河野談話を守る会のブログ2

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昔の朝日の記事と大日本帝国憲法復活を狙う安倍首相の本源

下の朝日の記事ですが、歴史修正論から憲法改悪に向かう安倍の姿がよく分かります。
特にこの部分が印象に残ったので記録しておこうと思います。

自民党リベラルは、占領は結果オーライということだった。しかし、安倍さんはそれがいけないと言い続ける。・・・・・・・」
 「従軍慰安婦」でアジアとギャップがあるだけでなく、「占領」というもうひとつの歴史認識アメリカとギャップを生めば、安倍政権は孤独の道を歩む・・

「占領は良くなかった」と考える安倍首相。「東京裁判史観に洗脳された」とか考えているわけだろう。そこで東京裁判以前の国家を再興しようとする指向性が出て来る。こうして大日本帝国化を謀る自民党憲法が登場する訳だ。

安倍の祖父である岸信介の念願だった大日本帝国憲法の復活したい安倍。
祖父岸信介は、民主主義否定論者だった。民権論を否定し天皇絶対主義を掲げる上杉慎吉の興国同志会に属し、国権論を唱える北一輝に影響を受け、選ばれたエリートによって計画的に社会政策、経済政策を遂行する統制社会を実現する「国家社会主義」を目ざしている。やがて1941年東条内閣の商工大臣となり兵器生産や兵站物資製造に生産力を集中させる政策を打ちだし、そのために朝鮮人を徴用し軍需生産力拡大をした中心人物。
その朝鮮人徴用で、酷い扱いをした麻生炭坑の孫を仲間に置くとは因縁という奴か?
国家社会主義(経済統制と国民総動員体制)へと『日本改造』を実行し、アジアに対しては『東洋平和』推進者を鼓吹して侵略戦争に加担した。日本改造の指向性が現在の安倍首相とよく似ている。

特高を使って陰惨な思想弾圧を繰り返した東条秀樹の仲間であり、やがて敗戦後A級戦犯となり追及されるが、この頃アメリカは日本を「共産主義に対する防波堤」と位置づけはじめた。そこでアメリカの協力者になることを交換条件に戦犯不起訴となる。

さらに安倍首相とは公式には関係ないが、同じ山口県田布施出身の同じ名字の安倍 源基という人物がいた。この人は特高のあらゆる悪逆を指示した人物であり

小林多喜二拷問死の責任者であり、

戦後は、東條ら7名の処刑の翌日の1948年(昭和23年)12月24日に釈放、公職追放となる。右翼団体を組織しやはり大日本帝国憲法復活を目指した。
 






<ニッポン人脈記>安倍政権の空気⑯ 少女に甘言「拉致と同じ
朝日新聞」 2007.03.28 東京夕刊 1頁   
 1月末、米下院に「慰安婦決議案」が出されて以来、中央大教授吉見義明(よしみよしあき)(60)のもとに欧米メディアがたびたび質問に来る。
 「シンゾー・アベは拉致問題には熱心だが、従軍慰安婦に対する態度と矛盾するのでは?」
 「従軍慰安婦」研究者の吉見も、このふたつの問題に共通性を見いだしている。
 拉致被害者も、「いい仕事がある」などと「甘言」にだまされ、連れ去られた例がある。朝鮮人の少女が業者から「赤いワンピースと革靴」を見せられ、「いい暮らしができるよ」と戦地の軍慰安所に送られたのもまた、「甘言」による「拉致」ではないか。
 「今風にいえば、軍が業者にやらせる方が効率的だとアウトソーシングしていたのです。安倍さんが拉致問題に熱心に取り組むのは正当だけれど、従軍慰安婦にも同じ態度で臨まないと国際的に理解されないんじゃないか」
 慰安婦問題が国際的に知られるのは、92年2月、いま龍谷大教授の戸塚悦朗(とつかえつろう)(65)がジュネーブの国連人権委員会で「性奴隷」として告発、日本政府の補償と国連の調停を求めたことがひとつのきっかけだった。
 スモン訴訟や精神障害者の人権問題に弁護士としてかかわった戸塚には、韓国の元慰安婦や支援組織もまた「依頼人のように思えて」、ソウルに通い、のめりこんだ。「『河野談話』は、反省とおわびを述べるだけで、国家の責任を認めていない。でも従軍慰安婦は犯罪なんですよ。北朝鮮の拉致と同じ犯罪なんですよ」
 戸塚は、戦前の裁判所が慰安婦集めを「犯罪」としたケースを発掘、04年に発表した。若い女性をだまして軍慰安所に送り込んだ業者を、国外移送誘拐罪で罰した長崎地裁判決である。だが戦争が拡大、官憲は見て見ぬふり、不処罰のヤミの世界になる。
 「拉致はあれだけ追及し、慰安婦にはそっけないではダブルスタンダード。安倍さんは国家を愛して、人間に向き合っていないのではないでしょうか」
 米下院や米ジャーナリズムと日本の対応の差は、国際人権感覚のギャップかもしれない。
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 安倍と国家--。
 総務相菅義偉(すがよしひで)(58)は、歴史教科書をめぐる「若手議員の会」で安倍と出会う。「ほんとうにおつきあいしたのは北朝鮮の万景峰(マンギョンボン)号の入港禁止のときですよ。山本一太(やまもといちた)、河野太郎(こうのたろう)らと6人で議員立法に動いたとき、応じてくれたのが官房副長官の安倍さん」
 秋田の高校から集団就職で上京、段ボール工場などで働きながら一念発起、法政大学、政治家秘書、横浜市議、国会へ。「ああ上野駅。なつかしいですね」。自民党総裁選で金融相山本有二(やまもとゆうじ)(54)とともに「再チャレンジ議連」を仕掛け、安倍を助けた。テレビのあり方に強い態度が目立つ。
 「安倍内閣は歴史的必然性の中の政権ですよ。憲法教育基本法も人間の骨格です。国民はそこに限界を感じて、あたりまえの国をつくろうとしているのです」
 でも、安倍さん、慰安婦について「強制性を裏付ける証拠はなかった」と強調することはなかったのでは? 「あの人、むきになるんですよ、そういうところ」
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 東大教授の御厨貴(みくりやたかし)(55)は政治史研究が専門、昨年、安倍の祖父の岸信介(きしのぶすけ)の生地、山口県田布施町の郷土館に行って岸の日記や手紙を調べた。「まだ未整理の資料がいっぱいある。岸は外国にいくと、夫人に毎日、絵はがきを書いているんですよ」。岸は巣鴨プリズンで「反米」だったけれど、首相としては交渉相手の米国と意を通じつつ対峙(たいじ)する合理主義者だった。
 御厨が「危ない」と感じるのは、安倍が「憲法は占領下でつくられたから改正する」とこだわっている点である。
 「自民党リベラルは、占領は結果オーライということだった。しかし、安倍さんはそれがいけないと言い続ける。いま自信を失っているアメリカにとって、日本占領は数少ない成功モデルなんです。それなのに、アメリカが肩入れした岸の孫がなんでそんなことをいうのかと」
 「従軍慰安婦」でアジアとギャップがあるだけでなく、「占領」というもうひとつの歴史認識アメリカとギャップを生めば、安倍政権は孤独の道を歩むことになるかもしれない。(早野透