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訴訟から見えて来るサイコパスの捏造=「グレンデールのイジメ」事件


グレンデールの「慰安婦の碑」に関して、日経ビジネスの情報はなかなか面白い。

中でもこの情報が重要である。

「提訴から2カ月経った4月21日、韓国系弁護士会ワシントンDC支部をはじめとする13支部慰安婦像撤去反対を声明。その1カ月後には、グレンデールを含むロサンゼルス大都市圏で弁護士活動を繰り広げている南カリフォルニア日系弁護士会JABA)と同韓国系弁護士会(KABA)とが「撤去反対」を主張する共同声明を出した」

つまり、ロサンゼルスの弁護士会が「日系」も「韓国系」もこぞって反対声明を出したというのだ。この事実は何を意味するかというと例の「グレンデール市で慰安婦の碑ができたから、日系人へのイジメが盛んになされている」というお話が、そもそもデマである可能性が高いという事である。

この捏造ストーリーでは、イジメはかなり頻繁になされており、日系米人の間では有名な話らしかった。これが事実であれば、当然被害者は弁護士に相談したであろうし、相談があったならこのような声明を出す事はあり得ないだろう。
また相談を受けた場合、日本の領事館がまるで動かないという事もあり得ないような話しである。いやそもそも日系弁護士や外交関係者の家族にも被害が及んだに違いないのである。

もともと、この「グレンデール市で慰安婦の碑ができたから、日系人へのイジメが起きた」という話は、チャンネル桜で大高未貴がしきりに宣伝していたが、ある日を境にあれほどたくさん流れていたユーチューブの動画が一斉に削除された。・・・・と思ったら、どこかの地方議員のコメントとかいうので、「また聞き」のそのまた「また聞き」という噂話に過ぎないものを、産経新聞が掲載し、さらにほとんど同じ記事を裏取りもしないで、週刊新潮が掲載するという経過を辿った。

内容は「慰安婦の碑ができたからイジメが多発するようになった」というもので、今日まで述べられてきた証言はここにまとめられている。


正直言って、「ラーメンをツバを吐いた」とかいう幼稚な嫌がらせをするとは思えないが、もし仮にそう言う事があったとして、そんなものをお客に出せば、訴訟になる可能性が高い。「・・・・娘に『シャラップ』と遮られ、日本人だとバレないように英語で話して、と頼まれた。我が子を守るため、髪を金髪に染めて日本人である事を隠している人もいる」・・・・とか言うのだが、そんなにイジメが蔓延しているのなら、日系弁護士や領事館関係者の家族にも被害が及んだに違いない。大高のインタビューでは、学校では日系子女へのイジメが蔓延しているという。日系弁護士や領事館関係者の家族だけは無事だったのだろうか?

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また青山繁晴によるとそのイジメは全米に広がっているらしいが、これには捏造が指摘されている。

( “青山繁晴、捏造慰安婦問題でアメリカ在住の日本人は韓国人に差別的な暴力、イジメにあって…”
 )

さらに藤井厳喜のリポートによるといじめられているのは子供だけではなく、ロスの成人学校に通う在留邦人男性も反日団体から脅迫的な手紙をもらったというのだが、そんな物証があれば領事館も弁護士も動くに違いないのである。

ところが、そんな様子がまったくないのが、今回のこの報道で判明したのだ。

私はこうした捏造小話が「愛国」を言い訳にしたサイコパスが捏造したウソであると睨んでいる。日本のネトウヨが嘘つきであることは良く知られているが、その嘘が一般紙、週刊誌に溢れ出ているのである。

それにしても「南カリフォルニア日系弁護士会JABA)と同韓国系弁護士会(KABA)とが「撤去反対」を主張する共同声明」・・・という事は結構仲が良い感じだが。








慰安婦像の撤去を求める米裁判に黄信号
原告は四面楚歌、アジア系法曹界が挙って提訴に反対
高濱
2014年6月4日(水)

