『よくわかる慰安婦問題』の冒頭P3で自分を「専門家」としている。
しかし、彼を「専門家」として認めているのは、右派論壇だけである。少なくとも当「河野談話を守る会」ではまったく専門家として認めていない。
その理由は論説がデタラメだからである。
例えば以下のような主張だ。
(略)「河野談話」が出て五年くらいたった時、中川昭一さんが会長となった「日本の 歴史教育を考える若手議員の会」が「慰安婦問題」の検証作業をしました。私も 出席していたのですが、外政審議室の人が出てきていたのでその人に、「この『 河野談話』の官憲等という記述は何なのか。この記述が問題だと思う」と言った ら、「これはインドネシアにおけるオランダ人を慰安婦にした事例だ」と言う。
調べてみると、数カ月ですが本人の意志に反してオランダ人を慰安婦にした事例 がありました。しかし、その軍人らはインドネシア駐留軍の上部から軍規違反で 処罰され、慰安所は閉鎖になった。処罰されたということは、組織として「強制 」していないということです。しかも戦後、その軍人らはBC級戦犯として死刑な どになっています。
(略)
恐ろしい事に、こんな短かい文章なのに、いくつもの間違いが混入している。
「その軍人らはインドネシア駐留軍の上部から軍規違反で 処罰され」たような事実は無い。
ゆえに
「処罰されたということは、組織として「強制 」していない」などとは到底言えない。
のだそうだが、何も調べていないクセによく言う。
ブレラで引き起こされた「集団強姦+監禁、強制売春」事件は、20人余のヨーロッパ人女性を2軒の家に監禁して、さまざまな連隊が通りがかるたびに強姦したという悪質なモノだった。同じような事がスマラン、マゲラン、ボンドウォソ、マラン・・・などでも引き起こされた。http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/64501562.html
西岡が述べているのは右派が唯一、名前だけを知っているらしいスマラン事件(白馬事件)だろうが、スマラン事件では軍が処罰しなかったので、その責任者や実行犯はその後も順調に昇進している。
憲兵が再び女性を連行し、「集団強姦+監禁、強制売春」事件を引き起こしている(フロレス事件)。もしスマラン事件で、「処罰されていた」なら、同じような事件がすぐに同じ場所で、繰り返されるわけがない。 http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/64688975.html
ゆえに「処罰した」というのは、西岡の妄想でしかないのだ。
インドネシアでスマラン事件以外にも複数の事件が引き起こされたことは、1994年ーーつまり、河野談話の翌年には、オランダ政府によって調査され、日本政府にその調査報告書が送られている。この報告書はいうまでもなく公文の報告書である。
そんな事も知らない「専門家」がどこにいるんだ?
この自称「専門家」が、こんな風にデタラメを文章にして流すために、文芸春秋社では、慰安婦問題について投稿する論者も、編集者さえ「オランダ政府の調査報告書」をまったく知らないというバカげた事態を招いている。
おかげで、間違いだらけの「慰安婦論」が巷に流れているのである。http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/64733524.html