河野談話を守る会のブログ2

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自分で墓穴を掘ってしまった大高未貴氏の公開した動画


                  安氏の指摘

安秉直(ソウル大学名誉教授)が、大高未貴氏の文春記事に対して、”歪曲”を指摘しているのは、次の3点である。



1.記事では『証言集1』に出てくる元日本軍慰安婦19名を、私がすべて面談調査したと書いていますが、私はその人々に対する調査資料の検討に全面的に関与はしたけれども、全員と面談調査したことがあると言ったことはありません

2.『証言集1』の調査の際、元日本軍慰安婦かどうかを確認するのが大変だったこと、そしていま再検討してみると、1名は軍慰安婦ではなかったようだと話したことはありますが、その調査の「実質的な調査失敗」を言及したことは全くありません。

3.河野談話は日本軍慰安婦に対する既存の研究と若干の軍慰安婦に対する事例調査に基づくものなので、日本軍慰安婦の存在を全面的に否定できない限り、事例調査に多少不明確な点があるからといって河野談話を否定することは日本にとって得策ではないと何度も忠告したが、大高氏は私がまるで「河野談話はおかしい」と言ったかのように事実を歪曲しました。

 

この指摘に対して、「いやあ、安先生、それは違いますよ。私の書いた通りなんです」と証明するために出して来た(はずの)大高氏の動画だが、ちっとも証明になっていない。

上の3点の指摘に対して、最後の河野談話の件は、まったくここでは触れてもいないし、この動画で触れている2点については、安氏の主張の通りである。



                 動画が語るもの

さて、大高未貴が公開した安氏取材の動画を簡単に文字起こししてみよう。見どころは、安氏が「面接調査した」か?「(19人について)実質的な調査失敗」などを述べているか、否か?である。



大高  「何人かお会いになったのですか?元慰安婦の女性と」

安   「こっちにのってた人はみんな私が接触した人で、こっちに載っていない人、この2倍以上私が調査したんじゃないですか?この中でも本当かどうか・・・・」

大高  「どういうところが矛盾?」

安   「ちょっと聞いてみたら、そんな事あるのかなあというような事が・・・・何人かの人はその人の話しているところ、資料に合わせて見たら・・・合わないところがたくさん有りましたよ」・・・・「こっちの中でもそういう人がいるのかなあ?」と首をかしげ、本を手に取る。

大高  「この中の人はそんな違和感なかったですか?」

安   「この中の人はだいたい慰安婦・・・」(本を見る)「失礼、   この人 間違い。慰安婦だとは言えないんじゃないでしょう   かね ぇ?」

 

ここで注目しておかなければならないのは、大高氏が安氏に「この(本の)中の人はそんな違和感なかったですか?」と尋ね、安氏は「だいたい(大丈夫だ)」と答えており、ただ一人だけ間違いがあったような事を首をかしげながら述べている点である。

安氏は一人だけは調査失敗を疑っていると言えるだろう。

しかし、大高氏の文章では


「この19人の証言も、今思えば、本当に事実かどうか自信がありません・・」
韓国ソウル、私の目の前で、その学者はため息をつきながらそう話した・・。

「証言 強行連行された朝鮮人慰安婦たち」
太鼓判を押された同書は、その後、反日活動家たちにとって日本を戒めるための「バイブル」として20年間存在し、本の中の慰安婦の証言は「反日プロパガンダ」に利用されてきた。
そんな「バイブル」を書いた安氏が、この19人の証言の信ぴょう性について、
実質的な「調査失敗」を認めた。
 

となっており、なぜか「全員の調査失敗を認めた」というニュアンスで書いている。

これでは「歪曲」を指摘されて当たり前である。



また安氏の指摘①では、「全員と面談調査したことがあると言ったことはない」という。

確かにその通りであり、この動画では「接触した」「私が調査した」と言ってはいるが、「面接した」などの文言が取れていない。

気のきいたジャーナリストであれば、ここは「面接されたんですか?」と聞き返して正確な文言を取ろうとするだろうが、大高氏の場合、文言をとらないで接触した」「私が調査した」という言葉を勝手に「面談調査」に変えてしまっている。

