最近「産経」が、河野談話の元となった資料をどういう訳か?手に入れたらしく、攻撃を強めている。例によってデタラメな事を書いて、無知な人たちを扇動している。
「軍や官憲による強制連行を示す政府資料は一切見つかっておらず、決め手の元慰安婦への聞き取り調査もずさんだったと判明したことで、河野談話の正当性は根底から崩れたといえる」とし「ずさんな調査」だとか「河野談話根拠崩れる」
しかし、この問題はもうとっくに国会の中で答弁されている。「証言の裏を取らなかったというが、どうなんだ?」という質問に対して、政府委員が答えており、「証言の裏ということなんでございますが、証言集それから現実の証言ということを申し上げましたけれども、聞き取り調査を行った中には元慰安婦以外の関係者からの聞き取りというものも入っているわけでございます。」と述べ、河野談話は慰安婦以外の関係者からの聞き取りもあって「全体として判断した結果」だと言うのである。
産経は「裏を取ってない」というが、50年以上前の話を直接裏付ける証拠などほとんどないだろう。
すでに当ブログで述べて来たように、証言自体が証拠であってしばしば、被害者以外には証拠がない強姦事件と同様である。そして多くの被害者が強姦された事はすでに書いている。残念ながら、日本軍の強姦の多さは折り紙つきである。
以下資料の最下部に問題の答弁が出てくる。
平成09年03月17日の | |
参議員 -「外務委員会 」- 4号 | では |
○椎名素夫君 南極については私は賛成でございます。
きょうは、お許しを得て、いわゆる従軍慰安婦問題の平成五年八月四日の内閣官房長官談話についてちょっとお伺いをしたいと思っております。
この談話がいわば発端になって、その後基金というようなものが設立されたり、あるいは教科書での慰安婦問題の記述が、ほとんど全部の教科書に相当どぎつい表現で取り上げられたりというようなこともあります。それからもう一つは、これはもっと大事なことかもしれませんが、とにかく政府がこういったわけなので、その後の日本の政府の態度といいますか、これはいわば事実上拘束されて、これからもずっと拘束され続けるんじゃないかと思うんです。この官房長官談話というものについて、私だけがわからないというのでなしに、多くの国民がどうもよくわからないところがあると思うわけです。
これを読みますと、とにかく慰安婦を募集して、そのときに「甘言、強圧による等、本人たちの意思に反して集められた事例が数多くあり、更に、官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった。」と書いてあるんです。しかし、これは最近出てきたことだけでなしに、本当に日本の政府による強制というのがあったかないかという話があるのか。あるいは、相当強制的にこういうときには大体連れていくわけで、そのほかのところに「総じて本人たちの意思に反して行われた。」と書いてある。これは当たり前の話で、大喜びで行く人はほとんどいるはずがないので、そういう意思に反して行われたというのはそのとおりだと思うんですが、ここに国が関与したかしないかというのは相当大きな我々にとっての問題だろうと思うわけです。
新聞報道でこれは不正確かもしれませんが、最近は石原元官房副長官がインタビューで、強制連行という事実があったかどうか随分探したけれども、日本側のデータにはそれを裏づけるものはないと。あるいは外政審議室長も、強制連行を組織的に行った公的記録は見つかっていないということなので、それではなぜこの官房長官談話のよう
になったかということになると、これも新聞報道ですからよくわかりませんが、総合的に判断してこういうことになったということを言っておられるようなんですね。
調査をなさったわけで、一つの事実は、もしこの報道が事実とすれば、そういうような記録は一切見つからなかった、こういうことが一つある。そうすると、総合的にというと、これが一つだとすると、これも調べあれも調べ、さらにこれも調べたというようないろんなことがあって総合ということになりますね。ほかの要素というのは、私の知る限りでは、十六人か何かの慰安婦をやらされたとおっしゃった方々の証言があるということ以外には私もわからないし、国民にもそれ以外何を調べたのかなというのはわかっていないと思うんですが、総合の、こっちの文書などを十分に調べていなかったという以外にどういうことがあったんでしょうか。
○椎名素夫君 「官憲等」というのはどういう意味でしょうか。これは主に証言によるものだろうと思うんですが、官憲もおった、こういうわけでしょうね。
時々悪いのがいて、日本なんかでもあるんですが、警察ですがなんといって黒い手帳か何かちらっと見せて、これは確かに警察なんだと思って誤認をするというようなことは、しばしばでもないけれどもよく起こることがあるんですが、そういうようなことというのではなしに、疑いなしに官憲がこれに加担したということなんでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) 慰安婦の募集に関する官憲などの加担ということがあるわけですが、軍や警察の関与には、不統制な募集がかえって社会問題を惹起する、それを防止するためではなかったのかという議論もあり、またそういう観点があったことが明らかになっております。したがって、そういう角度のものも含めた軍や官憲といったものの関与ということがあったと。
そして、政府発見資料に加えて各種の証言集、これは印刷物になっているものでございましょうが、これとか、韓国における現実の人からの証言聴取、こういったことを行った結果、総合的に、軍や官憲が直接これに加担したこともあった、これというのは甘言、強圧によるなど本人の意思に反して集めたという事例でございますが、それに加担したこともあったということが明らかになったという認識に到達したと承知しております。
○椎名素夫君 これとは違うというか、似たようなところがありますけれども、戦争中に捕虜虐待とか残虐行為というようなことがあって裁判にかかった人たちがいますね。B級、C級の裁判というのがあって処刑された人たちもいるんですが、この人たちは、一部には無実の罪というのもあったかもしれないけれども、裁判の結果そういう行為があった、これはけしからぬということで処罰をされたわけです。この場合、明らかにこれは官憲だったわけです。捕虜収容所の所長だったりしますが、しかしそのときの官憲というのは、官憲の身分を持った何のだれそれがけしからぬ行為に及んだということで罰せられたということですよね。
そういうものと、この官憲とは同じレベルなのか。あるいは、今簡単に軍や官憲がとか軍や警察がとおっしゃったけれども、軍人の一人がやった、警官の一人がやったというのと、軍、警察が加担したというのとは違うと思うんです。そこのところはどうなんでしょうか。
○政府委員(加藤良三君) この慰安婦の件につきましては、自由に業者に任せておきますといろいろな意味での社会問題が病気といったものも含めて発生する、そういうことから日本の軍、警察が不統制な募集というものを統制するためにいわば関与してきたという前提があるんだろうと思います。
そうした中において、いろいろな形で甘言、強圧により本人の意思に反して慰安婦の人を集めたという事例が数多くあって、その多くに軍あるいは官憲が関与したと。おっしゃられるような意味で関与したということであるかどうかは別なんでございますが、しかし少なくともそういう甘言、強圧によって本人の意思に反して集めたという事例の中に官憲などが直接加担したということが証言集や証言聴取、さらに政府発見資料をあわせ読んだ場合に明らかにあるということではなかったかと思います。
○椎名素夫君 どうもまだよくわからないですね、これ。そうすると、強制連行を組織的に行った記録はないという話とはどうなるんですか、かかわりま。