河野談話を守る会のブログ2

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軍と大日本帝国の主体者としての責任



あるギャングの組織があったとしよう。組織のボスは、自分の組織の人間が満足するために売春宿が必要だ考えた。窓には逃げられないように有刺鉄線を張り、ひとつしかない出入り口には銃を持った子分を見張りにつけておけばいいだろう。こうして準備ができるとボスは、「よし女を集めてこい」と命じた。子分たちはだまくらかして誘拐したり、拉致した若い女性たちをつれてきて放り込んだ。毎夜のように強姦劇が始まった。毎晩、悲鳴やすすり泣く声がどこからか聞こえてきた。女性の中には、ギャングたちとウマくやろうとする者もいたから、時折乾いた驕声も上がったが、ボスは油断しなかった。どんな女だって逃げたいにきまっているのだ。女性の中には借金のかたにつれてこられた者もいて、すっかり諦めきっているように思えたが。その内、ある子分がこういった。「女たちを島につれていっちゃどうですかね?船でしか行き来できない島なら逃げ出す心配がないですから」・・・そしてそういうことになった。島では有刺鉄線も見張りも必要なかった。高速艇でさえ、1時間かかるここから逃げ出すことはできないからだ。

さてここで問題である。
ボスには、この強姦所の「責任がない」だろうか?
確かにボスは女を強姦してもいいシステムを作ったが、決して「誘拐したり、拉致した女たちを売春宿につれてこい」と子分に命じたわけではない。それどころか、子分に対しては「足がつかないように、拉致はほどほどにしろ。こっそりやれ」という通達さえ出していたのである。警察さたにはしたくなかったからだ。
そこで数年後、女に訴えられたボスは自分の無罪を主張してこういった。

「自分は子分に、「拉致はほどほどにしろ」と命じている。子分がそれに反して拉致したとしても、それはそいつの責任だろう。それからオレは女性に暴行したことがない。殴ったのは子分でありオレじゃない。責任はまったく存在しない。

しかし、このシステムを考案し、作ったのはまさにボスなのである。ゆえにかかる陰惨な「強姦」+「監禁」の「強制売春」が行われた首謀者としての責任がある。当たり前の話である。日本軍慰安婦問題における軍と国家の責任とは、これと同じことである。「日本軍慰安婦制度」はまさに日本軍が作ったのであり、そこに存在している陰鬱な「拉致」「誘拐」「強姦」+「監禁」の「強制売春」はこのシステムの副産物である。軍と大日本帝国にはその主体者としての責任が存在している。

こうした責任まで、”ほおっかぶり”しているのが、安倍政権である。