日本を憑依した詭弁の慰安婦論説
最近の日本の雑誌には正しい慰安婦論説が掲載されていない。以下の『正論』5月号や『WILL』5月号を見れば分かるように、専門の歴史学者の論説は皆無であり、右派政治家や右派ジャーナリスト、韓国語を教授している西岡力などが、間違いだらけの慰安婦論説を書いている。
有名なところでは、吉見義明中大教授や林博史関学大教授http://www.geocities.jp/hhhirofumi/11books.htm、永井和京大教授(『日本軍の慰安所政策について』)などの論文があるが、その他にも藤永壮大阪産業大教授の論文『戦時期朝鮮における「慰安婦」動員の「流言」「造語」を巡って』http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/64307470.html、伊明淑の『日本の軍隊慰安所制度と朝鮮人軍慰安婦』http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/64372378.htmlなど、第一次史料に髄拠した優れた論文が多く書かれている。
歴史に関する事なのだから、第一次史料に髄拠し、正確な歴史を描くようにすべきだが、右翼論壇では第一次史料も被害者の証言も無視しているので、歴史が極めて恣意的に語られる事になる。
被害者の証言については、”いちゃもん”をつけて文句を言うだけというのが、ウヨク論壇のやり方である。しかし林教授が『週刊金曜日』986号に書いているように、「個々人の数十年前の記憶に矛盾や不整合があるのは、他の体験者でもごく当たり前の事」なのである。
『正論』『WILL』誌はこうした恣意的歴史=修正論のメッカである。
2014年5月号だけでも、噴飯ものの「慰安婦論」がこんなにたくさん

『正論』5月号
新連載 月報・歴史戦争 No.1 平成26年2・3月
編集部
深層解明
元日本人慰安婦を「性奴隷」にした嫌らしい面々
元日本人慰安婦を「性奴隷」にした嫌らしい面々
ジャーナリスト 大高未貴
韓国に知らぬとは言わせない
河野談話「日韓合作」の舞台裏を暴露する
在米邦人が韓国人に苦しめられる元凶
「河野談話」見直しを阻む真の壁
ジャーナリスト 東谷暁

『WILL』5月号は「河野談話へ怒りの鉄槌」の総力大特集
○「徹底討論 河野談話の害毒」
藤岡;「安倍政権はいまのところは、歴史問題にかかわる大きなテーマについて、安直に正面突破作戦に出ることは避けている。外国やマスコミからの圧力で潰されたらおしまいですから」
「表向きは『見直さない』という戦後レジーム的な顔を見せながら、検証だけは進め、いずれかのタイミングで『検証の結果、見直すべきという結論に至った』と言えばよい」
阿比留瑠比
○地方議会「慰安婦意見書」を阻止せよ
倉山満
目良浩一
こうした質の低い著作物を読んでいると苦痛なので、私の友人たちは誰も読んでいないが、私は義務だと思って、一応眼を通している。あまりに馬鹿げているので、不快感に身をよじってしまうが。