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日本人にとっての「愛国」とは何か?=日本人は「お国自慢」が大好き

 

 

明治時代中期に日本にやってきて、普通の外国人が行かないような奥地まで旅をしたイザベラ・バードは、案内役兼通訳の日本人男性・伊藤についてこう書いている。

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『日本奥地紀行』23信

愛国心が彼のもっとも強い感情であろうとであると思われる。スコットランド人やアメリカ人を別にして、こんなに自分の国を自慢する人間に会ったことがない

 

 

 

世界中を旅したイザベラが「こんなに自分の国を自慢する人間に会ったことがない」というほどのお国自慢とは、どんなのだろうか?

 

それから約50年後、永井荷風も日記にこう書いている。

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荷風全集第25巻(断腸亭日乗)』永井宗吉

(p126~127)

日本人の愛国は田舎者のお国自慢に異ならず。その短所欠点はゆめ〰口外すまじきことなり。歯の浮くような世辞を言うべし。腹にもない世辞を言へば見す〰嘘八百と知れても謗るものなし。此国に生まれしからは、嘘で固めて決して真情を吐露すべからず。

 

嘘で固めてお世辞をいうのが、日本人にとって「愛国」だというのだ。

 

なるほど、人間の性向というものは変わらないものだ。

多少、デマが入っていても関係ない。国を褒めておけば、嘘でもOKなのだ。

そういうわけで愛国者さんたちは、朝日新聞のデマは許せないが、産経新聞の(愛国)デマは問わないのである。

21世紀の前半、我々はテレビや雑誌で外国人が日本を褒めまくったり、インターネットの中のネトウヨたちが日本を賛美し、他国を貶め続けるのを見ている。

毎日のように、自尊心をくすぐる日本スゴイ情報が流れては消えていく。

彼らによれば、日本は経済もうまく行ってるし、外交もうまく行っている、戦前も悪いことは何もしなかったという事になるのだが、それは荷風のいう「田舎者のお国自慢」であろう。

 

 だから「美しい国(柄)」という言葉が、流行病のように増えるのは日本的なお国自慢では当たり前なのだ。

今日の自国を「美しい国」と称える本 

 

戦前の 自国を「美 しい国」と称える本

大日本帝国には「日本ヨイ国」とか「天下無敵の関東軍」などと自慢げな言葉も蔓延していたのである。

 

 

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 戦前の「日本ヨイ國」

 

 

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 現代の日本スゴイ本たち(一部)

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ところで上記のイザベラの文章で、伊藤は「女性の知能を軽蔑する」と書いているのが興味深い。現在の国粋主義者の中にも極端なセクシストが存在するからである。