ちなみに安氏が自分で面接していないのは、慰安婦問題を専門とする我々の間では常識であり、前提として知っていなければならない知識の一つである。また安氏は日本語で対話が可能ではあるが、母国語のように使いこなせる訳ではないので、込み入った話は文書での応答を求めるべきだろう。

そもそも、こういった取材記事を書く場合、記事を書いた時点で、インタビューした安氏に「これでいいですか?」と内容の確認をするのが当然ではないだろうか?

それは、正確な事実を書くべきジャーナリストの努力というものだろう。大高氏が安氏と会ったのは、1月である。記事を書いて、安氏に送る時間は十分にあったものと思われる。

この動画の中で大高氏は、安氏と「日本語でメールのやり取りをしている」と述べており、もしそれが本当なら、安氏に記事になる前の原稿を送るのは簡単なはずである。
しかし、なぜかそうしておらず、記事が掲載されてから数日後に安氏がそれを知ったのである。安氏によれば「“報道しない”ことを前提に会って話をした」そうだから、大高氏の方は、話しつらかったという事情があったのかも知れない。






           


大高未貴公開動画


(なぜ、薄笑いを浮かべているのか?それは不安を感じているからだ。)
(しかし、慰安婦と言えば、吉田清治しか知らんのか?第2の吉田清治は宮平○○だろう)

安秉直(ソウル大学名誉教授) による反駁文
 
【翻訳】

                         

週刊文春410日号(2014年)に掲載された「慰安婦調査担当韓国人教授が全面自供」という記事は、ジャーナリストの大高未貴氏が私の発言を歪曲して自分が書きたいことを書いたものに過ぎません。
 まず、この記事が書かれた背景からお話しします。さる1、大高氏がある韓国人を介して執拗に面談を要請してきました。それでやむを得ず、“報道しない”ことを前提に会って話をしたことがあります。その時の私的な会話がこの記事の基礎資料になっているようです。同じ頃、『週刊文春』からも二度にわたって面談の要請がありましたが、それはすべて拒絶しました。ですからこの二つの面談要請がどのような関係にあるのか、私としてはまったくわかりません。
 次に、私の発言に対する歪曲の事例を挙げます。1.記事では『証言集1』に出てくる元日本軍慰安婦19名を、私がすべて面談調査したと書いていますが、私はその人々に対する調査資料の検討に全面的に関与はしたけれども、全員と面談調査したことがあると言ったことはありません。2.『証言集1』の調査の際、元日本軍慰安婦かどうかを確認するのが大変だったこと、そしていま再検討してみると、1名は軍慰安婦ではなかったようだと話したことはありますが、その調査の「実質的な調査失敗」を言及したことは全くありません。3.河野談話は日本軍慰安婦に対する既存の研究と若干の軍慰安婦に対する事例調査に基づくものなので、日本軍慰安婦の存在を全面的に否定できない限り、事例調査に多少不明確な点があるからといって河野談話を否定することは日本にとって得策ではないと何度も忠告したが、大高氏は私がまるで「河野談話はおかしい」と言ったかのように事実を歪曲しました。事実の歪曲はこれ以外にもたくさんありますが、この程度にとどめておきます。
 そして、その日は日本軍慰安婦問題の本質についても多くの話をしました。これまでの研究に基づいて、その日私が提示した日本軍慰安婦問題の本質は次の通りです。「日本軍慰安婦問題の本質は、上海事変1932)から太平洋戦争(194145)に至るまで、日本政府が日本帝国及び日本軍の占領地で多くの若い女性たちを徴集し、日本軍の後方施設である慰安所に留置して将兵たちの性的欲望を処理するための兵站として使用したことである」
 
                      201449