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米国でラムザイヤー論文の問題点を指摘している歴史学者グループの一人SayakaChatani氏による連ツイ

 

 

米国でラムザイヤー論文の問題点を指摘している歴史学者グループの一人SayakaChatani氏による連ツイを紹介。
ラムザイヤー論文がいかに資料の恣意的引用、歪曲を行っているかよく分かる。
そういう点ではイヨンフンらと同様である。
決して専門家とは言えないが、それなりに「慰安婦」問題について知っていたイヨンフンとは異なり、まったく門外漢のラムザイヤーに論文を書かせるためにわざわざ英文の(ネトウヨblogのような)無名ブログが必要だったのだろう。
その無名ブログを引用しながらラムザイヤー論文は、『反日種族主義』のイヨンフン論文に似た論理展開をしている。文玉珠さんを「高額報酬説」の根拠にし、「慰安婦は売春婦である」と主張し・・・と言った具合だ。
そしてそのいずれも1990年代から右派政治家とその息のかかった右派論壇が、慰安婦問題を否定するために繰り返し主張してきた内容なのだ。資料を恣意的に捻じ曲げる方法論まで同じである。
いずれにせよ、ラムザイヤー論文によって問題は大きくなり、これまで「慰安婦」問題に無関係だった研究者の関心を集めるようになった。
 
私の関心は、誰が、またどのように、彼ら”ラムザイヤーやイヨンフン”らに結局は彼ら自身の威信を地に貶める論文を書かしめたか?である。それが明らかになる時、日本軍「慰安婦」問題は新しい光を得るだろう。
 
マイケル・ヨンには、右派からかなりの金額が渡されていたが(映画『主戦場』のインタビューによる)、

「映画とネット情報を融合させてみました」主戦場 Einsteinさんの映画レビュー(感想・評価) - 映画.com

慰安婦陰謀論の世界 - 河野談話を守る会のブログ2 似たような構造が考えられる。そのマイケルヨンも「無名ブログ」は掲載している。

 
 
 
(註1 「R氏」はラムザイヤー氏のこと)
(註2 「4-1. 」は時系列は違うが適切な位置に置いた)
(註3  ラムザイヤー論文で引用されている「無名のブログ」はこのブログである=https://scholarsinenglish.blogspot.com/2016/04/korean-comfort-station-managers-diary.html

scholarsinenglish.blogspot.com

 
(註4 米歴史学者グループの指摘はこれ
 
 
          SayakaChatani氏のツイート 
 
1. 主旨は、学問・研究上の不正を理由とした撤回要求。解釈やロジックの前に、ラムザイヤー氏が挙げた証拠の殆どは、出典資料の元の意味が影も形もないくらい編集歪曲をしたもの、出所のわからない無名ブログ、全く関係のない史料である。明らかにこれは「研究」・「査読論文」であるべきでない。
 
2. まず最初に、論文は朝鮮人慰安婦が「契約」を自らの意志で受容し、その契約内容の駆け引きをゲーム理論の言葉で説明するという主旨であるにも関わらず、論文のどこをみても朝鮮人女性との契約の実例、サンプルともに示されていない。(Gordon/Eckertの指摘通り。)
 
3.資料の誤った記述がヒドイ物を挙げると、山崎朋子の「サンダカン八番娼館」に出てくるからゆきさん、おサキについて:R氏はおサキが「10歳でも娼婦がどんな職業であるか理解し」ていて「騙されたわけではない」というが、書籍を確認するとそれとは真逆のおサキの証言を山崎は書いている。
 
4.おサキの証言ではいくら働こうが賃金は変わらなかったことが示されており、R氏のいう一生懸命働く動機付けのために早く「年季」を終わらせるシステムがあったという主張と矛盾する。その他色んな点を無視し、R氏は架空の「おサキの経験」を戦中の慰安婦に当てはめ「自発的」契約の根拠としている。
 
4-1. 文玉珠の証言について:文玉珠の証言は日本語で書籍が出ているにも関わらず、それを参照せず無名ブログの、明らかに編集され文脈から切り取られた英訳をさらに編集して引用している。(スレッドから外れてたので再Tweet
 
5.さらにR氏は文玉珠が多額の貯金をしたことを強調しているが、R氏自身もそれが「チップ」で得たお金であり、契約時に期待できた収入ではないことがはっきりしており、これと「信憑性のコミットメント」とどういう関係があるのか、不明である。
 
6.文玉珠の証言では、2回騙されて慰安所に連れられている。証言の一部引用するならば、証言を全部読んで理解する必要があったのではないか。
 
7. 米軍資料の選択的引用の問題:よく右派が書くように米軍が1944年ビルマミャンマー)で捉えた朝鮮人慰安婦の尋問レポートを「契約」の根拠としている。確かにレポートは「契約」があったことを示しているが、その内容は「性行為」ではない。原文は次の通り:
 
8. "The nature of this ‘comfort service’ was not specific but it was assumed to be work consisting of visiting the wounded in hospitals, rolling bandages, and generally making the soldiers happy."
 
