河野談話を守る会のブログ2

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萩生田光一 官房副長官は、「ゴールポスト」をずらすな!


今年1月7日の記者会見で、萩生田光一 内閣官房副長官はこう述べていた。


「今後、この合意にそって韓国側において適切に解決されるように努力されるものだと認識しておりまして、この像がすべての交渉の前提であるという認識では、我々も、ございませんので、それは党も御理解いただけるものと思います。」

自民党をなだめた格好だったが、実は安倍が稲田に発言させたのではないかという疑惑がある)




【2016年1月7日午前】



以前文字起こししたので再掲しておこう。リンクを読めば背景の事情も分かると思う。




平成28年1月7日(木)午前
萩生田光一内閣官房副長官による記者会見 (文字起こし)
6:17~

かねとも  「共同通信の兼倶です。今慰安婦問題についてお話がありましたけれども、昨日自民党で開かれた会合では、ソウルの日本大使館前の慰安婦像の撤去を日本政府側が約束した10億円の拠出の条件とすべきだという意見が相次いだようです。
こうした党の声を受けて政府としては何らか対応するお考えがあるのか? 受け止めを、お聞かせください。」

荻生田  「昨日の自民党の部会でのやりとりについては、一部報告を受けておりますが、必ずしも、今ご質問のような単純な質問では(クス笑い)なかったと承知いたしております。今回の合意は岸田大臣と尹長官が共同記者会見の場で発表した内容につきるものでありまして、それ以上でもそれ以下でもありません。
その上で申し上げれば、在韓国の日本国大使館の前の少女像につきましては、これまでも数次にわたり、我が方から早期に移転する事を求めて来た経由がございます。今回の合意においては、韓国側から日本政府が懸念している事を認知し、韓国政府として適切に解決されるように努力するという表明がありました。今後、この合意にそって韓国側において適切に解決されるように努力されるものだと認識しておりまして、この像がすべての交渉の前提であるという認識では、我々も、ございませんので、それは党も御理解いただけるものと思います。」

かねとも 「共同通信の兼倶です。関連でその10億円の拠出の時期につきましては現時点では見通しはいかがでしょうか?」

荻生田  「この10億円の拠出につきましては韓国側に新たな 財団法人を設立し、そこの○○金という形で拠出すると 日韓で話し合いを続けておりますので、まみずで突然韓国に渡すという性質のものではございませんので、今後その時期や目的、使い道について含めて日韓両国の関係者で協議の上にスタートする予定でございますので、時期についてはまだ明確にお答えできる環境にございません。」


ところが、萩生田は4月27日の記者会見では、産経記者の質問に答えてこう述べた。

(それにしても、産経記者、滑舌が悪すぎる上に「まあ」が多すぎる。質問の論理性が保たれておらず、その代わりのつなぎが「まあ」なので何を聞きたいのか?今一分からない。
そういうわけで一応文字起こししたが、よく聞き取れていない部分もあるのでご了承いただきたい。)



【2016年4月27日午前】


平成28年4月27日(木)午前
萩生田光一内閣官房副長官による記者会見 (文字起こし)
4:30~

産経新聞の(多分、野口?) 「産経新聞の野口?です。話題が変わって慰安婦問題についてなんですけど。朴ユネ大統領は韓国メディアとの交換会で日韓合意について、大使館前の少女像の撤去と結びつけられているけれど 日韓合意ではまったく言及されていない問題で、このような議論は被害者のためにならない、と述べたようですけど、まあ少女像の撤去が財団の出資金前提条件という意見もありますけどこれをけん制した形がするんですけど、 まあ政府の受け止めと、まあ改めて政府の履行がまあ●●いる状況だと思うんですけど、あのー政府としての考えを、あのー教えてください。」

荻生田  「あのー昨日の報道については承知しております。えー今回の合意におきまして韓国側は日本政府が大使館前の少女像に対して懸念を持っていることを認知し、韓国政府として適切に解決されるよう努力するとなっております。あの、他方合意の前提かということになると、そういう細かいことを確認し合ったわけではなくて、この問題を最終的かつ不可逆的に次世代に引きずらないと、お互いに日韓で新時代の新しい関係を築いて行こうというのが日韓合意の大きな意味でありますから、そういう意味では、細かいことの一つとしてそういう事も含まれているという風に私は認識をしております。韓国側も国民説明に努力をしている段階でありますので、両首脳間で確認した通りですね、日韓それぞれが今回の合意を責任を持って実施することが重要だと考えております。

(なぜ、新しい関係を築いて行くのに平和の碑の撤去が必要だと考えるのだろうか?その辺も謎である。むしろ「慰安婦の碑」は加害国である日本にこそ建てるべきものである)

微妙に変化させており、今回は「前提ではない」としながら、「そういうことも含まれている」としている。もはやこの連中には何を言っても馬耳東風なのだろうが、それにしても酷すぎる。「合意」に含まれていれば、履行しなければならない。「含まれている」というのは、履行しろと圧迫しているのである。

こんな連中を信用できるわけがない。「日本丸」の舵を任せて、我々の生命や財産、子孫たちの未来を任せられるのは危険すぎる話だ。すでに10兆円だか、20兆円だかの公的資金アベノミクスが上手く行っているフリをするために株につぎ込み、穴をあけている。今後もそういう事が続いて行くのだろう。この嘘つき政権の下では。

私は認識をしております」と萩生田が述べているのは、韓国政府や国内報道に何か突っ込まれた場合に、逃げ道を開けているのであろう。何か有った時に「あれは私の個人的な意見だった」と言逃れできるからだ。こういうのだけはしっかりしてるんだよね、この人達。日本政府代表としての公式記者会見の場で「個人的意見」を述べたとしたら、それ自体が不適切というしかないのだが。

日本政府がゴールポストをずらして来た歴史は長く、包括的である。
かつて日本政府は 「われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」 と日本国民と世界に対して約束したのである。河野談話はとくに韓国に限定して出した談話ではないが、すでに名乗り出ていた韓国の多くの被害者たちも、期待をもって聞いていたに違いない。
ところがこのような約束しておきながら、日本政府は全ての歴史教科書から、慰安婦に関する記述を消そうとして来た。歴史教科書攻撃の先頭をきっていたのが、安倍議員である。そしてその安倍が官房長官になったころから、急速に歴史教科書から記述が消えて行った。

ひところ、「韓国がゴールポストをずらす」という国会での安倍首相発言や産経新聞の報道があったが、実はゴールポストをずらしまくって来たのは、日本政府の側である。河野談話の約束だけではない。首相の手紙の約束はどうなったのか?さらに謝罪した後から後から、閣僚の妄言が飛び出し、謝罪を無意味にして来たのが「慰安婦」問題の歴史である。

その日本政府に今日君臨しているのは、「河野談話吉田清治の嘘を根拠にしている」とか「(元慰安婦が)嘘をついていたということも明らかになった」と公言していた安倍であるhttp://peacephilosophy.blogspot.jp/2015/07/blog-post_11.html。いつのまにか言い分を少しづつ変えて行き、前者は言わなくなり、後者は「辛酸なめた」とか同情するフリをする事を覚えたらしい。その嘘つき政権の一員がこの萩生田光一 内閣官房副長官なのだということを今回再確認した。

それにしても、いい加減「少女像」と呼んでないで、政府としては「平和の碑」という正式名称で呼ぶべきである。まっ馬耳東風だろうが・・・・。