「朝日が「強制連行20万人」説を流布した」というがおまえの方も書いとるやないか、の巻
さて読売は、過去の記事を読み返した方がいいという話をしたので、もう一つ並べて置こう。
ここで読売新聞は、「朝日報道による信ぴょう性の補強で、慰安婦「20万人」説が拡散していった面は否めない。」なんて書いているのだが、これがまた相当ふざけた記事なのだ。
さらに読売新聞取材班は『慰安婦問題世界の眼日本の声』で「朝日が日韓両国で注目を集めたスクープ記事で最大20万人という数字を使ったことで・・・・・慰安婦の「強制連行20万人」説が流布されていった面は否めない」と書いている。
しかしその5年も前の1987年8月14日の読売は夕刊に「従事した女性は二十万人とも三十万人とも言われている」「多数強制的に徴発されて戦場に送りこまれた」と書いていたのである。
掲載しておこう。
「従事した女性は二十万人とも三十万人とも言われている」なんて書いているが、20万人は後の歴史学者の説だが、1987年までに「三十万人」説なんて唱えていた人はどこにもいない。一体この数字はどこから持ってきたのか?
謎すぎる。
「半ば強制的に動員されたおとめらも多かった」
「朝鮮半島の娘たちが多数強制的に徴発されて戦場に送りこまれた」
「昭和17年以降、女子挺身隊の名の下に」
とも書いている。
読売は自社記事を棚に挙げ、なぜこれよりも5年もあとの朝日新聞が「強制連行20万人説が流布」した原因になったと説くのか、きちんと説明すべきだろう。
ところで、慰安婦「20万人」説を書いても別に何の問題もない。そういう歴史学の説があるからである。歴史学者の中には40万人説を唱えている者もいる。「河野談話を守る会」では、40万人説を支持してはいないが、40万人説を誰かが書いても糾弾するようなものではあり得ないのである。