9. もう一つ米軍1945年のレポートをR氏は慰安所が衛生目的であったことを示すために用いているが、そこには同時に、戦況悪化のために慰安婦を含めて誰も帰還を許されなかったことが明記してあり、R氏の「慰安婦は自由に帰れた」という主張と矛盾する。
 
10.「慰安所管理人日記」は研究者にはおなじみの日本語仮訳版があるにも関わらず、文玉珠証言の時と同じ無名のブログを利用、そこからまた別のウェブリンクへ繋がされ、誰が訳したか分からないCh'oe Kil-songの著作一部の英訳を出典としている。なぜこれほど日本語文献を避けるのか?!
 
11.さらにCh'oe Kil-songのその英訳の内容をも勝手な選択的引用をし「慰安婦から送金受領を知らせる(複数の)電報を受け取った」と日記に書かれていないことまでR氏は書いている。
 

 

                         (BY堀家)

『反日種族主義』批判 ファクトチェック 「女子挺身勤労令」は朝鮮では施行されていない?

 

 

 
 
反日種族主義』批判 ファクトチェック 「女子挺身勤労令」は朝鮮では施行されていない?
 
 
 

「1944年8月、日本は「女子挺身勤労令」を発布し、12歳から40歳の未婚女

性を軍需工場に動員しました。ただし、この法律は朝鮮では施行されませ

んでした」(p266)

とイ・ヨンフンは書いている。

 

 

   (『反日種族主義』p265,266)

 

 

 

 

2008年の論文でイ・ヨンフンは「・・・日帝は、44年8月に「女子挺身勤労令」を発動して、12歳から40歳の未婚女性を産業現場に強制動員する。だが、この法令は日本人を対象としており、植民地朝鮮では公式に発動されなかった」と書いていたが、少し表現を変えたようだ。

(「国史教科書に描かれた日帝の収奪の様相とその神話」小森陽一編『東アジア歴史認識のメタヒストリー「韓日、連帯21」の試み』p97)

 

この『反日種族主義』では「施行されませんでした」にしている。

 

しかし、金富子(東京外国語大学総合国際学研究院(国際社会部門・国際研究系)教授)は、「女子挺身勤労令は1944年、8月22日に、勅令519号として日本と朝鮮で同時に公布、施行されました」と書いている。

(『朝鮮人慰安婦」と植民地支配責任』P19)

 

さて、どちらが正しいのか?

 

そこで勅令519号を確認したところ、どこにも内地限定にする文言がないばかりでなく、<第二十一條>でこう書かれている。

 

第二十一條 本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督、臺灣ニ在リテハ臺灣總督トシ地方長官トアルハ朝鮮ニ在リテハ道知事、臺灣ニ在リテハ州知事又ハ廳長トシ市町村長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹(京城府ニ在リテハ區長)又ハ邑面長、臺灣ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)トシ國民勤勞動員署長トアルハ朝鮮ニ在リテハ府尹、郡守又ハ島司、臺灣ニ在リテハ市長又ハ郡守(澎湖廳ニ在リテハ廳長)トシ都道府縣トアルハ朝鮮ニ在リテハ道、臺灣ニ在リテハ州又ハ廳トス

 

(第21条 本令中厚生大臣とあるは、朝鮮に在りては朝鮮総督、台湾に在りては台湾総督とし、地方長官とあるは、朝鮮に在りては道知事、台湾に在りては州知事又は庁長とし、市町村長とあるは、朝鮮に在りては府尹(京城府に在りては区長)又は邑面長、台湾に在りては市長又は郡守(澎湖庁に在りては庁長)とし、国民勤労動員署長とあるは、朝鮮に在りては府尹、郡守又は島司、台湾に在りては市長又は郡守(澎湖庁に在りては庁長)とし、都道府県とあるは、朝鮮に在りては道、台湾に在りては州又は庁とす。)

 

附則

本令ハ公布ノ日ヨリ之ヲ施行ス

 

 

 

 

 

なるほど、これは朝鮮半島や台湾にも公布・施行している。 「本令中厚生大臣トアルハ朝鮮ニ在リテハ朝鮮總督・・・」と書いてあるのは、この勅令を朝鮮でも公布することが前提だからである。

 

結局、イ・ヨンフンは自分で資料を読んでおらず秦郁彦の書いたものを鵜呑みにしているのであろう。

 

こうした鵜呑みはイ・ヨンフンだけではなく、イ・ウヨンやチュ・イクジョンの論じる内容にも見られる。ほとんどが日本の右派・・・要するに産経新聞や「正論」誌、WILLなどに書かれている論文、特に西岡力秦郁彦の受け売り・鵜呑みか、多少変形しただけの内容が多い。

 

「私の立場は、これまでの歴史研究における方法論を批判、反省するという意味合いを強く持っている。」とイ・ヨンフンは述べているが

https://www.j-cast.com/2019/11/21373279.html

元史料を確認せず、ファクトを日本の右派に追従するという方法論が「批判、反省するという意味合い」らしい。

 

    (当会、堀家のブログから転載)

西岡力の「韓国・北朝鮮」「労務動員」に関する論説を概観する

 

 

