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性欲は慰安所によってコントロールされたか?

 
まずここから始まった。
 
 
 

橋下氏慰安婦発言:記者団との一問一答(要旨)

毎日新聞 2013年05月14日 00時16分(最終更新 05月14日 13時07分)
 橋下氏と記者団の一問一答(要旨)は次の通り。
 ■13日午前
 −−日本の植民地支配と侵略を謝罪した村山首相談話について。
 「侵略」に学術上きちんとした定義がないことは安倍首相の言う通りだが、敗戦の結果として侵略だということは受け止めなければいけない。ただ、事実と違うことでわが国が不当に侮辱を受けていることに関しては主張しないといけない。
 従軍慰安婦問題も、意に反してそういう職業に就いたということであれば配慮しなければいけないが、なぜ日本だけが取り上げられるのか。慰安婦制度は世界各国の軍が活用した。朝鮮戦争ベトナム戦争でもあった。銃弾が飛び交う中で命をかけて走っていく時に、精神的に高ぶっている集団に休息をさせてあげようと思ったら、慰安婦制度が必要なのは誰でも分かる。韓国とかの宣伝の効果でレイプ国家というふうに見られてしまっているのが一番問題だ。
 ■13日午後
 −−従来より踏み込んだ発言だが。
 聞かれなかったから言わなかっただけ。当時の状況で(慰安婦制度を)活用していたのは事実。自らの意思でそういう職業に就いた人もいたでしょうし。現代社会だって風俗業が職業としてある。
 −−慰安婦の意に反しても必要か。
 意に反して慰安婦になったかどうかは別にして、軍の規律維持のために、慰安婦制度は当時は必要だった。
 −−今は。
 認められない。慰安婦制度じゃなくても、風俗業は必要。普天間飛行場に行った時、「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったら、米海兵隊司令官は凍り付いたように苦笑いして「米軍では禁止している」と。建前論ではだめだ。そういうものを真正面から活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーはきちんとコントロールできない。
 −−活用していないから事件が起きるのか。
 活用したから(暴行)事件が収まるという因果関係にあるようなものではない。
 −−世界各国が活用したと言うが、どこか。
 米軍も活用した。沖縄の占領時代も、日本人女性がそういう商売に携わっていたのは事実。いいか悪いかは別として、あったのは間違いない。なぜ世界で日本が非難されているか国民はもっと知っておかないといけない。軍や政府が国を挙げて慰安婦を暴行脅迫拉致したという証拠が出れば、日本国として反省しないといけないが、今のところはそういう証拠はないと政府が閣議決定している。
 
 


 
 
 
要するに、軍人の性のコントロールには、慰安婦制度のようなもので性欲を発散させなければならないのだという意見である。
まるで、「日本軍は慰安所を造ったから強姦が減った」とか言いたいようだが、そんな事実がどこにあるのだろうか?
 
それで橋下に聞きたいが、「慰安婦制度を設けた日本軍の軍人の性欲がそれによってコントロールされた」という証拠が何かあるのだろうか?
 
慰安所を作ったからと言って、軍人の強姦は減っていない。
むしろ増えてるんじゃないかという指摘があるくらいである。
 
 
慰安婦問題を専門とする歴史家・林博史教授もこう書いている。
 
「・・・・慰安所を造ったから強姦事件が減ったのかというと逆でした。・・・・・末端の部隊では女性を拉致してきて監禁強姦をする慰安所もどきが造られ、あるいは慰安所に行くとお金がかかるが強姦ならタダだと強姦を促す要因にもなりました。」
 『村山・河野談話見直しの錯誤』 林博史著P24)
 
 
慰安所を考案した岡村司令官は「・・・・第6師団のごときは、慰安婦団を同行しながら、強姦罪は跡を絶たない有様である。」(『岡村寧次大将資料』戦争回想篇)と書いている。
 
慰安婦研究の第一人者である吉見義明教授も「慰安所制度の導入が強姦防止にあまり役立っていないのである・・・」(『従軍慰安婦』P44)と書いている。
 
 
 
 
 
また
 
 
 http://exdroid.jp/d/56672/
デリヘルに勤務する現役風俗嬢の女性は、「わたしたちの仕事は性犯罪の代用品じゃありません」と発言。「わたしはデリヘルやそれに類する性風俗では性犯罪の代わりを果たせないと考えております」「『活用』されても暴力は減らないと思います。性犯罪をしたい人は、店で提供されるような性的サービスを受けたいわけではないからです」などと発言した。
 
つまり、慰安所のおかげで強姦が減るとは到底言えないのである。
 
もう少し実証的な考え方をして欲しいものである。
 
 
 
フロク 
 
琉球新報社説;   橋下氏釈明 認識の根本が誤っている 2013年5月18日
 
沖縄の米軍に風俗業の活用を勧める発言の釈明として、橋下徹大阪市長は「国際感覚が足りなかった」と述べた。だが、彼に何より足りなかったのは人権感覚だ。人間認識の根本的な誤りに気付いていないのが問題なのだ。
 橋下氏は「米国の風俗文化の認識が足りなかった」と述べた。風俗文化の知識の多少が問題だったという認識なのか。あきれてものが言えない。
 さらに、「風俗」が売春を意味するか否かなど、どうでもいいことに問題をすり替えようとしているが、問題は別にある。「海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロール」するはけ口として、生身の女性をあてがおうとする発想そのものがおぞましいのだ。
 「あてがわれる」立場に自分が置かれたら、と想像してみるがいい。橋下氏は、そんな最低限の想像力も持ち合わせていないのだろうか。その欠如は許し難い。
 「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と述べたが、「分かる」はずがない。周りを自分と同じだと思われては迷惑だ。
 しかも彼は、自らの沖縄への差別的まなざしにも気付いていない。在沖米軍に言うからには、あてがう場所は沖縄が前提だろう。そのような施設を、自らの足元の大阪市にも置けるのか。
 橋下氏の持論はそもそもの前提が間違っている。風俗活用発言は米兵の事件抑止が狙いのようだ。強姦犯は性衝動に突き動かされて犯罪をするという発想が前提にあり、風俗の活用がその処方箋になると考えているのは明らかだ。
 では彼は、風俗がなければ性暴力が発生するというのか。典型的な「強姦神話」であり、前世紀の遺物的発想そのものだ。強姦犯は、衝動どころか用意周到に場所と機会を選んでいる卑劣漢だというのはもはや常識だ。
そんな常識と正反対のジェンダー意識を持つ人物が21世紀の今、行政のトップ、公党の代表であることが信じ難い。
 橋下氏は、女性をモノ扱いしただけでなく、「強姦神話」を前提にすることで、男性をも愚民視しているのだ。
 橋下氏は、発言の背景として「それくらいのことを言わなければいけないくらい、沖縄の状態は鬼気迫るものがあるということ」と述べた。いったい誰が頼んだというのか。沖縄にこと寄せて、さも沖縄の代弁者であるかのように装うのはやめてもらいたい。