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米国でラムザイヤー論文の問題点を指摘している歴史学者グループの一人SayakaChatani氏による連ツイ

 

 

米国でラムザイヤー論文の問題点を指摘している歴史学者グループの一人SayakaChatani氏による連ツイを紹介。
ラムザイヤー論文がいかに資料の恣意的引用、歪曲を行っているかよく分かる。
そういう点ではイヨンフンらと同様である。
決して専門家とは言えないが、それなりに「慰安婦」問題について知っていたイヨンフンとは異なり、まったく門外漢のラムザイヤーに論文を書かせるためにわざわざ英文の(ネトウヨblogのような)無名ブログが必要だったのだろう。
その無名ブログを引用しながらラムザイヤー論文は、『反日種族主義』のイヨンフン論文に似た論理展開をしている。文玉珠さんを「高額報酬説」の根拠にし、「慰安婦は売春婦である」と主張し・・・と言った具合だ。
そしてそのいずれも1990年代から右派政治家とその息のかかった右派論壇が、慰安婦問題を否定するために繰り返し主張してきた内容なのだ。資料を恣意的に捻じ曲げる方法論まで同じである。
いずれにせよ、ラムザイヤー論文によって問題は大きくなり、これまで「慰安婦」問題に無関係だった研究者の関心を集めるようになった。
 
私の関心は、誰が、またどのように、彼ら”ラムザイヤーやイヨンフン”らに結局は彼ら自身の威信を地に貶める論文を書かしめたか?である。それが明らかになる時、日本軍「慰安婦」問題は新しい光を得るだろう。
 
マイケル・ヨンには、右派からかなりの金額が渡されていたが(映画『主戦場』のインタビューによる)、

「映画とネット情報を融合させてみました」主戦場 Einsteinさんの映画レビュー(感想・評価) - 映画.com

慰安婦陰謀論の世界 - 河野談話を守る会のブログ2 似たような構造が考えられる。そのマイケルヨンも「無名ブログ」は掲載している。

 
 
 
(註1 「R氏」はラムザイヤー氏のこと)
(註2 「4-1. 」は時系列は違うが適切な位置に置いた)
(註3  ラムザイヤー論文で引用されている「無名のブログ」はこのブログである=https://scholarsinenglish.blogspot.com/2016/04/korean-comfort-station-managers-diary.html

scholarsinenglish.blogspot.com

 
(註4 米歴史学者グループの指摘はこれ
 
 
          SayakaChatani氏のツイート 
 
1. 主旨は、学問・研究上の不正を理由とした撤回要求。解釈やロジックの前に、ラムザイヤー氏が挙げた証拠の殆どは、出典資料の元の意味が影も形もないくらい編集歪曲をしたもの、出所のわからない無名ブログ、全く関係のない史料である。明らかにこれは「研究」・「査読論文」であるべきでない。
 
2. まず最初に、論文は朝鮮人慰安婦が「契約」を自らの意志で受容し、その契約内容の駆け引きをゲーム理論の言葉で説明するという主旨であるにも関わらず、論文のどこをみても朝鮮人女性との契約の実例、サンプルともに示されていない。(Gordon/Eckertの指摘通り。)
 
3.資料の誤った記述がヒドイ物を挙げると、山崎朋子の「サンダカン八番娼館」に出てくるからゆきさん、おサキについて:R氏はおサキが「10歳でも娼婦がどんな職業であるか理解し」ていて「騙されたわけではない」というが、書籍を確認するとそれとは真逆のおサキの証言を山崎は書いている。
 
4.おサキの証言ではいくら働こうが賃金は変わらなかったことが示されており、R氏のいう一生懸命働く動機付けのために早く「年季」を終わらせるシステムがあったという主張と矛盾する。その他色んな点を無視し、R氏は架空の「おサキの経験」を戦中の慰安婦に当てはめ「自発的」契約の根拠としている。
 
4-1. 文玉珠の証言について:文玉珠の証言は日本語で書籍が出ているにも関わらず、それを参照せず無名ブログの、明らかに編集され文脈から切り取られた英訳をさらに編集して引用している。(スレッドから外れてたので再Tweet
 
5.さらにR氏は文玉珠が多額の貯金をしたことを強調しているが、R氏自身もそれが「チップ」で得たお金であり、契約時に期待できた収入ではないことがはっきりしており、これと「信憑性のコミットメント」とどういう関係があるのか、不明である。
 
6.文玉珠の証言では、2回騙されて慰安所に連れられている。証言の一部引用するならば、証言を全部読んで理解する必要があったのではないか。
 
7. 米軍資料の選択的引用の問題:よく右派が書くように米軍が1944年ビルマミャンマー)で捉えた朝鮮人慰安婦の尋問レポートを「契約」の根拠としている。確かにレポートは「契約」があったことを示しているが、その内容は「性行為」ではない。原文は次の通り:
 
8. "The nature of this ‘comfort service’ was not specific but it was assumed to be work consisting of visiting the wounded in hospitals, rolling bandages, and generally making the soldiers happy."
 
9. もう一つ米軍1945年のレポートをR氏は慰安所が衛生目的であったことを示すために用いているが、そこには同時に、戦況悪化のために慰安婦を含めて誰も帰還を許されなかったことが明記してあり、R氏の「慰安婦は自由に帰れた」という主張と矛盾する。
 
10.「慰安所管理人日記」は研究者にはおなじみの日本語仮訳版があるにも関わらず、文玉珠証言の時と同じ無名のブログを利用、そこからまた別のウェブリンクへ繋がされ、誰が訳したか分からないCh'oe Kil-songの著作一部の英訳を出典としている。なぜこれほど日本語文献を避けるのか?!
 
11.さらにCh'oe Kil-songのその英訳の内容をも勝手な選択的引用をし「慰安婦から送金受領を知らせる(複数の)電報を受け取った」と日記に書かれていないことまでR氏は書いている。
 

 

                         (BY堀家)