河野談話を守る会のブログ2

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最初から「結論有りき」 の「河野談話作成過程の検証」の問題点


最初から「結論有りき」の「談話作成過程の検証」の問題点


現在、「河野談話作成過程の検証」が安倍政権が選んだ識者によって進行中である。



従軍慰安婦:河野談話の検証チーム 初会合を先週開催

毎日新聞 2014年05月19日 
 政府が、従軍慰安婦への旧日本軍の関与を認めた河野洋平官房長官談話(1993年)の作成過程に関する検証チームの初会合を先週、開いたことが分かった。政府関係者が19日、明らかにした。
 政府は6月22日の今国会会期末までの検証結果の取りまとめを目指しており、国会報告後に結果は公表される見通し。ただ、菅義偉官房長官は「静かな環境で取り組んでもらう」として、検証チームのメンバーや会議の開催状況については明らかにしていない。【木下訓明】
 




新聞も読まないらしいバカウヨ達が、これを「河野談話の検証」と勘違いしているようだが、そうではなく「河野談話作成過程の検証」である。
そして、慰安婦問題の解決を目指す日本の各市民団体、NGO、韓国政府までもがこれに反対している。




当たり前の話しである。

安倍政権には、結論がすでに出ているからだ。

自民党の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が97年に発行した『歴史教科書への疑問』という本がある。この本の中では菅(現官房長官)や衛藤(現内閣総理大臣補佐官)も、歴史教科書から「慰安婦」記述を消すという目的の下、様々な意見を述べている。
この中で、安倍(現首相)はこういう。


「河野官房長長官は、当時つくられた日韓両国の雰囲気の中で、事実よりも外交上の問題を優先し、また証言者16人の聞き取り調査を何の裏付けも取っていないにも関わらず、軍の関与、官憲の関与があったと認め、発表したものである事も判明しました。」
 


この言い回しは西岡力氏や櫻井よしこ氏の論文、あるいは後に産経新聞が書いて来た事とまったく同じである。しかしこうした意見は河野談話を出した河野洋平氏の率直な返答を完全に無視している。

この「若手議員の会」に呼ばれた河野洋平氏は、こう述べたのである。

アジア外交を進めなければならない時代背景であったから、事実なかったものをあったようにこちらが事実を譲ったという事があったかと言えば、そんな事はありません。」
 

つまり河野洋平氏は政治的な取引により、事実を無視して談話を出したという意見を完全に否定したのだ。

にも関わらず、なぜか安倍氏はそれは無視し、「事実よりも外交上の問題を優先した」と断定、非難している。

これが今から17年も前の話しなのだ。

こうした意見を持つ安倍政権が選ぶ「作成過程に関する検証チーム」が出す結論がいかなるものになるのか?
最初から分かり切っているのである。

解釈改憲有識者チーム」が安倍政権の主張に沿うような意見に到達するための人選であるように、この河野談話作成過程検証チーム」の結論が安倍首相の主張に沿うものになる事は言うまでもない。
河野談話成立過程検証チーム」の人選は発表されていない。

マスコミや女性と菅は述べたが、櫻井よしこが入っていたり、産経、文芸春秋などから人選されているのだろう。最初から同じ意見を持つ人々が集まるチームが出す結論など最初から分かり切っている。

つまり、彼らはこう言うであろう。

・・・「河野談話は、韓国政府とのすり合わせの結果であり、事実を無視した外交的判断の所産である」・・・・となるだろう。

それが分かり切っているので、我々はこれに反対しているのである。



このような見解は事実を無視している。河野談話は当時としては分かっていた事を、それなりの根拠を持って述べているからである。もちろん韓国とのやり取りはあったに違いないが、だからと言って「事実」を変えてまでなされている談話ではない。
(それは、本ブログの「補助談話案」においても言及している。)





* 日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」から安倍政権には19人の大臣の内9人が、重要ポストを占めている。