西岡力の「韓国・北朝鮮」「労務動員」に関する論説を概観する
       ★ 韓国・北朝鮮を敵にしようという西岡力
2000年に刊行した『金正日金大中 南北融和に騙されるな』で「金正日不快感を与える外交を」と主張した西岡力は、
 
 2005年の『韓国分裂』では「金日成は悪という認識で連帯を」と主張した。
 
 2017年の 『ゆすり、たかりの国家』では
ヒトラーより危険金正恩
「「拉致カード」で北朝鮮追い込め
スターリンを真似て夢見る文在寅
など・・何言ってんのレベルの言葉が並ぶ。
西岡のこうした言説は、ただの北朝鮮・韓国パッシングではない。
自分たちが歪曲してきた歴史に関する正当化のための言説であり、前回指摘した「慰安婦陰謀論」を形つくっている。
朝日新聞「日本人への大罪』2014では、北朝鮮の工作機関は日韓が和解しないように継続的に介入してきた」「北朝鮮と韓国内従北差はは反日を利用して反韓自虐史観を韓国内に拡散する政治工作を成功裏に進めてきた」(p216-7)という。こうして北朝鮮が韓国の歴史戦の背景にあるという主張を繰り広げている。ネトウヨのように韓民族そのものを敵視していると言い換えてもいいだろう。
 
もう政治扇動家というしかないが、この人、安倍5人組の一人であり、安倍に徴用工のことを「労働者」と言わしめた人物である。
きわめて政権に近い人物が、「対立扇動家」であるということが我が国の不幸である。
ちなみに西岡力は、第一回日本会議中央大会に参加し、拉致問題で講演している。日本会議、安倍政権と自民党産経新聞と『正論』などの歴史認識を形成するキーマンの一人である。
            ★★
数年前、東京基督教大学を辞め(クビという噂もある)麗澤大学客員教授になった。モラロジー研究所理事長、麗澤大学第3代学長の廣池幹堂は日本会議の代表委員の一人である。
西岡は客員教授のほかに、「公益財団法人モラロジー研究所教授 歴史研究室長」という肩書もついている。これはいわいる彼らの「歴史戦」をやるための転職で、歴史認識問題研究会というグループをさっそく造っているのだ。
疑似歴史学会というべきものだが、<顧問>に歴史学者伊藤隆がいる。ただし名前があるだけで何一つ論文を書いていない。「新しい歴史教科書をつくる会」を高評価した博士論文を書いたばかりの長谷亮介の名前にも<事務局次長>という肩書がついている。
後は日本会議関係人物が並んでいる。
<副会長>高橋史朗麗澤大学大学院特任教授
<事務局長>勝岡寛次明星大学戦後教育史研究センター
<事務局次長>長谷亮介
<監査>島田洋一福井県立大学教授
<顧問>伊藤隆東京大学名誉教授(
<顧問>櫻井よしこ:ジャーナリスト
<顧問>田中英道東北大学名誉教授
<顧問>渡辺利夫拓殖大学学事顧問・前総長
 
この歴史認識問題研究会ー会報第3号歴史認識問題研究』(2018114)では徴用工特集「朝鮮人戦時動員に関する研究」なのだが、ここで西岡が書いた論文は例によって、徴用された朝鮮人の苦痛を打ち消すために2つの史料が使われている。
一つは①在日朝鮮人関係資料集成第5巻』p50-53「逃亡セル集団移入半島徴用工員の諸行動に関する件』の「金山正損の手記」でもう一つは②朝鮮人徴用工の手記』忠海(チョンチュンヘ)(1990初版)だ。
実はこの二つの史料は、西岡の論文・著作の定番で、
『日韓歴史問題の真実』2005 
朝日新聞「日本人への大罪』2014
『正論』2019-3増刊「歴史戦 虚言の韓国 捏造の中国
『歴史を捏造する反日国家・韓国』2019
でも、使われている。
 
文章もほとんど同じなのだが、『日韓歴史問題の真実』朝日新聞「日本人への大罪』『正論』2019-3増刊「歴史戦 虚言の韓国 捏造の中国では「逃亡セル集団移入半島徴用工員の諸行動に関する件』の「金山正損の手記」の引用元を『在日朝鮮人関係資料集成第4巻』にしていた。
正しくは「第5巻」である。昔読んだ時には、随分雑な資料の扱いをする人だな、と思ったが、歴史認識問題研究』(2018114)では訂正されている。そこだけが進化というものだろう。
しかし、同じ事ばかり書いていて、よく読者は怒らないものだ。
 
         ★★★
 
資料解説も杜撰である。
   
西岡は「金山正損の手記」を「朝鮮人徴用工の姿をよく示す資料」で、「高賃金、軽労働の飯場生活」などの見出しを立て、これを根拠に「「反日日本人」は、実態を知らないでやみくもに日本批判を展開する韓国の主張を根拠として日本批判を展開する。歴史を歪め日韓の真の友好を妨げている元凶というべきだ」などと主張している。(歴史認識問題研究』3号)
 
しかし、この資料は徴用された人が逃げ出した先で、同じ朝鮮人に出会い、そこは好待遇だったというだけの史料である。あくまで逃げた先での話であり、労務動員の実態に迫る資料とは言えない。
 
