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「対象となる本を読まないでカスタマレビューを書くネトウヨたちの誹謗・中傷あふれるアマゾンのサイト」と「桜内元議員の発言」の類似性について


     対象となる本を読まないでカスタマレビューを書くネトウヨたちの誹謗・中傷あふれるアマゾンのサイト

ウェブで本などを販売しているアマゾンには、カスタマレビューを書く欄がある。
本のカスタマレビュー(評論・批評)なのだから、そこには前提となる条件が存在している。
それはその本を読んでいる事である。
ところが、ご多分にもれずネトウヨたちが、ここにも進出。読んでもいない本のカスタマレビューを書き散らした。
もちろんそれは気に入らない本を罵倒するためだ。

反日」「左翼」「国賊」「売国奴」「朝鮮人」「パヨク」・・・と彼等の間で噂となっている人物を、非難・批判・悪言・罵倒・誹謗・中傷するためのカスタマレビューなのである。

読まずに書くのだから、トンチンカンなものなのだが、汚い言葉を並び立てることで、この本は(あるいは本の作者は)評判が悪いのだという印象を与えたいらしい。恐ろしく妄想的であり、歪んでいるが、おそらくそれは彼等にとっては、「愛国行動」なのである。

そうした「非難・批判・悪言・罵倒・誹謗・中傷するためのカスタマレビュー」が大量に書かれているのが、吉見義明氏(中央大学教授)の一連の著作物である。「吉見義明」でグーグル検索すると上から3番目くらいに出て来るのが、このアマゾンサイトであり、それだけ多く利用されているという事なのだろう。ためしに吉見氏の著作の一つ『従軍慰安婦』のカスタマレビューを読んでみると、卒倒しそうなものが並んでいる。

例えば
2014年4月14日に

資料が小説や日記等の信頼性の低いモノを引用しており、想定ばかりで根拠が薄いです。
典型的な左翼本かと思います。

なんていう短い文章をカスタマレビューに書いているのだが、『従軍慰安婦』には小説を根拠に論説を展開したものはない。小説を大量に使っているのは、朴裕河の『帝国の慰安婦』である。日記は当時の将兵が書いたものなら、立派な一次資料である。一体何を言っているのか?

小学生の読書感想文でもこんなものは書かないだろう。

ところがこれを79人が「役に立った」を押している。ネトウヨの別アカがあるとは言え、かなりの人数が参考にしたわけだ。


2013年8月4日の久米の仙人という投稿者はこんなことを書いている。

まれにみる「天下の悪書」とは、こういうのを言うんだろう。
まさに、自虐史観GHQ史観、東京裁判史観)のかたまりだ。
強制連行された「従軍慰安婦」など、とっくに「ねつ造」ということが証明されている。
吉見義明は、速やかに、誤りを認め、謝罪しなければならない。
どれだけ、日本を、おとしめたか。 重罪であり、万死に値する!

【追加】
2013.8.7 <ビルマ慰安所で働いていた、朝鮮人男性従業員の日記を発見>のニュースを読んで。 
何だ、慰安婦は、現在のソープランド嬢と余り変わらない日常ではないか。
何が、「強制連行」、「性奴隷」だ。 いい加減にしろ! バカモノ!


憎しみの籠った、まるでアジビラみたいな文章である。とてもレビューなどとは呼べないレベルだが、このアジビラに133人が「役にたった」を押している。

吉見義明氏は、慰安婦問題でこれまで多くの研究論文を発表して来た。その内容はかなり優れたものであり、読んでいればこんな小学生の造ったアジビラみたいなものにはならない。吉見氏のどの記述が「速やかに、誤りを認め、謝罪しなければならない」というのだろうか?

