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では慰安婦問題解決にはならないが、その[合意]さえご都合主義的に破壊している安部政権」



「[日韓合意]では慰安婦問題解決にはならないが、その[合意]さえご都合主義的に破壊している安部政権」

ロシアのプーチンとの会談で、いいようにあしらわれ、まったく成果を上げられなかった安部政権。「北方領土4島の返還」あるいは「2島だけ」どころか、経済協力だけを約束させられてしまう始末。

インターネットの中ではネトウヨにさえ不信がられ、おそらく安部政権の支持母体の一つである日本会議などの右翼勢力の中にも、不満と不信が渦巻いているものと思われます。

こうした中で、安部が支持率維持・回復をはかるために使うのが、いつものように「慰安婦問題」であり、「平和の碑(慰安婦像)の撤去」問題です。

プーチン会談の後、しばらく前から朝日新聞時事通信に、アドバルーン記事が出ていました。アドバルーン記事とは、不確定な情報を出しながら、様子見をするための記事のことです。こうしたアドバルーンをあげて裏では細かく反応を分析しているはずです。

12月30日の朝日新聞の記事では、釜山に造られた少女像について、「安倍首相の側近が「まるで振り込め詐欺」と批判した」ということになっています。「振り込め詐欺」とはなかなか厳しいセリフですが、仮にこれに対して韓国政府が強く反発しても、正式な場での発言ではないので、「そのような発言はしていない」とか「探したが発言者は特定できない」とかいう言い訳が簡単にできてしまうのです。
これがアドバルーンの特徴といえるでしょう。要するに軽いジャブのフェイントを打っているわけです。

  (朝日新聞は、2015年末の合意直後にも、安部政権に指示を受
  けたとみられるアドバルーン記事を掲載していました。(このとき
  は韓国政府もいちおう反論しています。)あの吉田記事訂正謝
  罪会見以降、おそらく上層部は折れてしまい、安部政権と話が
  できているものと推測します。)

これは明らかに様子見なのを理解したのか、あるいは朴大統領の問題で弱っているためか、おそらく両方の複合的理由のため、韓国政府は「コメントしない」とのコメントを出しました。http://japan.hani.co.kr/arti/international/26099.html

そこで日本政府はこの問題について「韓国政府は強く主張しない」そして「人気回復の起爆剤になる」と踏んだのでしょう。
6日、安部はNHKの番組で、釜山の日本総領事館前に慰安婦を象徴する少女像が新たに設置されたことに関し、「(15年末の日韓合意に基づいて)日本は10億円の拠出を既に行った。次は韓国がしっかり誠意を示していただかなければならない」と述べました。

時事の記事では、「・・・と述べ、合意の着実な履行を求めた」という文章まで添付されています。

しかし、ここではっきりしておかなければならないのは、「日韓合意」には、「少女像の撤去」が10億円拠出の条件あるいは韓国政府が履行すべき義務としては述べられていないということです。それはただの付帯事項にすぎず、社交辞令的言い回しで韓国側は「・・努力する」と述べました。対して日本側は「期待する」としか言えませんでした。もし「少女像の撤去」が履行すべき合意内容であるなら、「期待する」という言葉にはならないはずです。

ゆえに安部のこのセリフは、お得意の「混同戦術」だと判断できます。これまで慰安婦問題で安部は「強制」という言葉と「強制連行」という言葉、「狭義の強制性」とか「狭義の強制連行」とかを混同して使いながら、「強制連行はなかった」という詭弁の政府見解を結論として打ち出してきました。

今度は、まるで「少女像の撤去」が合意内容であるかのような言い回しをし、上から目線で早く、履行せよ、と煽ってみたわけです。さらに「ソウルの」でさえなく「釜山の」少女像が、合意内容に何が関係するというのか?
合意内容でもないものを合意内容であるかのように述べて履行をせまることによって、安部は「合意内容」を破壊しているといえるでしょう。

しばらく前に時事通信は、日韓合意は「ソウルの日本大使館前の少女像撤去などを目指している」という虚偽を述べながら、私有地に建てられたオーストラリアの少女像まで「合意」に関連つけて非難していました。

また時事に関しては、8月には尹美香氏の発言をねつ造し、敵意を煽っている記事を掲載し、[日本軍慰安婦問題解決全国行動]から抗議を受けています。

右傾化が進み、安部政権とつながることで、腐敗が報道機関にも進行しているのです。
この詐欺のような政権と報道機関を今後我々はどうするか考えなければなりません。
船頭が、愚か者で嘘つきであるというのに、民主主義下に生きる我々は船頭を変えることもできないのでしょうか?