もう一つの忠海朝鮮人徴用工の手記』の方は、職場恋愛をしたり、職場の近くに海が近くにあり海の幸をとって宴会したことが好待遇の根拠のように述べているが、職場恋愛の話も海の幸の話も偶発的な出来事である。また不倫関係を誘うのが日本女性であり、しかし親しくしていた本人を誘うのではなく、本人の友人(朝鮮人)に打ち明け、仲介を依頼する、さらに別れるときも特にモメて愁嘆場を演じることなく簡単であり、どうもリアリティの乏しい話が続く。「夜出歩くのが自由だった」という話もこの著作にしか存在しない話である。
 
一つの歴史事象について、できるだけ多くの歴史資料を集め、資料批判をして使うのが歴史学的探究法だが、2つの資料だけを繰り返し使うのはただの政治プロパガンダに過ぎない。他人に「実態を知らない」などと嘯くのは、もう少し広範囲に探究してからしたらどうなのか。
 
 
 
 
*注 (西岡は櫻井よしこらの国家基本問題研究所研企画委員兼研究員でもある)

慰安婦陰謀論の世界

 

 

ここでいう陰謀論とは、「根拠が乏しいにも関わらず誰か、あるいは何らかの組織が謀略を企て、その結果こうなった」という、妄想的世界観をいう。その組織などへの反感や憎悪が伴いやすい。
長州藩士らは倒幕の謀略をした」と誰かが書いてもそれはただの歴史的事実であって陰謀論ではない。世界には様様な陰謀も有りうるだろう。しかし、様様な陰謀妄想も有りうる。
誰かが何かの陰謀を企てる場合、陰謀を企てた会議などがなされ、発言がなされ、誰かによる実際の行動がなされ、あるいは報告書が作成されるなどするだろうが、陰謀論にはこうした資料はまったくと言っていいほど存在しない。こじつけた解釈があるだけである。(*注)時折「シオン議定書」のような捏造された根拠が出てくる事がある)
慰安婦陰謀論」と当会で名づけたものは、1992年に『憲友』に掲載されたものに始まり、ほとんどまったく根拠を提示しないまま、北朝鮮朝鮮人)、韓国、中国・・などが「日本を貶めるための謀略を企てた」というような主張になっている。

 

         ▽

慰安婦問題は北の思想に共鳴するか組織的つながりをもっている人々がやっている(藤岡信勝

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     『歴史教科書との15年戦争』1997-8 p134~p138
 
「韓国の大学教授に聞いた」という触れ込みだが、ほとんど藤岡の意見だろう。
 
藤岡信勝は、『現代教育科学』1996-11号では、慰安婦問題は「端的に言ってこれは国際的な勢力と結びついた壮大な日本破滅の陰謀なのである」と救いようのない陰謀論を吐露している。
 
そしてこの延長にあるのがコレだ。↓
 
 
          ▽▽

  ②中国共産党の国際的反日謀略 北朝鮮も加担(西岡力

 

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          P64~p65
 

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        p70~p71
『正論』2013-5「反日国際ネットワークの新たな策謀」江崎道朗 西岡力
 
 ここでは、「慰安婦問題で世界中に批判にさらされてきた背景」には「中国共産党の国際的反日謀略」なるものがある事になっている。その国際謀略に北朝鮮も加担したのだそうだ。
 
 
 
 
 

       ▽▽▽ 責任転嫁するために生じる世界観

 

 右派は陰謀論が好きである。

古谷経衡は菅野完との対談で、

「これが自称保守かよ……」という幻滅の連続でした。単に差別主義者、トンデモ陰謀論好きのオッサンたちが愚痴をこぼしているだけ。最近ではユダヤ陰謀論、国際金融資本陰謀論なんてのも、もう何度目かわからないですけど、流行っているようです。到底、表現や言論の場ではありませんでしたね。

 

とその差別者ぶりと陰謀論好きを語っている。https://blog.goo.ne.jp/root41_1942/e/469334e8c2ab3a9b30c1e05f63a2d1d4

国粋主義者のネット放送・チャンネル桜に長年参加し、『正論』や『WILL』に寄稿してきた古谷経衡は、若いころ小林よしのりの「ゴー宣」に洗礼を受け、彼自身が慰安婦問題否定論を述べていたこともある。しかしやがて渡辺昇一の著作を批判するなどして右派離れするようになった。

 

 では彼らはなぜ、陰謀論的な発想をするのだろうか?

