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「アジア女性基金」嘘つきたちの造った偽りの解決ー日本政府は総理大臣の約束を履行せよ!



アジア女性基金の決定的な失敗の第一は「橋本首相の手紙」である。
えっ?!と思う人もいるだろう。

まず手紙を掲載しよう。


口先だけ、いいことを言う詐欺師たちの手紙↓
慰安婦の方々への内閣総理大臣のおわびの手紙

 このたび、政府と国民が協力して進めている「女性のためのアジア平和国民基金」を
通じ、元従軍慰安婦の方々へのわが国の国民的な償いが行われるに際し、私の気持
ちを表明させていただきます。
 いわゆる従軍慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を
深く傷つけた問題でございました。私は、日本国の内閣総理大臣として改めて、いわゆ
従軍慰安婦として数多の苦痛を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われたす
べての方々に対し、心からおわびと反省の気持ちを申し上げます。
 我々は、過去の重みからも未来への責任からも逃げるわけにはまいりません。わが
国としては、道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史
を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に
関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。
 末筆ながら、皆様方のこれからの人生が安らかなものとなりますよう、心からお祈り
しております。

    敬具

1996(平成8)年
(歴代署名:小渕恵三森喜朗、小泉 純一郎) 
 
 


アジア女性基金の推進者たちは、これを”成果”として喧伝して来た。理事たちが論争しながら、しぶる橋本首相に”誠意を込めた手紙”を書かせたというストーリーは、すでに神話化されている。そしてその手紙は一部の被害者たちによって、感動を持って受け入れられたというのだ。

しかし、内容を読んでみるとこんなことが書かれている。

「道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるとともに、いわれなき暴力など女性の名誉と尊厳に関わる諸問題にも積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。」

「過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えると」・・・というのだが、問題となるのはこれを日本政府は一度も実行した事が無いということなのだ。サインしている橋本龍太郎小渕恵三森喜朗、小泉 純一郎である。それでこの4人は「後世に伝えるために」何かしただろうか?

アジア女性基金」は、この手紙の約束を政府に履行させるために何をして来たのか?

「後世に伝える」と言いながら、その努力をまるでしなかった各総理と日本政府は、詐欺師であるというしかないだろう。


「後世に伝える」事業として、すぐに思いつくのは、「教科書に詳しく書くこと」である。


慰安婦について詳しく書くように教科書検定する」を立法化する必要はなく、閣議決定だけで十分可能である。
なんせ、憲法9条さえ閣議決定だけで解釈改憲されてしまうお国柄だ。


「後世に伝える」事業として、次に思いつくのは、慰安婦について説明した「慰安婦の碑」や「慰霊碑」を造ることである。ほんの1~2坪の土地があれば碑を建てることができる。国会議事堂や官邸には、空いた土地がある。それが無理なら、かなり広い庭がある国会図書館に碑を建造する手もある。

これも、閣議決定だけで十分だろう。財源は機密費を充てればいい。碑を造るには工事費も合わせて200万円もあれば可能である。

橋本龍太郎小渕恵三森喜朗、小泉 純一郎は、「道義的な責任を痛感しつつ、おわびと反省の気持ちを踏まえ、過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝える・・・」と書いた文章に同意のサインをしながら、まったく履行しなかった。

不作為の罪というしかないが、あまりに酷すぎる。

被害者の中には、こうした手紙を読んで、涙を流した人さえいたのだ。

そしてこんなに言ってくれるなら、と基金の「償い金」を受け取ったのである。なんせ日本の国政の最高権力者である内閣総理大臣が謝罪し、約束したのだ。口先だけだとは思わず、当然約束は履行されると思うだろう。

少なくとも諸外国でその国の国権の最高権力者がサインした文章に対して責任を取らないなんていう事は考えられないことである。被害者たちも、まさか先進国日本が詐欺師の国だなんて思っていなかっただろう。

ところが、彼らは過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝えるための努力をまるでしなかったのである。当時自民党議員の3分の2を引き込んだ教科書攻撃が始まったにも関わらず・・・・。そのため今や中学生の歴史教科書から「慰安婦」の記述は完全に消去され、どの出版社の教科書も掲載していない。それどころか高校教科書にも、政治的圧力がかかり、削除されつつある。


*(当時すでに始まっていた教科書攻撃については、 http://www.jca.apc.org/~itagaki/history/chron.htm が詳しい。

このブログでも

 安部総理の高校教科書攻撃
 http://blogs.yahoo.co.jp/kounodanwawomamoru/63788673.html

 

また日本政府は「慰安婦の碑」や「記念館」を日本国内のどこにも造っていない。「後世に伝える」には「碑文」や「記念館」を造るのが当然だが、まったく”なしのつぶて”である。そういうアイデアさえ出した事が無い。

つまり日本政府は、「後世に伝える」ことを拒んでいるのである。
という事はどういう事かというと、この内閣総理大臣のおわびの手紙は、日本国が責任を果たさない証拠になったのである。
そしてこれにサインしている橋本龍太郎小渕恵三森喜朗、小泉 純一郎)の全員が「嘘つき」であることを証明しているのだ。

この手紙はただ、そう書いただけで空手形であった。

約束は果たされず、受け取った被害者たちは、またしても甘言に騙されてしまったのである。かつて彼女たちを騙したのは、軍の依頼・命令を受けた業者たちであったが、今や総理大臣自ら70歳過ぎた彼女たちを騙したのだ。

犯人は誰か?

それは各元首相と日本政府とアジア女性基金推進者たちであった。

今からでも遅くない

日本政府はただちに「過去の歴史を直視し、正しくこれを後世に伝える」という約束を履行せよ。



*(さて、橋本龍太郎がこの手紙を書くとき(実際には官僚が書いたのだろうが)、散々渋った末に書いたのだが、それは1996年の話である。その過程もつぶさに報道されたのだが、それはまた別のお話としよう)