カリフォルニア州グレンデールに設置された従軍慰安婦像撤去を求めて在米邦人団体が提訴したのは今年2月20日。連邦地裁中央カリフォルニア支部はこれを受理したものの5月30日現在、公判日程は決まっていない。にもかかわらず、原告である「歴史の真実を求める世界連合会」(=GAHT、代表は目良浩一 元南カリフォルニア大学教授)は既に四面楚歌の状況に陥っている。
 その理由は三つある。
 一つは、4月に原告代理人となった米有力法律事務所、メイヤー&ブラウン社(本社シカゴ)が突如、一方的に契約を解除したこと。慰安婦問題を巡る原告との立場の違いを理由に、これまでの弁護費用を無料にする条件で原告代理人を降りたのだ。当初、原告の依頼を二つ返事で承知したこの法律事務所に何が起こったのか。
(参考資料:「緊急声明:弁護士事務所の変更」、歴史の真実を求める世界連合会」
 二つ目は、提訴から2カ月経った4月21日、韓国系弁護士会ワシントンDC支部をはじめとする13支部慰安婦像撤去反対を声明。その1カ月後には、グレンデールを含むロサンゼルス大都市圏で弁護士活動を繰り広げている南カリフォルニア日系弁護士会JABA)と同韓国系弁護士会(KABA)とが「撤去反対」を主張する共同声明を出すに至ったのだ。
 さらに5月27日、日系、韓国系などアジア系弁護士会の上部機関である「全米アジア・太平洋系アメリカ人弁護士会」(NAPABA)がJABAとKABAの共同声明を踏まえ、「撃ち方止め」を要求するステートメントを出した。「アジア・太平洋系アメリカ人法曹界が、歴史認識を巡る意見対立やグレンデール慰安婦像を巡る論争によってアジア・太平洋系アメリカ人社会を二分するようなことは許さない、とした対応を心強く思っている」。
 筆者はNAPABAに対し、この声明の狙いを問い合わせているが、脱稿段階では回答は届いていない。が、日系、韓国系弁護士会をはじめとするアジア系弁護士会の声明を支持しているところを見ると、原告の肩を持っているとは思えない。むしろ「アジア・太平洋系アメリカ人社会を分断しようとする原告」は許せない、ということだろう。
 在米邦人とアジア・太平洋系アメリカ人とをはっきりと分けている。そう見ると、韓国系のみならず、アメリカ生まれ、アメリカ育ちのアジア系2世、3世弁護士たちが挙って、在米邦人である原告の「撤去提訴」にレッドカードを突きつけたと言える。原告にとって、戦が始まる前に外堀を埋められてしまった観すらある。
("JABA and KABA issue a joint statement, " Japanese American Bar Association, 5/18/2014)
("NAPABA Acknowledges the Suffering of WWII Comfort Women and other human trafficking Victims," National Assian and Pacific American Bar Assiciation, 5/27/2014)
原告が厳しい立場に立たされている三つ目の理由は、原告には全く追い風が吹いていないことだ。組織化された韓国系団体の勢いは、収まるどころかますます増している。全米で六つ目の慰安婦碑(像)が5月30日に南部バージニア州フェアファックス郡の郡庁舎敷地に建てられた。さらに五大湖地域のデトロイト近郊にも6月中に新たな慰安婦碑が設置されようとしている。
 南部州とはいえ、フェアファックス郡は首都ワシントンに隣接する人口約112万人の首都圏の町。アジア系の人口は約18%、うち韓国系は約40%を占める。首都圏に住みついた初期の移民は、当時の朴正煕独裁政権に反発してに亡命した政治家や官僚が多かったとされる。政治色の濃い韓国系は、「韓国系アメリカ人の声」「ワシントン挺身隊問題対策協議会」「韓国民主平和統一ワシントン協議会」といった団体を結成。「韓国系有権者8万」を武器に、バージニア州議会やフェアファックス郡議会に対するロビー活動を続けてきた。
 その成果が、バージニア州が使っている教科書に「日本海」と「東海」(韓国名)の併記を義務づける法律の制定である。今回の慰安婦碑設置も、これらの団体が長年にわたり「票」と「カネ」を使ったことが可能にした業だった。慰安婦碑を増やすことでグレンデール慰安婦像撤去の動きを封じ込める戦略なのだろう
("'Comfort Women' monument to be set up near D.C." Yonhap News Agency, Global Post, 5/27/2014)