2018年の9月頃、『慰安婦の真実国民運動』の藤井実彦が台湾の慰安婦の碑に対して、足でそれを蹴るパフォーマンスを行った。ところがその様子が防犯カメラに捉えられており、台湾の全国放送ニュースで流れたから大変である。

9月11日、『慰安婦の真実国民運動』はFBで、現在調査中とする文章を載せたがこれについたコメントがコレだ。

 

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藤井が勝手に慰安婦像を足蹴にした行為が、なぜか中共の罠に飛び込んで」という事になっている。一体、中共の誰がどのように罠を張っていたのだろうか?もちろんそんな根拠はどこにもないわけだが、この発想が上記西岡の主張にあるような「中国北朝鮮の謀略」の延長上にあることは言うまでもないだろう。
さらに言えば「日本は中国に戦争に引きづりこまれ、米国に太平洋戦争に引きづりこまれた」という彼らの歴史陰謀論に似ていることにも気づく。
こういった発想は非常に安易であり、問題を誰か別の存在の責任にすり替える発想である。
 
藤井が勝手に慰安婦像を足蹴にした行為は明らかに藤井に責任がある行為であり、藤井を台湾に派遣した『慰安婦の真実国民運動』にも幾分かの責任があるだろう。ところが「中共の罠」という陰謀論解釈はその責任を転嫁し、緩和する。

同様な意味で、「日本は中国に戦争に引きづりこまれ、米国に太平洋戦争に引きづりこまれた」という陰謀論は、戦争を引き起こした大日本帝国の責任を転嫁し緩和するものであり、「中国や北朝鮮が日本を貶める謀略を企て」という考え方は慰安婦問題への日本の責任を転嫁し緩和しようとする試みと言えるだろう。

      
 
         ▽▽▽▽
 
 

慰安婦問題は日本赤化革命を狙う左翼の思想謀略だ。半島民族が将来日本侵略を企てている (元憲兵



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(『憲友』1992年春号)
 
慰安婦として金学順さんが実名で名乗り出たのが、1991年8月である。それから、すぐにフィリピンや台湾の人達が呼応し名乗り出て、慰安婦問題は国際的な広がりを持つようになった。
しかしこの元憲兵の人には、そうした広がりは見えなかったらしい。
慰安婦問題は「半島民族の日本ゆすりたかり」であり「日本侵略を企図する野望」であり、「日本赤化革命を狙う左翼の思想謀略戦」という事になっている。何の証拠もないにも関わらず。
 
 
            ▽▽▽▽▽

⑤「中国は膨大な資源と時間を性奴隷のペテンにつぎ込んできた」「中国は日本に情報戦をしかけて日本を弱体化させる情報戦争をしかけ」「性奴隷はデッチアゲ 中国の毒エサ 膨大な資金をバックに中国が・・」マイケル・ヨン

 

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慰安婦の真実』マイケル・ヨン

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慰安婦の真実』マイケル・ヨン

2014年11月1日の産経新聞は「著名な米国のジャーナリストが日本の慰安婦問題の調査に本格的に取り組み始めた」として、マイケル・ヨンを紹介した。しかし映画『主戦場』の中で、インタビューされたケネディ日砂恵は「日本に有利な記事を書いてもらうために6万ドルを渡した」と苦し気に告白している。
 
 
           ▽▽▽▽▽▽

 


簡単に言えば「●●にハメられた」というのが、右派の陰謀論である。
戦前は、「コミンテルンや米国にハメられ戦争にひき釣りこまれた」
現在は、「中国や北朝鮮や韓国にハメられている」
こんなハメられまくる歴史観は私は嫌だし、根拠は無いし・・・で、この手の被害妄想を信じる要素が私には存在しないが、信用してしまう人もいるらしい。
 

日本人にとっての「愛国」とは何か?=日本人は「お国自慢」が大好き

 

 

明治時代中期に日本にやってきて、普通の外国人が行かないような奥地まで旅をしたイザベラ・バードは、案内役兼通訳の日本人男性・伊藤についてこう書いている。

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『日本奥地紀行』23信

愛国心が彼のもっとも強い感情であろうとであると思われる。スコットランド人やアメリカ人を別にして、こんなに自分の国を自慢する人間に会ったことがない

 

 

 

世界中を旅したイザベラが「こんなに自分の国を自慢する人間に会ったことがない」というほどのお国自慢とは、どんなのだろうか?

 

それから約50年後、永井荷風も日記にこう書いている。

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荷風全集第25巻(断腸亭日乗)』永井宗吉

(p126~127)

日本人の愛国は田舎者のお国自慢に異ならず。その短所欠点はゆめ〰口外すまじきことなり。歯の浮くような世辞を言うべし。腹にもない世辞を言へば見す〰嘘八百と知れても謗るものなし。此国に生まれしからは、嘘で固めて決して真情を吐露すべからず。

 

嘘で固めてお世辞をいうのが、日本人にとって「愛国」だというのだ。

 

なるほど、人間の性向というものは変わらないものだ。

多少、デマが入っていても関係ない。国を褒めておけば、嘘でもOKなのだ。

そういうわけで愛国者さんたちは、朝日新聞のデマは許せないが、産経新聞の(愛国)デマは問わないのである。

21世紀の前半、我々はテレビや雑誌で外国人が日本を褒めまくったり、インターネットの中のネトウヨたちが日本を賛美し、他国を貶め続けるのを見ている。

毎日のように、自尊心をくすぐる日本スゴイ情報が流れては消えていく。

彼らによれば、日本は経済もうまく行ってるし、外交もうまく行っている、戦前も悪いことは何もしなかったという事になるのだが、それは荷風のいう「田舎者のお国自慢」であろう。

 

