【シリーズ右派の慰安婦論にメスを入れる】 ここが変だろ!!右派論壇の造った「慰安婦神話」
右派が述べて来たウソ・デタラメ
そこから生まれた右派の慰安婦神話を解析する
01
小林よしのりの主張には、どんな考え違いをしたらこうなるのか?さっぱり分からないものがたくさんあるが、これはまた何んな先入観に憑かれたのだろうか?
正直「バカじゃないの?」というしかない。
〇「日本人の慰安婦の方が多かったのに、全く問題にされなかったのは左翼の運動に適していなかったから」
名乗り出た被害者たちに対しては、韓国、フィリピン、台湾、中国、インドネシアなどすべからく支援団体が生まれたのであって、もし日本人慰安婦が名乗り出て「国家補償」を求めたとしてもすぐに支援団体が生まれただろう。
ところが、91年以降のラッシュの中でも日本人元慰安婦は名乗り出なかった。その事情についてはここに書いている。
〇「日本人の慰安婦の方が多かった」も、一つの説にすぎず、人数や民族比率に関して確実な資料が残っている訳ではない。そこで歴史学者は推定しているのであり、それには様々な説がある。しかしこの一つの説にすぎないものを絶対に正しいみたいな言い廻しで他を攻撃するやり方には”吐き気”を覚える。
つまり、「左翼は日本に汚名を着せるために」朝鮮人の被害者を担ぎあげているという主張だが、何コレ?というしかないような意見である。
すでに述べたように、名乗り出た被害者は朝鮮半島以外にもたくさんいたし、訴訟には支援団体が生まれたのである。「日本に汚名を着せる」のが目的の人がいたとは到底思えないが?、もしいたとしても極めて少数であったろう。
02
●河野談話による強制連行は根拠を疑われるようになり、これまで強制連行を強く主張していた朝日も論旨を変えて、「日本軍が直接に強制連行したか否か、という狭い視点で問題を捉えようとする議論の立て方は、問題の本質を見誤るもので、慰安婦の募集、移送、管理を通して強制と呼ぶべき実態があったことは明らかだ」(平成9年3/31社説)と問題をすり替えながらも、強制連行の主張を取り下げる姿勢に変わってきた。《大師堂経慰 正論2007/5月》
「朝日も論旨を変えて」というのだが、いったい何から何に「論旨をすり替えた」と言うのだろうか?
92年8月を最後に朝日新聞が「吉田清治記事」を掲載するのは終わるのだが、それまでの間に吉田清治の他に山田清吉(『武漢兵站』の作者)などの記事も頻繁に掲載している事も忘れてはいけない。山田清吉は、「強制連行」の体験ではなく、漢口に造られていた大規模な慰安所の内部について、軍の管理者の立場から証言している人物である。
ゆえにこれを「論旨をすり替えた」などとするのは、お角違いであろう。
〇「中国のあいまいな店に出稼ぎに出された際、そこでたまたま客として日本兵の相手をした」
何が「あいまいな店」なのか?さっぱり分からない主張である。「軍人も相手にしたが、一般人も相手にしていたただの売春宿に務めていたで」・・・と言いたいのだろうか?
もし、これに根拠があるなら、スクープなのでぜひ発表していただきたいものだ。
何をグズグズしてるんだ?
しかし、発表していないところをみると、口から出まかせというところだろうか?
黒田勝弘・・・昔はいい記事も書いていたのだが。
やれやれ。
新聞記者としてこんな事を書く時には「元々慰安婦じゃなかった」事実関係を洗ってから書くべきだろう。洗ったのだろうか?