碑を撤去することは、権力の乱用であり、不当介入であるとは思わないのだろか?
法治国家においては、法に従って権力の介入はなされるが、少女像を撤去するいかなる法律もない以上、撤去することはできないし、もししてしまえば民主主義ではなく独裁国家になってしまう。法治ではなく人治である。

これは韓国のソウルや釜山の少女像に関しても同様である。
民間がやっていることを勝手にどうこうすることはできない。
最近、右派は「ウィーン条約」を持ち出すことを覚えたようだが、ウィーン条約」の相手国公館の安寧と品位を守る責務を規定である第22条は、普通「過激なデモ」に適用されるのであって、「少女像の存在そのもの」に適用するというのは、右派論壇とそれに乗った安倍政権の解釈にすぎない。
芸術作品でもある少女像に適用することなどできやしない。

さて、この流れに乗って<慰安婦の碑>に関して大阪の吉村市長がサンフランシスコ市長に公開書簡を送った。
内容は、ざまざまな詭弁を使いながら、「慎重な対応を強く望む」としたものである。

気になる文章がいくつかある。
たとえば
「・・・・貴市における慰安婦像や碑文の設置の動きは本市にとってこの合意の精神を傷つけるものであるといわざるを得ず・・・・」

というのだが、これは「合意」に対する誤解である。拡大解釈としか言いようがない。
第一に「合意の精神」に「民間人に慰安婦の碑を造らせるな」などというものはない。そんなことは話し合ってさえいない。ソウルの碑について、日本政府が懸念を持っているというだけであり、ソウルに限定されており、かつ民間が造ったものに手を出せないことを知っている韓国政府は「努力する」としか言えなかったわけだ。
当たり前である。

これに対して圧力を加えている日本政府は、民間がやっていることに不当に介入させようとしており、韓国の民主主義を破壊しようとしているのである。

同様のことを大阪市長もしており、彼はサンフランシスコの市長が強権を発動して、碑を造らせないようにしたり、撤去したりすることを望んでいるのだろうか?

そんな事をしないのが民主主義社会なのだとは思わないのだろうか?

確かに日本では、権力者の思想によって、民間への不当な介入がなされることがある。大阪には<ピース大阪>の件もあるhttps://togetter.com/li/814919。だから彼らは、他の国もそういうことをすると思っているのだろう。

さて、これに対するサンフランシスコ市長の返事がなかなかすばらしい。


「サンフランシスコ市美術委員会の委員たちは、記念碑が成功裏に実現されることを監督する責任を持っていますが、記念碑の文言に関する公聴会での証言に耳を傾けました。
 あなたがきずかれたように、パブリック・コメントを考慮する公聴会で、いくつかの修正がおこなわれました。
 そして最後に、委員たちはそのテキスト(文言)は事実であるし、記念碑のまことの目的を伝えていると感じました。
 そのまことの目的とは、被害者の女性たちを敬い、この地球上のすべての国に影響を与えている問題である、永続している人身売買に関して市民を教育することです。
 選挙で選ばれた公務員として、コミュ二ティーに関して責任を負うことは私の義務であります。
 たとえそのことが批判に直面したとしてもです。」





翻訳は 『日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク』

2017年2月3日
吉村市長殿
 サンフランシスコ市の「慰安婦」記念碑に関して、あなたの関心を表明したこのような心のこもったお手紙をかく時間をおとりくださりありがとうございます。
 私は昨年8月のわたしたちの気持ちのいい面談に関する、あなたの記憶をわかちもっています。そして、わたしたちの二つの偉大な市の間の実りある積極的な姉妹都市関係を、なににもまして望んでおります。
 あなたがご存知のように、「慰安婦」記念碑は、戦争時の犯罪に対する賠償と正義を実現するために人生の幾年もの歳月をささげてきている、当地の活動家たちがつくっている連盟が先頭になっておこなってきた、民間で資金がまかなわれているプロジェクトです。これらの人たちの要望は、先例のないものではありませんでした。
 サンフランシスコ市は歴史上もっとも暗黒な時のいくつかを記念し、平和と和解をよびかける民間による資金でたてられた記念碑をもっています。
 私は日本がこれらの過去の行為に対する償いをするためにおこなってきている努力を認め、敬意を持っていますが、歴史はしばしば大変パーソナルなものであります。
 「慰安婦」正義連盟のメンバーたちは、彫刻の記念碑を通して被害者たちを尊ぶことが、かれらの義務だと感じています。私はかれらがよき意図をもっていることを信じておりますし、かれらの意図はサンフランシスコ市と大阪市との関係を乱すことではないと信じております。
 わたしたちは当地のコミュ二ティーによる行動の呼びかけに応えて、わたしたちの独立した選挙によって選ばれた市・郡議会議員たちが、「慰安婦」正義連盟の大義に賛成する、サンフランシスコ市に記念碑を設置する決議案を全員一致で採択いたしました。
 碑文の文言は、その一部が、採択された決議文から引用されたものですし、わたしたちはあなたがすでにみていたものと信じております。
 サンフランシスコ市美術委員会の委員たちは、記念碑が成功裏に実現されることを監督する責任を持っていますが、記念碑の文言に関する公聴会での証言に耳を傾けました。
 あなたがきずかれたように、パブリック・コメントを考慮する公聴会で、いくつかの修正がおこなわれました。
 そして最後に、委員たちはそのテキスト(文言)は事実であるし、記念碑のまことの目的を伝えていると感じました。
 そのまことの目的とは、被害者の女性たちを敬い、この地球上のすべての国に影響を与えている問題である、永続している人身売買に関して市民を教育することです。
 選挙で選ばれた公務員として、コミュ二ティーに関して責任を負うことは私の義務であります。
 たとえそのことが批判に直面したとしてもです。
 私はわたしたちがより深い理解と相互の尊敬をもち、姉妹都市としての60周年にはいることができることを、心から希望しております。
 そして、わたしたちそれぞれの市民を豊かにし、益となる市民と民衆ー民衆間のたくさんの交流を強く支援していくことを、心より希望しております。
 私はわたしたちの偉大な(ふたつの)市を強め、益をもたらす将来の努力にわたしたちの目をむけることを期待しております。そして、世界の国々が競い合う例として、わたしたちの努力がわたしたちの市を高めていくことを期待しております。



日本ではこれに対してまた偏見に染まったネトウヨたちがブーこら云うのだろうが。