 だから「美しい国(柄)」という言葉が、流行病のように増えるのは日本的なお国自慢では当たり前なのだ。

今日の自国を「美しい国」と称える本 

 

戦前の 自国を「美 しい国」と称える本

大日本帝国には「日本ヨイ国」とか「天下無敵の関東軍」などと自慢げな言葉も蔓延していたのである。

 

 

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 戦前の「日本ヨイ國」

 

 

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 現代の日本スゴイ本たち(一部)

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ところで上記のイザベラの文章で、伊藤は「女性の知能を軽蔑する」と書いているのが興味深い。現在の国粋主義者の中にも極端なセクシストが存在するからである。

 

ハテナに移動されていなかった昔の記事を転載)蘇りつつある言葉・イデオロギー・・・・が戦前回帰・右傾化を証明する

 蘇りつつある言葉・イデオロギー・・・・が戦前回帰・右傾化を証明する

 2016/7/11(月) 午前 8:47

 

 

1、「国賊」という言葉
 
東京新聞が、『雑誌に「売国」「国賊」「反日」などの言葉が踊っている』と書いたのが2014年10月である。
 
削除されています ↓
 
東京新聞【特報】  2014年10月3日

朝日バッシング 飛び交う「売国」「反日

朝日新聞バッシングに血道を上げる雑誌には「売国」「国賊」「反日」の大見出しが躍る。敵を排撃するためには、あらん限りの罵詈(ばり)雑言を浴びせる。まるで戦前・戦中の言論統制だ。ネットではおなじみの風景だが、活字メディアでも「市民権」を得つつある。「嫌韓本」で一線を越えた出版界には、もはや矜恃(きょうじ)もタブーもないのかもしれない。安倍政権が「戦争できる国」へ突き進む中、「売国奴」呼ばわりの横行は、あらたな「戦前」の序章ではないのか。 (林啓太、沢田千秋)
 
これについては、予言がある。
 
予言したのは読売新聞であり、1959年・・・60年安保闘争を迎え、政界は白熱した議論が繰り広げられていた頃の話だ。
 
今から57年も昔、1959年の記事である。 ↓
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今もそうだが、当時も自民党は反対者を「アカ」呼ばわりしていたらしい。それを嘆いた読売新聞の論説委員は、『戦前の”国賊”なんていう言葉がいつかは復活するかも』・・・と危機感を募らせている。
 
ところが、最近その「国賊」が復活したというわけだ。残念ながら・・・
 
 
上の東京新聞と同じ趣旨の記事を毎日新聞も書いているから記載しておこう。
 
 
慰安婦問題:朝日報道 メディアで飛び交う「売国国賊 
田原総一朗さん「メディアが使うのまずい」 渡辺治さん「右翼が攻撃に使った用語」

 売国国賊、国辱……。21世紀、平成ニッポンとは思えない言葉が飛び交っている。従軍慰安婦問題などを巡り、誤報記事を取り消した朝日新聞に浴びせられるこのフレーズ、インターネットの匿名掲示板などではなく今やメディアが乱発している。さすがにおかしくないか?

 外国人観光客も多い築地市場を望む朝日新聞東京本社(東京・築地)。ここで週2回、保守系団体による抗議集会が続いている。

 10日昼の集会に参加したのは十数人。植え込みに日の丸やプラカードを林立させ、朝日新聞不買を訴えるTシャツを着たメンバーが「『従軍慰安婦』は朝日新聞の捏造(ねつぞう)だ」と記されたビラを配っていた。「こんなことは言いたくないが、朝日新聞は地獄に落ちろと言いたい!」。スピーカーを使った演説に、メンバーから「そうだっ」と合いの手が入る。

 向かいのブロックには国立がん研究センター中央病院がある。病院前でのスピーカーの音量は気になるが、その言葉遣いについて、もはや驚かない自分がいる。

 何せ、朝日新聞が記事を取り消した8月上旬から「朝日新聞 『売国のDNA』」(週刊文春9月4日号)、「中国共産党に国を売った」(同9月18日号)、「1億国民が報道被害者」(週刊新潮9月4日号)、「売国虚報32年」(同9月25日号)、「廃刊せよ! 消えぬ反日報道の大罪」(月刊誌「正論」10月号)、「言い逃れできぬ『慰安婦』国辱責任」(同11月号)……といった文字・記事が書店やら電車の中づり広告やらにあふれているのだ。

 例に挙げたのは、いずれも大手出版社や新聞社が発行する媒体だ。誤報は批判されて当然だが、このおどろおどろしい言葉遣いは何なのか。

 時に朝日新聞以上のバッシングを浴びてきたかもしれないジャーナリストに聞いてみた。討論番組の司会でおなじみ、田原総一朗さん(80)だ。

 「僕は朝日新聞を『売国奴』とは思いません。当然、彼らは日本を愛していますよ」とストレートに切り出した。

 「朝日が主張したのは戦時中の日本の軍隊は決して良くなかったんだ、ということです。その要因の一つに慰安婦問題があり、追及する過程で『吉田証言』を報じた。でもそれは虚偽だった。それは『売国』行為なのでしょうか」