ここで、「強制連行された「従軍慰安婦」など、とっくに「ねつ造」ということが証明されている」と書いていることにも注目して欲しい。誰が、どう「捏造したことを証明した」というのか。
(何ら証明されていないことを「証明された」と主張しているのが、桜内氏とよく似ている。)

慰安婦の強制連行は、「狭義の強制連行」と安倍が呼んだものでも、占領地ではよくあったことであり、インドネシア、フィリピン、中国などで事例が確認されている。朝鮮半島について言えば、安倍さえも「広義の強制連行」とやらは認めている。(こうした「狭義」「広義」という分類自体がバカみたいだと私は考えるが)

吉田清治氏のことなら、吉見氏は最初から一度も吉田清治氏の著作・証言を論文に採用した事がない。読んでいれば、おそろしくトンチンカンなこんな中傷を書くことはできないはずだ。

また朝鮮人男性従業員の日記』は、それを研究した安秉直教授自身が解説で「このような軍慰安婦らの置かれていた境遇を「性的奴隷状態」と捉えてもさしつかえないのではなかろうか」と結論している。
そういう事も知らないで書いているらしい。

カスタマレビューの名を借りたいわれの無い誹謗・中傷が盛んになされているのである。

ところが、これと非常によく似た発言を、あろうことか国会議員の立場で、なおかつ外国人特派員協会という世界の報道関係者が集まる場で行った者がいる。桜内文城氏である。



        
桜内氏は「吉見さんの本が引用されておりましたけれど、これはすでに捏造だという事がいろんな証拠によって明らかにされております」と述べている。誰が聞いてもそれは吉見氏の本が捏造だ、と言っているのである。


  ②読んでもいない本を「捏造だ」と述べた桜内文城

一審の第8回口頭弁論の本人尋問の中で、桜内氏は自分で、この発言をした時点では吉見氏の著作『従軍慰安婦』を読んでさえいなかったことを述べたのである。


イメージ 1

(『調書』より抜粋)

読んでいないのに、「吉見さんの本が引用されておりましたけれど、これはすでに捏造だという事がいろんな証拠によって明らかにされております」と言ったのだ。どうなってるんだろ、この人?

もしよしんばこの「これは」という言葉が、彼等が裁判の中で主張したように「吉見の本の中の性奴隷説」であったとしても(それさえも有り得ないが)、その場合でも読んでなければ、そんな主張はできないはずである。
読んでもいない著作物を引き合いに出して、知ったかぶって「吉見さんの本が引用されておりましたけれど、これはすでに捏造だという事がいろんな証拠によって明らかにされております」と述べたのだろうか?

意味がまったく分からない。
司会者が吉見氏の本をあげました。それで自分もその本を読んでいたので、「吉見さんの本が引用されておりましたけれど」と述べて文句を言いました。・・・というならまだしも理解もできる部分もあるのだが。

しかし、読んでもいない著作に関して、あれこれ文句を言う・・・という。多分、これを理解できるのはネトウヨだけなのだ。

これは我々の前提を崩してしまっているのである。ある著作について文句を言いたくなることはもちろん誰でもあるわけだが、それはその著作を読んでいる場合に限られる。読んでもいない著作の内容をあれこれ言うなんて、アマゾンに巣食うネトウヨたちと同レベルではないだろうか。



さて、昨日12月15日には、高裁判決が出た。http://www.yoisshon.net/

2016年1月20日の東京地方裁判所の判決に続き、これがまたとんでもない内容である。https://drive.google.com/file/d/0B79rvd3pXzJ_WWZwVGZySFZ3T3M/view

地裁判決の大半を却下しているのだが、新たに登場した「当裁判所の判断」なるものも酷い。これもまた、何だかネトウヨみたいなのである。いやA弁護士は、「ネトウヨ以下である」と言う。次回はこれについて解説しよう。狂った世の中に、「従軍慰安婦問題否定論」という狂ったアダ花が咲き乱れている。それは、大日本帝国軍隊を賛美し、被害事実を吹き消したいという下劣な欲望に端を発している。


裁判所の内実については以前書いたこれを参考にされたい。














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