河野談話を守る会のブログ2

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慰安婦陰謀論の世界

 

 

ここでいう陰謀論とは、「根拠が乏しいにも関わらず誰か、あるいは何らかの組織が謀略を企て、その結果こうなった」という、妄想的世界観をいう。その組織などへの反感や憎悪が伴いやすい。
長州藩士らは倒幕の謀略をした」と誰かが書いてもそれはただの歴史的事実であって陰謀論ではない。世界には様様な陰謀も有りうるだろう。しかし、様様な陰謀妄想も有りうる。
誰かが何かの陰謀を企てる場合、陰謀を企てた会議などがなされ、発言がなされ、誰かによる実際の行動がなされ、あるいは報告書が作成されるなどするだろうが、陰謀論にはこうした資料はまったくと言っていいほど存在しない。こじつけた解釈があるだけである。(*注)時折「シオン議定書」のような捏造された根拠が出てくる事がある)
慰安婦陰謀論」と当会で名づけたものは、1992年に『憲友』に掲載されたものに始まり、ほとんどまったく根拠を提示しないまま、北朝鮮朝鮮人)、韓国、中国・・などが「日本を貶めるための謀略を企てた」というような主張になっている。

 

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慰安婦問題は北の思想に共鳴するか組織的つながりをもっている人々がやっている(藤岡信勝

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     『歴史教科書との15年戦争』1997-8 p134~p138
 
「韓国の大学教授に聞いた」という触れ込みだが、ほとんど藤岡の意見だろう。
 
藤岡信勝は、『現代教育科学』1996-11号では、慰安婦問題は「端的に言ってこれは国際的な勢力と結びついた壮大な日本破滅の陰謀なのである」と救いようのない陰謀論を吐露している。
 
そしてこの延長にあるのがコレだ。↓
 
 
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  ②中国共産党の国際的反日謀略 北朝鮮も加担(西岡力

 

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          P64~p65
 

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        p70~p71
『正論』2013-5「反日国際ネットワークの新たな策謀」江崎道朗 西岡力
 
 ここでは、「慰安婦問題で世界中に批判にさらされてきた背景」には「中国共産党の国際的反日謀略」なるものがある事になっている。その国際謀略に北朝鮮も加担したのだそうだ。
 
 
 
 
 

       ▽▽▽ 責任転嫁するために生じる世界観

 

 右派は陰謀論が好きである。

古谷経衡は菅野完との対談で、

「これが自称保守かよ……」という幻滅の連続でした。単に差別主義者、トンデモ陰謀論好きのオッサンたちが愚痴をこぼしているだけ。最近ではユダヤ陰謀論、国際金融資本陰謀論なんてのも、もう何度目かわからないですけど、流行っているようです。到底、表現や言論の場ではありませんでしたね。

 

とその差別者ぶりと陰謀論好きを語っている。https://blog.goo.ne.jp/root41_1942/e/469334e8c2ab3a9b30c1e05f63a2d1d4

国粋主義者のネット放送・チャンネル桜に長年参加し、『正論』や『WILL』に寄稿してきた古谷経衡は、若いころ小林よしのりの「ゴー宣」に洗礼を受け、彼自身が慰安婦問題否定論を述べていたこともある。しかしやがて渡辺昇一の著作を批判するなどして右派離れするようになった。

 

 では彼らはなぜ、陰謀論的な発想をするのだろうか?

2018年の9月頃、『慰安婦の真実国民運動』の藤井実彦が台湾の慰安婦の碑に対して、足でそれを蹴るパフォーマンスを行った。ところがその様子が防犯カメラに捉えられており、台湾の全国放送ニュースで流れたから大変である。

9月11日、『慰安婦の真実国民運動』はFBで、現在調査中とする文章を載せたがこれについたコメントがコレだ。

 

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藤井が勝手に慰安婦像を足蹴にした行為が、なぜか中共の罠に飛び込んで」という事になっている。一体、中共の誰がどのように罠を張っていたのだろうか?もちろんそんな根拠はどこにもないわけだが、この発想が上記西岡の主張にあるような「中国北朝鮮の謀略」の延長上にあることは言うまでもないだろう。
さらに言えば「日本は中国に戦争に引きづりこまれ、米国に太平洋戦争に引きづりこまれた」という彼らの歴史陰謀論に似ていることにも気づく。
こういった発想は非常に安易であり、問題を誰か別の存在の責任にすり替える発想である。
 
藤井が勝手に慰安婦像を足蹴にした行為は明らかに藤井に責任がある行為であり、藤井を台湾に派遣した『慰安婦の真実国民運動』にも幾分かの責任があるだろう。ところが「中共の罠」という陰謀論解釈はその責任を転嫁し、緩和する。

同様な意味で、「日本は中国に戦争に引きづりこまれ、米国に太平洋戦争に引きづりこまれた」という陰謀論は、戦争を引き起こした大日本帝国の責任を転嫁し緩和するものであり、「中国や北朝鮮が日本を貶める謀略を企て」という考え方は慰安婦問題への日本の責任を転嫁し緩和しようとする試みと言えるだろう。

      
 
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慰安婦問題は日本赤化革命を狙う左翼の思想謀略だ。半島民族が将来日本侵略を企てている (元憲兵



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(『憲友』1992年春号)
 
慰安婦として金学順さんが実名で名乗り出たのが、1991年8月である。それから、すぐにフィリピンや台湾の人達が呼応し名乗り出て、慰安婦問題は国際的な広がりを持つようになった。
しかしこの元憲兵の人には、そうした広がりは見えなかったらしい。
慰安婦問題は「半島民族の日本ゆすりたかり」であり「日本侵略を企図する野望」であり、「日本赤化革命を狙う左翼の思想謀略戦」という事になっている。何の証拠もないにも関わらず。
 
 
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⑤「中国は膨大な資源と時間を性奴隷のペテンにつぎ込んできた」「中国は日本に情報戦をしかけて日本を弱体化させる情報戦争をしかけ」「性奴隷はデッチアゲ 中国の毒エサ 膨大な資金をバックに中国が・・」マイケル・ヨン

 

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慰安婦の真実』マイケル・ヨン

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慰安婦の真実』マイケル・ヨン

2014年11月1日の産経新聞は「著名な米国のジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査に本格的に取り組み始めた」として、マイケル・ヨンを紹介した。しかし映画『主戦場』の中で、インタビューされたケネディ日砂恵は「日本に有利な記事を書いてもらうために6万ドルを渡した」と苦し気に告白している。
 
 
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簡単に言えば「●●にハメられた」というのが、右派の陰謀論である。
戦前は、「コミンテルンや米国にハメられ戦争にひき釣りこまれた」
現在は、「中国や北朝鮮や韓国にハメられている」
こんなハメられまくる歴史観は私は嫌だし、根拠は無いし・・・で、この手の被害妄想を信じる要素が私には存在しないが、信用してしまう人もいるらしい。