 自身も左派からは「体制の犬」、右派からは「売国奴」などと言われ続けてきたという。「一番すごかったのは靖国神社参拝問題かなあ。『A級戦犯がまつられている以上、首相参拝はダメだ』と言ったら、『田原は国賊だ』という視聴者からの電話やらファクスやらがじゃんじゃん来て。ま、あえて波風を立てるのがジャーナリストの仕事ですからねえ」

 自身への批判はさほど意に介する様子はないが、話題が朝日新聞批判に戻ると声色が沈んだ。

 「売国国賊、ですか。本来、決してメディアや言論人が使ってはならない言葉です。視聴者からの批判と違って、メディアがこの言葉を安易に使うのはまずいな、と心配しています……」

 それはなぜか。

 「今起きているのは、戦後70年で初めてと言える、重大な社会現象と捉えるべきです」。日本政治史に詳しい一橋大名誉教授、渡辺治さん(67)を訪ねると、嘆息しながら想像以上に重い言葉が返ってきた。渡辺さんは、売国国賊という言葉がこれほど“市民権”を得たのは、ごく最近だと見る。

 戦前でいえば、例えば1918年、シベリア出兵など当時の国策を批判した大阪朝日新聞を政府が弾圧し、さらに右翼が襲撃する事件(白虹事件)があった。この時、社長は右翼に縛られ、首に「国賊」と記された布を巻き付けられたが「右翼の活動家の世界でのことで、今の『朝日バッシング』のような社会的な広がりはなかった」という。

 なぜなら、戦前は新聞紙法や治安維持法などの言論弾圧法があり、政府が危険視する言論は国民の目に触れる前に封殺されたからだ。法律で取り締まれないリベラル派政治家に対し、右翼団体が使ったのが「売国」「国賊」という言葉で、現在のようにちまたに氾濫する言葉ではなかった。

 「状況が一変するのは30年代の満州事変以降、政府が国民を戦争に引っ張る時代です。政府は戦争に反対・批判する言論を容赦なく取り締まり、『非国民』『売国奴』というレッテルは、戦争に消極的な言論や言論人に向けられ、マスメディアをより積極的な戦争協力に駆り立てるために使われたのです」

 戦後、言論への弾圧法はなくなった。自民党政権も軍事力による海外進出は志向せず、安定的な高度成長を目指した。売国国賊という言葉は、国策面で必要とされなかった。

この言葉を振り回したのは戦前同様、過激な右翼団体だ。記者が殺害されるなどした朝日新聞襲撃事件(87〜88年)や長崎市長銃撃事件(90年)、河野洋平衆院議長らが脅迫された建国義勇軍事件(2002〜03年)、加藤紘一自民党幹事長宅放火事件(06年)などの政治・言論テロの犯行声明や脅迫文、裁判陳述で頻出する。

 「そんな言葉を大手メディアが使い出したのは驚くべき事態です。考えてみてください。『オレは売国奴だ、国賊だ』と思っている人がどこにいますか? 『改憲に賛成か反対か』という議論と違い、『売国か愛国か』という議論など成り立ちません。つまりこうした言葉は自由な言論を生むのではなく、言論封殺のための暴力でしかない。朝日の誤報問題とは別次元の深刻な問題です」と渡辺さんはショックを隠さない。

 田原さんも「売国とか国賊という言葉は相手を問答無用でたたきつぶし、致命的な打撃を与える言葉です。このような言葉を吐くことで、何か自分が『正しい側にいる』『勝った』ような気になるのでしょう。本当に自分の主張や考えが正しい自信があるのなら、こんな言葉は決して使いません。特に自由で多様な言論によって立つメディアが使う言葉ではない。メディアの自殺でもあるし、民主主義の否定につながりかねません」と目を怒らせた。

 批判と罵倒は異なる。メディアやジャーナリスト、作家らが、「言論を封殺する罵倒語」を使えば、それは当然市民にも広がっていく。

 ◇高橋源一郎さん「容認こそ問題」

 作家、高橋源一郎さん(63)は「批判とレッテル貼りは違う」と指摘する。「『国家の敵』は世界共通のレッテルで、みんなでたたくいじめと同じです。昔はこんなことをやっていいのかという意識があったが、今は一線を越えてしまっている」。さらに「売国とか国賊とか反日とかいう言葉へのメディアの批判が少ないことに驚いています。批判しないことは容認することと同じだからです。僕ははっきり言ってこっちの方が重大な問題だと思う。かつてナチスについて、ドイツの知識人はまともに相手せず批判しなかった。そのナチスは政権を取ってしまった。日本だって、言論を圧殺するような連中が政権を取らないとは限りません」。

 朝日新聞の論壇時評(9月25日付)で高橋さんは「誤報は擁護のしようもないし、批判を受け入れるべきだ」と書いたうえで、米国の作家、スーザン・ソンタグさん(04年死去)を紹介した。彼女は01年の米同時多発テロ直後「まず、共に悲しもう。だが、みんなで一緒に愚か者になる必要はない」「現実を隠蔽(いんぺい)する物言いは、成熟した民主国家の名を汚す」と反撃にはやる米国民をいましめた。

