河野談話を守る会のブログ2

ヤフーブログ閉鎖のため移住しました

被害国からの批判はすべて「他の政治的な思惑があってとしているんだ」という事にしたいらしい産経の記事






8月16日に台北の総統府で開かれた元慰安婦の記録映画上映会の後、馬英九総統が涙を浮かべて感想を述べていた」というこの記事。
産経ニュース 2015.8.18 http://www.yahoo.co.jp/

「強制連行はなかった」なんてくだらない言い訳ばかり口にする、どこぞの総理とは異なり、馬総統の豊かな人間性が偲ばれる話である。

すばらしい人だな。
昔から何度も元慰安婦の方たちと食事を共にされているという事は聞いているが、ぜひ一度お会いしたいものだ。

もし、日本の総理が、そして天皇慰安婦の記録映画を観て、涙を流したなら、この問題はいっぺんに解決なのだ。しかしそういう人間性、人としての心が果たして日本人にどれぐらい存在しているのか?それは不明である。この「慰安婦」問題を巡る闘いは、どこまで人間性を取り戻すことができるか、という闘いだとも思う。

支援団体の人達と話したり、上映会などに行くとほっとするのは、そこにいる人達が豊かな人間性を持っているのを感じるからだ。右翼だ、左翼だ、反日だ・・・などと関係ない話だ。日本にも、例えば『終わらない戦争』というすぐれた記録映像があるのだが、それを観て強い印象を受けるのは、私たちの心の奥深い部分が刺激されるからである。
その奥深い心情(情操)が揺り動かされる。
心の非常に深い部分のヒダに真実が訴えて来る。
そして自然に涙が流れてくる。

そうした階梯こそ、人間性を取り戻す事なのだ。子供のころには誰だって、犬が線路でひかれて死んでいるのを観ただけで、心が痛かったはずである。『アルプスの少女』でハイジが都会に出て、けれども山に戻りたくて泣いているシーンに涙しなかっただろうか?

そういうところが、実に人間にとって最も大切な部分であり、失ってはいけない情的部分なのである。

ところが、私たちは人生の中で、しばしばそういう自分を見失ってしまう。知識を詰め込むだけの教育や日本中全国どこにでもあるイジメを経験したり、世の中の様々な理不尽な仕打ちや失恋、機械的な仕事に忙殺されいつしか自分の中の泉は枯れて行き、まるで乾ききった砂漠のような心になっている。

慰安婦は売春ババア」などと叫びながら、行進するレイシストたちのデモに参加する人達の心はそんな砂漠のような心である。彼らはしばしばニヒリズムの気分に支配され、冷酷な破壊衝動を振りまいている。

だから、「慰安婦」問題を解決する活動は、人類の普遍的なテーマの一つであるニヒリズムからの脱却も含んでいるのである。世界中の多くの人達が、日本の慰安婦問題に関心を寄せ、「解決して欲しい」と願うのは豊かな人間性を保っている人が世界中にいるからである。

ところが、産経新聞によるとそういう声の主は「日本を貶めたい」だけの人であったり、全て何らかの政治的な思惑があってなされているか、あるいは「中韓のロビー活動に」洗脳されてやっているんだ、という事らしい。どんな予断と偏見に支配されるとそういう見方になるのかは知らない。気に入らない事を言う相手に対しては、ケチを付けたいという有りがちな意図がみてとれる。

この記事でも、馬英九総統が「そのような議論は非文明国の証しだ」「(慰安婦は)性奴隷だ」「一人の友人として日本にさらなる取り組みを求める」と述べた事について

一連の発言の背景には、野党も反対しないテーマで、残り1年を切った任期中に何らかのレガシー(政治的遺産)を残したいという思惑もありそうだ。

なんて、まるで根拠のない推測で結んでいる。つまり、馬英九総統が、日本に「慰安婦問題を解決して欲しい」と述べるのは、政治的な業績を残したいからだという事なのだろうか。

