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「日韓基本条約で解決論をめぐって」読売新聞の報道が官邸垂れ流しの件

 
 
 
読売新聞
韓国大統領、徴用工「解決済み」と発言を修正 8/25(金) 22:33配信

文氏は、1965年の日韓請求権協定で解決済みの「徴用工」の個人請求権が消滅していないとする17日の記者会見での発言を修正し、同協定で解決済みとの考えを示した。

 文氏は17日の記者会見で、「両国間の合意(日韓請求権協定)が個人の権利を侵害することはできない」などと述べ、元徴用工の日本企業への個人請求権が消滅していないとの考えを示していた。韓国大統領府関係者によると、文氏は25日の電話会談で「この問題は韓日条約日韓基本条約)で解決され、韓国政府も(元徴用工への)補償を行っている」と説明した。
 
ところがハンギョレ
 
文大統領と安倍首相、強制徴用個人請求権をめぐり電話で“神経戦”
文在寅(ムン・ジェイン)大統領と日本の安倍晋三首相が25日、日帝強制占領期(日本の植民地時代)の強制徴用被害者問題をめぐって電話で神経戦を繰り広げた。「強制徴用問題はまだ解決されていない」とした文大統領の最近の発言について、「日本国民の間に少し心配が声があがっている」と述べる安倍首相に、文大統領は「個人請求権は別問題」という論理で対抗した。

文大統領は、安倍首相に「この問題は韓日基本条約や韓日会談で解決されており、韓国政府も補償を行ったが、私が言っているのは、韓国最高裁(大法院)が国家間の問題ではなく、被害者と企業の間に残っている個人的請求権まで解決されたわけではないという趣旨の判決をしたということ」だと応酬した。文大統領の発言は「韓日会談」や「12・28韓日慰安婦合意」など、政府レベルの合意で全ての問題が解決されたという日本の主張とは異なり、日帝強占期の被害当事者個人の請求権まで制限することはできないという韓国政府の立場を明らかにしたものと言える。両首脳の神経戦は「状況をきちんと管理し、成熟した関係に発展させるべき」(安倍首相)、「このような問題が両国の未来志向的発展に障 害にならないことを望んでいる」(文大統領)という対話でいったん終わった。
一方は、「文氏は主張を修正し、同協定で解決済みとの考えを示した」ことになっており、他方は「文大統領は「個人請求権は別問題」という論理で対抗し、被害当事者個人の請求権まで制限することはできないとした」ことになっており、まるで違っている。
 
発言の細部の詳しさから言っても、どちらが正確かはいうまでもない。

1992年頃から、右派論壇で唱えられた「1965年の日韓請求権協定で解決済み」論の問題https://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/66002276.html慰安婦問題以外の全ての戦前・戦時補償の問題に深刻な影を投げかけてきた。そして今日では、従来「個人的請求権は残っている」と述べてきた日本政府も大幅に趣旨変えをしており、「個人的請求権も無くなっている」事にしているのである。
こうした姿勢では、韓国側と対立してしまうのは当然である。

日本政府(安倍官邸)としては、どうしても「1965年の日韓請求権協定で解決済み」という事にしたかったのか?
あるいは、この支持率低下の中、電話会談で文大統領を説き伏せたという架空の成果をもって右派にアピールしかったのだろうか?

この手の安倍活躍の幼稚なストーリーは、官邸、自民党、産経系列、右派論壇とネトウヨたちによってしばしば創作されている。我々にとって安倍はせっかく根づいて来た戦後民主主義を根こそぎ引き抜いて、戦前社会を蘇らせようとする者たちの代表でしかないわけだが、彼らにとっては英雄なのである。
そして読売新聞(おそらく政治部)がやっている事は、虚偽に満ちた大本営発表の垂れ流しである。しかしそれを指摘し、対抗する大新聞は日本には無い。慰安婦問題で日本の新聞が流す情報がまるでアテにならなくなったのは、13年ころからであり、当会でも海外からの「慰安婦」問題情報を逐一チェックするようになった。

かつて末期の大日本帝国では、半分右翼と軍部の脅迫・圧力により、また半分自発的に報道機関が軍閥と政府の走狗となり果て、あの救いようの無い戦争を「聖戦」として煽りたてた。その歴史を極端に辿っているのが、産経、読売であり、もはや政府御用新聞になり下がっている。控えめにその道を辿っているのが毎日、朝日である。今日報道機関が、煽りながら大本営発表を垂れ流しつつあるのは、「歴史戦」あるいは「歴史思想戦」と言われる分野である。その分野が政府を巻き込んで、敵(中韓、左翼、反日日本人)をやっつけるーーまるで戦争のようになっており、その先兵がネトウヨである。だから、政府も加担して米国でやっているグレンデール訴訟が、まったく歯牙にもかけられずボロ負けしてもそれを報道する大新聞はないのだ。また未婚女性にたいしてセクハラ捏造した産経の記者に対して、報道の自由を取り違えしながら韓国を批判する報道一色となったり、ソウルの慰安婦少女像に関して「合意の約束を守れ」式の詭弁論調だらけになる。

読売新聞の御用新聞ぶりは、最近とみに目立つようになった。
加計学園問題が浮上し、官邸が恐れていた”元文科省の大物”=前川前次官が証言しはじめると、おびえた官邸は読売新聞の記者を使って、報復するとともに口封じに動いた。
こうして高木のパンツ泥棒は報道しなかったくせに、天下の大新聞が前川氏の「出会い系バー」通いを、まるでタブロイド紙のように売春や援交疑惑混じりで報じるという失笑ものの報道がなされた。
夕刊フジ」あたりがお似合いだが、販売部数を「日刊ゲンダイ」に押されて見る影もない「夕刊フジ」では、役不足だったのだろう。おかげで読売新聞はただのタブロイド紙へと進化したのである。

ものごとは解釈次第かも知れない。しかしもはや解釈というレベルではなく、安倍政権、右翼(国粋主義者)の側に立って報道している読売新聞の問題は深刻である。
文氏が本当に、【1965年の日韓請求権協定で解決済みの「徴用工」の個人請求権が消滅していないとする17日の記者会見での発言を修正し、同協定で解決済みとの考えを示した。】のかどうか、読売新聞にはぜひ詳しい話を書いていただきたいものだ。
恥の上塗りをしたければ・・・の話である。