 「ソンタグは国中から怒りを買い『売国奴』と見なされましたが、それでも発言を続けた。母国が憎悪にかられて暴走するのを止めたかったのでしょう。僕は彼女のような人が愛国者だと思う」

 そのうえで「従軍慰安婦についての朝日の誤報が日本をおとしめた」という論調に一番違和感があると強調する。「戦後の朝日新聞がだれかを殺したり、女性を暴行したりしたでしょうか。日本を本当におとしめたのは、軍事力をもって他国に踏み入った戦前の日本国と日本軍ではないですか? 批判すべき先を間違っていませんか」

 淡々と、自らに言い聞かせるように続けた。「ソンタグ9・11直後、即発言できたのは日ごろから自分の思想を鍛えていたから。今こそ、私たちの知恵と勇気が試されているのではないでしょうか」

 言葉は、発する者を映す。心して選ばねばなるまい。【吉井理記】

 
 
 
                  2、「八絋一宇」という言葉
 
「八絋一宇」なんていう言葉を使った、国会議員もいた。しかも「日本が建国以来大切にしてきた価値観」とか述べて称賛している。ご存知三原じゅん子さんだが、今日の参議員選挙で神奈川の断トツトップ当選である。
 
発言を記録して置こう。
 
189 - 参議員 予算委員会 - 6号 
平成27年03月16日

三原じゅん子君 ありがとうございます。
 私は、そもそもこの租税回避問題というのは、その背景にあるグローバル資本主義の光と影の影の部分にもう私たちは目を背け続けるのはできないのではないかと、そこまで来ているのではないかと思えてなりません。
 そこで、今日、皆様方に御紹介したいのが、日本が建国以来大切にしてきた価値観、八紘一宇であります。八紘一宇というのは、初代神武天皇が即位の折に、天の下覆いて家となさむとおっしゃったことに由来する言葉です。
 今日、皆様方のお手元には資料を配付させていただいておりますが、改めて御紹介をさせていただきたいと思います。これ、昭和十三年に書かれた「建國」という書物でございます。
 八紘一宇とは、世界が一家族のようにむつみ合うこと。一宇、すなわち一家の秩序は一番強い家長が弱い家族を搾取するのではない。一番強い者が弱い者のために働いてやる制度が家である。これは国際秩序の根本原理をお示しになったものであろうか。現在までの国際秩序は弱肉強食である。強い国が弱い国を搾取する。力によって無理を通す。強い国はびこって弱い民族を虐げている。世界中で一番強い国が、弱い国、弱い民族のために働いてやる制度ができたとき、初めて世界は平和になるということでございます。
 これは戦前に書かれたものでありますけれども、この八紘一宇という根本原理の中に現在のグローバル資本主義の中で日本がどう立ち振る舞うべきかというのが示されているのだと私は思えてならないんです。
 麻生大臣、この考えに対していかがお考えになられますでしょうか。
 
これに答えて、麻生はこう言う。
 
国務大臣麻生太郎君) もうここで戦前生まれの方というのは二人ぐらいですかね、ほかにおられないと思いますけれども。これは、今でも宮崎県に行かれると八紘一宇の塔というのは建っております。宮崎県の人いない。八紘一宇の塔あるだろう。知ってるかどうか知らないけど。ねえ、福島さんでも知っている、宮崎県に関係ないけど。八紘一宇っていうのはそういうものだったんですよ。
 日本中から各県の石を集めまして、その石を全部積み上げて八紘一宇の塔というのが宮崎県に建っていると思いますが、これは戦前の中で出た歌の中でもいろいろ、「往け八紘を宇となし」とかいろいろ歌もありますけれども、そういったものの中にあって、メーンストリームの考え方の一つなんだと私はそう思いますけれども、私どもはやっぱり、何でしょうね、世界なら世界の中で、千五百年以上も前から少なくとも国として今の日本という国の同じ場所に同じ言語をしゃべって、万世一系天皇陛下というような国というのはほかにありませんから、日本以外でこれらができているのは十世紀以後にできましたデンマークぐらいがその次ぐらいで、五世紀から少なくとも日本書紀という外交文書を持ち、古事記という和文の文書を持ってきちんとしている国ってそうないんで、そこに綿々と流れているのは多分こういったような考え方であろうということでこの清水さんという方が書かれたんだと思いますけれども、こういった考え方をお持ちの方が三原先生みたいな世代におられるのにちょっと正直驚いたのが実感です。
 
「日本という国・・・・万世一系天皇陛下というような国というのはほかにありません」だそうだ。
 
「八絋一宇」に加えて、万世一系」なんていう言葉も、肯定的に登場してしまっている。戦前は 万世一系天皇の赤子」 なんて言ってたものだ。
 
 
そして、戦前の「天賦人権」否定の思想が入った自民党憲法案である。
 
戦前の膨張主義をささえたイデオロギーが、今この時代に復活して来ているのである。
 
 

「徴用工問題と国際法」 阿部浩己教授

メモ>

朝鮮半島の今を知る」(32) 徴用工問題と国際法 阿部浩己・明治学院大学教授 2019.9.5

 

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