感動して「目に涙を浮かべながら」「解決して欲しい」と訴えているわけだが、それさえも「業績を残したいという思惑」に解釈してしまうというクソみたいな記事である。

こうなるともはやキチガイを相手を相手にしているようなものである。妙な解釈を、「報道」の名で国内にバラまいている。








産経ニュース 2015.8.18 http://www.yahoo.co.jp/

台湾・馬総統、慰安婦問題に執着 日本の謝罪要求 レガシー作りの思惑も?
台北=田中靖人】台湾の馬英九総統が、安倍晋三首相の戦後70年談話を受け、慰安婦問題で連日発言し、日本政府に正式に謝罪するよう求めている。

 馬総統は18日、訪台した自民党青年局一行と総統府で会談し、「慰安婦に対し明確なおわびがなかったのは遺憾だ」と述べた。その上で、「一人の友人として日本にさらなる取り組みを求める」と謝罪を促した。

 台湾当局は14日夜、総統府の報道官と外交部がそれぞれ談話を発表し、首相談話を肯定的に評価した。馬総統は翌15日、当局談話になかった慰安婦問題での要求を追加して発言。16日には、総統府で行政、立法、司法の各院長を招いて台湾人元慰安婦の記録映画の上映会を開いた。

馬総統は鑑賞後、目に涙を浮かべながら、台湾でも慰安婦募集の強制性をめぐる議論があることについて、「そのような議論は非文明国の証しだ」と批判。慰安婦は「性奴隷だ」と述べた。ただ、その根拠は、朝日新聞が虚偽だと認めた「吉田証言」を証拠として引用した1996年のクマラスワミ報告書だった。

 馬総統は93年の法務部長(法相に相当)就任以降、一貫して元慰安婦を支援してきた。総統に就任以来進めた中国優先政策に昨年末の統一地方選で強い反発が出たのとは異なり、慰安婦問題は野党、民主進歩党蔡英文主席も関心を示している。一連の発言の背景には、野党も反対しないテーマで、残り1年を切った任期中に何らかのレガシー(政治的遺産)を残したいという思惑もありそうだ。



総統:台湾元慰安婦へ日本は謝罪を
2015-08-18

馬英九・総統が、台湾の元慰安婦に対し、日本が謝罪するよう希望した。
 
馬英九・総統は18日、日本の自民党青年部青年局のメンバーの表敬訪問を受けた。馬・総統は席上、日本の安倍晋三首相が先ごろ発表した戦後70年の談話の中で、侵略、植民地支配、痛切な反省、断腸の念、心からのお詫びなどに触れた他、戦場の陰には、深く名誉と尊厳を傷つけられた女性たちがいたとした一方で、慰安婦問題について明確な謝罪がなかったことは残念だったと述べた。
 
馬・総統は、「残念だったのは、元慰安婦に対して明確な謝罪がなかったことだ。中華民国政府は日本がこれを反省すると信じているが、友人として、我々は日本がこの方面でより多くのことをきちんと行ってくれるよう希望している。」と述べた。
 
馬・総統は、1996年に国連の人権委員会特別調査が、慰安婦は軍事上の奴隷だったと認定していることを指摘、その後、EUヨーロッパ連合を含む30カ国が議会で決議を採択し、元慰安婦への謝罪を求めることを支持していると説明し、これは国際的な共通認識であるとの見方を示した。馬・総統はそして、日本が東南アジア諸国との関係を改善したいならこの点が鍵だと述べた。
馬・総統はさらに、二日前、総統府で、台湾の元慰安婦の人生を紹介したドキュメンタリー映画「蘆葦の歌」を鑑賞したことに触れ、映画に登場した元慰安婦6人のうち、存命なのは4人だとし、彼女たちは今もなお、日本政府の行動を待っていると訴えた。
 
馬・総統は、1947年に起きた、国民政府による鎮圧事件の228事件や白色テロなど、過去の痛ましい事件への自らの対応を例に、「誤りを認め、謝罪、賠償を行うことで、痛みを和らげる効果があったと指摘、日本にも同様の態度を求めた。馬・総統は、2つの民族が是々非々で、相手の気持ちに立ち、恩と恨みをはっきり分ける態度で、歴史に向き合い、友情を促進できれば、それがもっとも健全なやり方になるのではと述べた。




フォーカス台湾の記事はここに ↓





当ブログの台湾関係記事