外務省は「政治的、外交的問題にせぬ」と傍観

 これに対して日本の外務省は、「慰安婦碑問題を政治的、外交的問題にしない」との立場を終始取り続けてきた。これを受けて在外公館の総領事たちも、慰安婦像を設置しようとする地方自治体に対して、慰安婦碑設置をしないように事前に陳情はしているのだが、まったく無視されている。「へたに動くと、地元メディアに『日本政府が圧力をかけた』と言われるのが関の山」とふてくされる在外公館関係者もいる。
 となれば、在米邦人の「撤去提訴」についても日本外務省の在外公館の対応は冷ややかだ。
 南カリフォルニア地域を管轄しているロサンゼルス総領事館も筆者の質問に対して「慰安婦像撤去に立ち上がった在米邦人の心情は理解できる」としながらも、提訴に対する直接のコメントは避けた。側面支援はおろか、支持表明すらしていない。
 日系、韓国系弁護士会の共同声明についても、「出されたことは承知しているが、現在進行している訴訟に影響を与える可能性もあり、コメントは差し控えたい」(ロサンゼルス総領事館の倭島岳彦広報担当領事)と慎重な態度に終始している。
 現在、在米邦人・日系社会でボランティア活動を続けているA氏は、「動かぬ総領事館」について、外務省は敗訴した時の影響を考えているのではないかと指摘する。同氏はロサンゼルス在住40年、元大手流通企業の元駐在員でその後アメリカに帰化している。
 「政治的、外交的問題にしないというが、慰安婦碑問題はアメリカではまさに社会問題になっているのではないのか。総領事館は何をやっているのか、という批判も聞くが、総領事もしょせん外務省の職員の一人。政府が決めた枠の中でしか動けない。ただこの裁判は始まる前から、予測していなかった事態が次から次へと起こっている。原告もそれほど深い考えや戦略があって起こした提訴とは思えない。それゆえ、総領事館は敗訴した場合のことも考えて、あえて支援も支持もしないのではないかと思う。敗訴すれば、それこそ連邦地裁は慰安婦問題でグレンデール市当局、つまり韓国系の主張にお墨付きを与えることになってしまう。あくまでも民間人の訴えであり、日本政府は関与していないというスタンスなのだろう」

慰安婦論争が米国で再現する懸念

 公判が始まれば、グレンデール市側は「言論の自由」を前面に押し出すだろう。一方の原告側は「日米関係にネガティブな影響を与える地方自治体の決定は連邦政府の外交権を保障する米国憲法の精神に反する」との主張だ。となれば、慰安婦像が日米関係に与えるネガティブな影響について、一つひとつ具体的事例を挙げ、立証する必要が出てくる。
 これとは別に、公判では当然、日韓政府間で長きにわたって行われてきた慰安婦論争がアメリカの法廷で再現することになる。これには途方もない時間とカネがかかる。終わりのない法廷闘争になりかねない。原告はまさに「トラを尾を踏んでしまった」(A氏)わけである。
 当初原告代理人を引き受けたメイヤー&ブラウン社が契約を解除した背景には、恐らく、「撤去提訴」の延長線上にあるより大きな慰安婦論争に手を染めることは社会的にも経営的にもマイナスと見たのだろう。
 その背景には、米経済誌「フォーブス」のウェブサイトに掲載された知日派の英国人ジャーナリストによる批判記事や、さらには有力大手顧客や法曹界からの「圧力」があったとされている。この点に関して同社は、筆者の問い合わせに一切答えていない。

いかに「前途多難か」を意味する目良代表のひとこと

 最後に原告の「GAHT」の代表、目良氏にコメントを求めた。同氏は、現状を報告するために3月と5月の2度にわたり日本を訪問している。3月には衆院議員会館の集会場で国会議員を集めて報告。5月にはインターネット「言論テレビ」で桜井よしこ氏と対談している。
 コメントは以下の通り。
「(メイヤー&ブラウン社が契約を解除したのは)かなりの圧力があったためだと想像している。(背後にいるのは)ユダヤ人だろうか。彼らがホロコースト慰安婦を一緒にするはずがない。だからユダヤ人ではない」
「(米法曹界の反応については)予期していなかった展開になっている。確かにショックだ」
「(連邦地裁が玄関払いした場合はどうするのか、という質問には)むろん、連邦高裁に控訴する。(軍資金はあるのかとの質問に)日本(の支持者)からカネはかなり集まっている。どのくらい集まったか、についてはホームページを見てくれ」
(*3月10日時点で寄付件数は1840件とあった。5月30日時点のホームページでは、寄付金総額については「現在公開を控えさせていただいております」となっている。理由は書かれていない)
 同氏は最後に「あなたはジャーナリストとして(裁判の行方について)どうなると思うか」と筆者に対して逆に尋ねた。むろん、筆者に答えはない。このように質問すること自体、公判が開始前から既に前途多難であることをいみじくも示している。